「エシャロット」
エシャロット(仏: Échalote、学名: Allium cepa L. var. aggregatum)は、タマネギの一種、具体的にはタマネギ(Allium cepa)の変種である。調味料および野菜として栽培されており、食用とされる球根(鱗茎)もエシャロットと呼ばれる。タマネギはヒガンバナ科に分類される(以前はユリ科)。
変種名aggregatumはラテン語で「群生の、密集の」という意味である。
以前は別の種A. ascalonicumとして分類されていたが、今ではこの名称は現在の学名のシノニム(異名)であると見なされている。一部の著者らはグレーエシャロット(仏: Échalote grise; アフガニスタンやイランといった中央アジア原産の種)を独立した種と見なしAllium oschaninii O. Fedtsch.という学名を与えている。グレーエシャロットの外観は小タマネギに似ているが、ニンニクのように鱗茎が分球している。
タマネギの一種であるため近縁種には、ニンニクやリーキ、チャイブ、ラッキョウがある。
名称
エシャロットは南インドでは「小さいタマネギ」と呼ばれ、現地の料理で幅広く使われる。
日本語の名称はフランス語の「échalote」の転写である。英語では「shallot」と呼ばれる。フランス語に由来する「eschalot」という用語が使われることもある。
エシャロットの古い名称はラテン語で「アスカロンの(タマネギ)」を意味する「ascalonia(cepa)」から来ている。アスカロンは現在のイスラエル領内のペリシテ人の土地に位置していた都市である(現在のアシュケロン)。俗説によれば、フランク人が第1回十字軍の最後の戦いとなったアスカロンの戦い(1099年)の後に西へエシャロットを持ち帰った、とされる。しかし、エシャロットは1世紀には既にイタリアで広く使われており、マルクス・ガビウス・アピシウスによるレシピ集『料理の題目(羅: De Re Coquinaria)』中に記載されている一般的な食材の一つであるため、これはありそうにない。
エシャロットはおそらく中央アジアまたは南西アジアに起源があり、そこからインドおよび東地中海地域に伝わった。名称は古典ギリシア語時代の人々がアスカロン(Ἀσκάλων)をエシャロットの起源と信じていたことから来ている。
英語の「shallot」はイランおよびイラクのザグロス山脈原産のAllium stipitatum(ペルシア・エシャロット)に対しても用いられる。また、英語の「shallot」は、フレンチ・レッド・エシャロット(学名: Allium cepa var. aggregatum)とフレンチ・グレー・エシャロット(仏: Échalotes grises、学名: Allium oschaniniiとして別種と扱われることもあり、「真のエシャロット」とも呼ばれる)の両方に対して使われる。また「shallot」という名称は米国ニューオーリンズやオーストラリア、カナダ・ケベック州の英語話者の間でスキャリオン(春タマネギ: 根が発達する前の若いタマネギ)に対しても使われる。ケベック州の英語話者の間では「French shallot」が本項で指すところの植物を意味する。英語を話すケベック人とイギリス英語話者は「shallot」の第2音節に強勢を置き「シャロー(ローを強く)」のように発音するのに対して、その他の英語の変種では「シャロット(シャを強く)」のように発音する。
ケベックおよびニューブランズウィックでは、エシャロット・フランセーズ(échalotte française)と呼ばれる(英語の単語 "shallot" はセベットの名称として使われる)。
中国では「胡葱」(フーツォン)、台湾では「紅葱頭」(アンツァンタウ)、香港では「乾葱」(コンチョン)、タイでは「หอม」(ホム)と呼ばれる。
日本のエシャレット
日本では、エシャロットの呼称に混乱が見られ、生食用に軟白栽培されたラッキョウ (Allium chinense) が「エシャロット」の名で流通したり、「エシャレット」の商品名で販売されていることが多い。この一年物の早獲りラッキョウに「エシャレット」という商品名を命名したのは東京築地の青果卸業者・川井彦二であり、その理由として「『根ラッキョウ』の商品名では売れないと思ったのでお洒落な商品名を付けた」と語っている。
農林水産省のウェブサイトでは「月報野菜情報(2012年5月)を参考として、若採りのらっきょうは「エシャロット」と呼ばれていたが、香味野菜「シャロット(英名)」のフランス名が「エシャロット」で、混同されたことから、若採りのらっきょうの方は「エシャレット」や「エシャ」と呼ぶようになったとしている。いずれにしても分類上、同じネギ属の同属異種植物であるものの、エシャロットとラッキョウでは見た目も味も違う。日本では、この根らっきょう「エシャレット」が、誤って「エシャロット」と呼ばれることが少なからずあり、小売店でも誤っている場合があるため、本物のエシャロットが必要な場合は「ベルギー・エシャロット」などと明示されているものを選ぶのが、間違いのない判断方法である。
主な品種
フランスで栽培されているエシャロットの品種は大きく以下の2つのグループに分けられる: グレーエシャロット(échalotes grises) はより香りが良いため最も好まれる。ピンク(échalotes roses)または赤茶エシャロット(échalotes brun rougeâtre)は程度の差はあるが細長い。
