アートセラピー「心のお絵かき」の世界

アートセラピストで妻で母で女の、楽しく豊かでゆるい人生後半日記。

ムンク展2 ああ恋愛

2019-01-10 17:11:04 | 美術・芸術
ムンクの絵は、病気や死への不安と同じくらい「恋愛」をテーマにしたものは多いです。

たぶん、芸術家だし、しかもああいう精神状態の人でしたから、恋愛中毒だったんじゃないかと
考えるわけです・・・。

病気や死への不安から逃げるために、恋愛しないではいられなかったみたいな感じ。

接吻する恋人たち、抱き合い絡み合う恋人たちは、殆ど境界線を無くして一つの塊のようです。

そんなに激しく愛し合っていたのか・・・。

私の好きな「吸血鬼」だって、女性は男性に覆いかぶさり、接吻していると言うより、
まさに血を吸っているようです。

かぷっ という音まで聞こえそう。

女に生き血をすすられて、男は弱っていくのだという例えなのかもしれませんが。

(だからアタシは、この絵が好きなのかしら?)

この吸血鬼シリーズでも、やはり男と女の輪郭線は溶け合い、一つの塊に見えます。

ムンクの恋愛は、みんなこんなに激しいものだったのかしらね。

ここでつくづく残念だったのは、私が今もう激しい恋愛をしてないどころか、その記憶すら消滅しかけていて
「へー、恋愛ってこんなだったっけ?」
と、冷めた目でしか作品を見られなくなっていたことです。

ああ、ほんとに残念だわ。

同じように、恋のメランコリーに沈む人物画を見ても
「恋って、こんなに憂鬱なもんだったっけ??」
と、今ひとつ共感できずに、したがって心に食い込まずに淡々と眺めてしまうのでした。

もっと若くて、恋愛進行形あるいは恋愛の記憶が生々しい頃だったら、もっとハゲシク、
まさに作品と自分の境界線が消えるかのように見られたかもしれません。

ああっ!ほんとに残念だわ!