9月12、13日上海で地方部大会が開かれた。私はオーク
ス長老が訪中し、説教されるこの大会に出席するのと、上海在
住の旧知の友人NT兄弟(このブログにジュリアンの名でコメン
トを寄せている)に会うため、ハルピンから上海に向かった。
数年前からそうであるが、現在アメリカから末日聖徒が大勢
中国に来ていて、北京、上海をはじめ、大きな都市に支部やグ
ループが形成されている。このことをどう受け止めたらよいの
だろうか、ということが私の心を占めた。
今回、上海まで来たのは、中国についてオークス長老がどう
語られるかに注目したかったからである。オークス長老は1986
年末日聖徒の教会を代表して中国の宗教局と折衝してきた十二
使徒である。
そして私的なことになるが、教会員の中で大変よく似た道を
歩むひとりの友に会って短い時間であったが語らうことができ
たことが大きな収穫であった。以下この三つについて記してみ
たい。
1 中国における米国籍モルモン教徒の存在
この上海における地方部大会に出て、私を迎えてくれたNT兄
弟も「どこにいるのかわからないですね」と言う。私も中国で
なく外国(アメリカのどこか)に来ているみたいに感じた。一
つは現在このような集会に出ることができるのは外国籍のパス
ポートを持っている人でなければならず、中国籍の会員は出る
ことができず、分離されていることがある。日曜日の出席は私
が見てきた日本のステーク大会を凌駕するのではないかと思わ
れる人数で、ステークが十分できる、と指導者も話していた。
上海地方部には浦東、上海西、蘇州、南京の4支部があり、
北京にも複数の支部、他にも済南、西安、大連、武漢、成都、
重慶などに支部やグループが設けられている。ここ上海周辺も
国際地方部と呼ばれ、確かに台湾籍、日本人、アフリカの人な
どが散見されるが圧倒的にアメリカ人が多数である。
中国におけるこの押し寄せるように感じられるアメリカ人の
存在をどう受け止めればよいのだろうか。中国におけるアメリ
カ人を主とする外国の末日聖徒の存在(presence)という点では
すでにかなり地歩を築いていると見ることができる。イスラエ
ルの場合を軽く凌駕している。ただBYUエルサレムセンターのよ
うな建物を持たず、滞在者の回転率が速い。
何に譬えられるのかと考えると、ある意味で短期滞在の外国籍
イスラム教徒やユダヤ教徒に近いのだろうか、と思われた。彼ら
に礼拝のためホテルの一室があてがわれているのを見たことがあ
る。もちろんその規模や増加ぶりは異なり、末日聖徒の場合、最
近、上海浦東の国際会議センタービル「永達」の広いコンサート
ホールのような部屋が日曜礼拝に使用ができるようになっている。
永達国際大厦 Yongda Int'l Tower
アメリカの熱心なldsが中国の門戸が開かれるのを待って押
し寄せているのだろうか、それとも中国の市場に引き寄せられて
いるのだろうか。多くの在中アメリカ人は中国を愛する親中派で
ある、とある日本人が言っていた。しかし、最近の金融不況のた
め蘇州の会員数(外国籍)は減っているという。やはり経済的要
因を無視することはできない。
[関連して、付記]
アジア地域(香港に本部)のパーキンス会長は7年中国に滞在
し、台湾で伝道部長を務めて中国への思い入れの強い指導者であ
るが、多くの滞中米国籍会員を代表して、中国を「荒野」(wilder-
ness)に譬えて説教した。聖典には荒野がいろいろな文脈で現れ、
人々を鍛え清める意味で用いられている。しかし、広大で圧倒的
な中国という民衆と文化の中にあって、末日聖徒は各地で孤立し
た状態にある、その状況を荒野の中にいるようなものと譬えたの
である。信条はもちろん、言語をはじめ文化・風土の違いに、当
惑し不便をかこっている姿が想像できる。そこで信仰上荒野にた
とえることは十分理解できる。しかし、自らが住んでいる環境を
荒野と呼ぶことは、そこに住む人々に対して自己と他者を分けて
考えることに他ならない。また、そこに住んでいる大勢の人々に
とってこの譬えは好感を持てるものではないのではないかと思わ
れた。
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ハルピンからですと、どのくらいかかるのでしょうか。
私たちはP家で皆と放送を観る予定でしたが、所用の為出席できず、残念でした。
広島から福岡に帰って直ぐに、ネルソン長老が福岡に来られ、親しくお目にかかれたのは祝福でした。
以前、スコット長老が広島に来られた時、小さな奇跡を見ましたので、十二使徒の長老にお会いするのは、大変な祝福だと感じています。
特に韓国の教会はとても大きく、韓国人の留学生が他国の留学生を伴って、日曜礼拝に出かけています。
中国には「池田大作、愛と文化研究会」というのがあるのですが、ご存知ですか?私の親しい老師(日本に3年間留学)が関わっていて、活動しています。特に大学を中心に活動しているらしいのですが、年に1回各大学持ち回りでシンポジュームが開かれています。今年は遼寧師範大学が担当で、沢山の人が集まってきました。 老師は「宗教とは全く関係はない」と、言っていますが、明らかに日本人の創価学会の会員らしき人たちが出入りしていました。宗教が開放されると、一気に学会員が浮上してくるのではと、感じています。
LDSにもこのような外郭活動は無いのでしょうか。
ハルピンから上海は片道3時間で、関西空港からハルピンまでとほぼ同じ時間です。お二人は行動範囲が広くダイナミックな動きをなさいますね。驚嘆いたします。(影響を受けています。)
大連における宗教事情をありがとうございます。私の周辺では同様の動きは皆無のように思われます。ときどき出席してきた地元のキリスト教会のことは多少肌で感じ取っていますが。LDSの外郭活動はないはずです。中国政府はlds教会を非合法とし、間接的でも受動的でも布教を禁じていますから。