アートセラピー「心のお絵かき」の世界

アートセラピストで妻で母で女の、楽しく豊かでゆるい人生後半日記。

根津美術館 酒呑童子絵巻

2019-01-22 13:28:01 | 美術・芸術
先日、お天気が良く比較的暖かい日に、根津美術館に酒呑童子絵巻を見に行ってまいりました。

それほど混雑しておらず、ゆったりと見ることができました。

面白かった~~!!

酒呑童子ってこういうお話だったのね!

これは絵巻が主人公で、絵を観ることがメインですから、ストーリーにばかり気が行ってはいけません。

そういうことを配慮した感じの、簡潔でわかりやすい物語解説がVERY GOODでありました。

同じ酒呑童子絵巻でも、室町時代に描かれたものと江戸時代に描かれたものとはだいぶ感じが違います。



室町時代のは素朴で、鬼のお話なのに、なにかこう邪気が無いというか、鬼の姿になって眠りこけている
酒呑童子の顔なんてカワイイのです。

鬼退治の主役である源頼光の衣装なども、お話がつながっているはずの場面なのにばらばらで、どれが頼光さんかいな?
と探してしまったり。おおらかで良かったわ。

江戸時代の絵巻は住吉弘尚という絵師の作品だそうですが、とても洗練されています。

ロマンティック・ロシア展を見た時は、その自然描写のすばらしさに感銘を受けましたが、
こちらの自然描写もまた、負けず劣らず素晴らしいものがありました。

酒呑童子絵巻の場合、自然描写は、物語の背景にすぎないのでしょうが、
単に背景と片付けてしまうのにはもったいない美しさでした。

やっぱり、日本人は自然の美しさを愛しているから、たとえ背景といってもおろそかにできないのでしょう。

そして、登場する人間や鬼たちの表情やしぐさなどの豊かさ、衣装の細かさなどは面白くて、
いつまで観ていても飽きません。

・・・それで、観ているうちに「おぉっ?」と思ったですよ。

この長ーい絵巻物をA4サイズくらいの幅に切って綴じたら、まるで少年ジャン〇みたいじゃなーい?!

逆に、少年ジャン〇の漫画をコマ割りとか全部はずしてだらーっとつなぎ合わせたら、絵巻になりそうよねぇ?

おお!
世界に誇るニッポンのコミックの原点は、ここにあったのね。

今日一番の発見だわ。

ところで、根津美術館に、今まで気づかず素通りしてしまっていたステキスポットがありました。



どこかわかりますか?

入口入ってすぐの左側です。

入るとすぐ美術館めがけて右側に歩いてしまうので、気がつかなかったのでした。

もっとゆとりを持って歩かなきゃ、ね。