グレーエシャロット
主な品種: Griselle、Grisor。
ピンクエシャロット
主な品種: Armador、Melkior、Pesandor、Picador、Ronde de Jersey、Rondeline
赤茶エシャロット
主な品種: Arvro、Bruneor、Jermor、Kormoran、Longor, Menhir等
栄養繁殖によって得られ、苗の形態で販売されているおよそ20品種がフランスの種および品種公式目録に収載されている。
しばしばエシャロットとして販売されている品種「Cuisse de poulet du Poitou(ポワトゥーの鶏の脚)」は、特別な種類の細長いタマネギ、エシャリオンである。
2018年2月現在、67品種が欧州の種および品種目録に収載されている。
利用
エシャロットは、タマネギとニンニクを合わせたような味わいの香味野菜である。ネギ属であるため、エシャロットの味は普通のタマネギにいくぶん似ているが、風味はより柔らかい。タマネギのように、生のエシャロットを刻むとヒトの眼を刺激する物質が放出するため、涙が出る。
フランス料理では欠かすことのできないもので、西洋料理の香味野菜として、鱗茎を微塵切りしたものや下ろしたものを肉や魚の臭み消しや香り付けに利用したり、ソースに用いる。
イランでは、モーセールと呼び、刻んでヨーグルトと混ぜて、ケバブの付け合わせなどにする。南アジアでもサンバルソースの具として欠かせない。
中華料理、台湾料理、タイ料理では、刻んで、油とともに強火で炒め、肉など他の食材を加えて炒め物として用いることが多い。また、台湾料理では、刻んで油でからからに揚げたものを麺料理の薬味にもよく用いる。
中国福建省の竜海市には「香脯糕」(シアンプーガオ)という落雁に似た干菓子があり、エシャロットやネギの風味を付けたものもある。
栄養価
水溶性の食物繊維を9割以上含んでいるのが特徴であるが、淡色野菜としてバランスよく栄養素を含んでいる[12]。水溶性植物繊維は、糖尿病や高脂血症を予防する効能が認められている。また、特有の香り成分はニンニクやタマネギなどにも含まれる硫化アリルで、がんの予防効果やビタミンB1の吸収を助ける効果が期待できる。
*Wikipedia より
エシャロットとエシャレットの違いは?おいしい食べ方やレシピもご紹介 作成日: 2023/11/24 更新日: 2023/11/29
玉ねぎに似た「エシャロット」という野菜を知っていますか。エシャロットは、小型の玉ねぎのような形をした野菜で、フランス料理のソースなどによく使われる食材です。最近では、スーパーなどで売られているのを見かけることも多くなりました。
一方で、エシャロットと似たような名前の「エシャレット」という野菜もあります。名前がよく似ていますが、エシャロットとエシャレットは違う種類の野菜です。
この記事では、エシャロットとエシャレットの違いと、美味しく味わう食べ方を解説します。それぞれのおすすめレシピもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください
目次
エシャロットとエシャレットの違い
エシャロットとは
エシャレットとは
エシャロットの美味しい食べ方
マデラソース
ベアルネーズソース
ブールブランソース
ミニョネットソース
エシャレットの美味しい食べ方
エシャレットの肉巻き
エシャレットのしょうゆ漬け
エシャレットの天ぷら
エシャレットのぬた
エシャロットとエシャレットを食べ比べてみよう!
エシャロットとエシャレットの違い
エシャロットとエシャレットは、名前が一文字しか変わらないことから、同じものと思われがちな野菜ですが、実は違う種類の野菜です。ここからは、エシャロットとエシャレットを美味しく味わう食べ方について解説します。
どのような違いがあるのか気になるという方や、エシャロットやエシャレットの美味しい食べ方が知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
エシャロットとは
玉ねぎの一種であるエシャロットは、小ぶりの玉ねぎのような形が特徴の野菜です。日本国内ではほとんど栽培されておらず、市場に出回っているのはほとんどが海外からの輸入品です。
エシャロットは玉ねぎとニンニクの中間のような独特の甘い香りがあり、フランス料理では「ベアルネーズソース」や「ブールブランソース」など、ソースの材料としてよく使われています。エシャロットは食材として料理に使われることは少なく、香味野菜のようにアクセントや風味づけとして使われます。
エシャレットとは
エシャレットとは若いうちに収穫したらっきょうのことで、食用となる白い部分が多くなるように土寄せして栽培し、食感が硬くなる前に収穫したものです。元々は「エシャロット」という名前で売られていましたが、玉ねぎの一種であるエシャロットが出回るようになり、区別するために「エシャレット」に変わりました。そのことが、エシャレットとエシャロットが混同されやすい理由となっているようです。
エシャレットは、柔らかい食感とピリッと辛みのある味が特徴です。加熱して食べることもありますが、生のままでも美味しく食べられます。生で食べる場合には、みそやマヨネーズなどをつけて食べることが多いようです。また、しょうゆ漬けやぬた和えなど、和食に使われることもあります。生のまま食べるとシャキシャキっとした食感が味わえます。
エシャロットとは?特徴やエシャレットとの違いを解説!
