小田原周辺のマイナースポットや些細な出来事を少しずつ
小田原の端々



小田原市久野の県道74号沿いの久野川橋の近くでは、医療会館新築工事に先立って遺跡の発掘調査が行われている。先日、その発掘地点の見学会が開催されたので出かけた。 12月1日、久野川橋近くの医療会館建設予定地で遺跡の見学会が開催された。見学会はこの日のみで時間も午後1時から3時までとピンポイントだったが、どうにか間に合い午後2時近くになって現地へ。発掘調査が行われている敷地には高い工事フェンスが設置されていて中の様子があまりよく分からなかった。この日はいつも閉ざされているゲートが開けられている。ゲートをくぐり見学会が行われている内部へ。作業小屋の他、この見学会のためと思われる出土品を展示するためのテントが一張とパネルが用意されていた。パネルには出土品や遺構の写真が展示されており、発掘調査にあたっているスタッフの解説があった。発掘地点の全景。この遺跡は久野下馬道上遺跡という呼称で、今回の調査では弥生時代後期から中世までの遺構・遺物が確認されたとのこと。発掘地点を上から眺めるだけかと思ったら、下まで降りて見学出来るとのことで作業用の階段を下りて発掘現場へ。発掘現場は敷地の境界に沿って矢板が打たれており、およそ3~4mほど掘り下げられている。発掘現場で遺構や遺物が出土した場所で各々スタッフによる解説が行われたが、考古学に疎いので今ひとつ頭に入らない。これは古墳時代後期から奈良・平安時代にかけての住居跡とカマド跡。このほか、敷地の東側では集石墓などが発見されたとのこと。これは井戸跡で今でも水が滲みだしていた。直径40cmほどの井戸の底の部分だが数箇所から地下水が流れ込んでいる。この周辺は久野川にも近く、伏流水が豊富なようだ。面白かったのが、遺跡に混じって基礎固めの杭が残っていたところ。この場所は以前、印刷か紙器関係の工場だったように記憶している。その工場の地盤固めの杭が20本近く発掘現場内に点在していた。古墳時代には集落が広がっていたこの場所も来年には、医療会館が建設される。今回の下馬道上遺跡見学会は建設前に古代の遺跡や遺物を身近に見学できたので有意義なひとときだった。

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