おしゃれなレストランやフレンチのお店のメニューで見かける「エシャロット」。たまねぎのように見えますが、スーパーに並んでいるたまねぎとは違う野菜なのでしょうか。 また、エシャロットと名前が似ている「エシャレット」という野菜もあります。響きが似ているということは同じような特徴があるのか…気になりますよね。 今回はエシャロットとエシャレットの違いや、エシャロットを使ったレシピをご紹介していきます。
エシャロットの美味しい食べ方
独特の風味と辛みが特徴のエシャロットを使って、ソースを作るのもおすすめです。シンプルにソテーしたお肉に添えるだけで、本格的な味わいが楽しめます。
マデラソース
マデラソースは、マデラワインをベースにしたフランス料理で使われるソースの一種です。マデラワインにフォンドヴォーを加えることで奥深い味わいに仕上がります。ステーキやハンバーグなどの肉料理に合わせると本格的な味が楽しめます。
料理の基本! マデラソース
ベアルネーズソース
ベアルネーズソースは、卵黄とバターを乳化させて作るソースです。フランス料理で使われるソースで、まろやかでコクのある味わいとさわやかな酸味が特徴です。エシャロットの辛みがアクセントになり、ステーキやグリル料理によく合います。
料理の基本! ベアルネーズソースの作り方
ブールブランソース
ブールブランソースは、バターが主役のソースです。エシャロットと白ワインビネガーを効かせて、濃厚な味わいのなかにもさわやかな風味が楽しめます。白身魚や野菜のソテーなどに合わせて、料理にコクを出したいときにぴったりです。
料理の基本! ブールブランソースの作り方
ミニョネットソース
生牡蠣やシーフードに合わせるなら、このミニョネットソースがおすすめです。さわやかな風味の赤ワインビネガーに辛みのあるエシャロットが、生牡蠣の旨みを引き立てます。生牡蠣やシーフードに添えて、ぜひ味わってみてください。
生牡蠣のおいしさを引き立てる! ミニョネットソース
エシャレットの美味しい食べ方
エシャレットは、加熱して食べても美味しいですが、味噌やマヨネーズをつけて生のまま食べるのもおすすめです。和食の味付けと相性がよく、酢漬けやしょうゆ漬けだけでなく、肉巻きや天ぷらにしてもおいしく食べられます。
エシャレットの肉巻き
エシャレットのさわやかな風味と豚肉の旨味が絶妙にマッチする、エシャレットの肉巻きです。シャキシャキっとしたエシャレットの食感がアクセントになり、ついつい箸が止まらなくなります。晩ごはんのおかずにぴったりの一品です。
豚肉と相性抜群! エシャレットの肉巻き
エシャレットのしょうゆ漬け
新鮮なエシャレットが手に入ったら、しょうゆ漬けを試してみましょう。辛みの少ないエシャレットは、生で食べるのもおすすめです。しょうゆとみりんの味付けに鰹節が華やかに香って、ついついクセになるおいしさです。
フレッシュな香りが楽しめる♪ エシャレットのしょうゆ漬け
エシャレットの天ぷら
風味のよいエシャレットを、天ぷらにしてシンプルに味わいましょう。ほどよく食感を残したエシャレットと、カリッと香ばしい衣の組み合わせが絶品です。そのまま食べるのはもちろん、抹茶塩をつけて食べると、より風味が引き立ちます。
抹茶塩で美味しさ引き立つ! エシャレットの天ぷら
エシャレットのぬた
さわやかな風味の酢味噌で味わうエシャレットのぬたです。エシャレットとあさりが甘酸っぱい酢味噌とよく合い、思わず箸が止まらなくなるおいしさです。ごはんのおかずとしてはもちろん、お酒のおつまみにもぴったりの一品です。
酢味噌だれでさっぱり♪ エシャレットのぬた
エシャロットとエシャレットを食べ比べてみよう!
「エシャロット」とは、玉ねぎに似た野菜の一種です。ニンニクのような香りと辛みが特徴の野菜で、風味を生かしてフランス料理ではソースなどに多く使われます。エシャロットと似た野菜に「エシャレット」がありますが、こちらは若取りのらっきょうのことです。
可食部分が多くなるよう土寄せをして、光を当てないように育てて早めに収穫します。らっきょうのようにクセがなく、やわらかい食感とさわやかな辛みが味わえます。和食と相性がよく、酢味噌和えやしょうゆ漬けにして食べられます。
近頃ではエシャロットもエシャレットもスーパーなどで見かけることが増えてきました。ここでご紹介したレシピを参考に、名前が似ているけれど種類が違う2つの食材を食べ比べてみてはいかがでしょうか。
*https://delishkitchen.tv/articles/2319 より