ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

『有事法制批判 』( 自由法曹団と反日左翼教授 )

2017-11-26 18:31:47 | 徒然の記

 憲法再生フォーラム編『有事法制批判』( 平成15年刊 岩波新書 )を、読了。

 先月読んだ自由法曹団編の『有事法制とアメリカの戦争』と、同じ内容でした。出版社は別ですが、同じ平成15年の本です。自由法曹団の執筆者は、都内の法律事務所に在籍する弁護士でしたが、憲法再生フォーラムの著者は主として大学教授で、前回より高齢者です。

 私が著者たちのことを「反日左翼」と、悪し様に語るのと同じようにように、彼らも私のような「改憲論者」を、狡猾な政府に騙された「単細胞の国民」、「過去から何も学ばない愚か者」と貶します。

 比較しますと弁護士より大学教授の方が、毎日学生たちをたぶらかしているだけに、説明内容が充実していました。弁護士の詭弁より教授の方が説得力があり、 それだけ社会へ流す害毒も大きいのだと分かりました。薄っぺらな新書ですが、ブログは一回で終わらない予感がします。

 9人の執筆者の肩書きを、巻末のページから転記します。息子たちがこういう先生の著作に惑わされないよう、労を厭わず紹介します。

   1. 高橋哲哉  ( 昭和31年生れ 61才) 東大助教授

   2. 渡辺 治  ( 昭和22年生れ 70才) 一橋大教授

   3. 古川 純  ( 昭和17年生れ 75才) 専修大教授 

   4. 水島朝穂  ( 昭和28年生れ 63才) 早大教授

   5. 小林直樹  ( 大正10年生れ 96才) 東大名誉大教授

   6. 杉原泰雄  ( 昭和5年生れ 87才) 一橋大名誉教授

   7. 間宮陽介  ( 昭和23年生れ 69才) 京大教授

   8. 暉峻淑子  ( 昭和3年生れ 89才) 埼玉大名誉教授

   9. 加藤周一  ( 大正8年生れ 98才) 作家・評論家

  著者たちが大騒ぎしている有事法制関連三法案は、次の三つです。

  1. 武力攻撃事態法案  2. 自衛隊法改正案  3. 安全保障会議設置法改正案

 小泉内閣が二度目の国会提出したが可決に至らず、執筆者たちの希望通り廃案となっています。出版社が異なりますが、弁護士団体、教授団体が、同時に同じ内容の本を世に出していることから、危機感を持つ反日左翼勢力が共同歩調を取っている、という事実が見えます。

 本年 ( 平成29年 ) の7月16日に、安倍内閣が、安保法制関連法をひとまとめにして可決しましたから、執筆者たちの希望は叶わなかったということになります。

 反日左翼野党が「戦争法案だ」と大声で反対し、国会周辺でデモをし、文科省の反日次官前川喜平氏も参加していました。

 騒ぎの中で可決された法案の数が11本ですから、安倍総理も自民党もやればやれるのだと見直しました。重要な法律なので、11本の法律名を紹介しておきます。

    1. 国際平和支援法 (新設)            2. 自衛隊法 (改正)        3. PKO法  (改正)

    4. 重要影響事態安全確保法  (改正)          5. 船舶検査活動法  (改正)

    6. 武力攻撃事態対処法  (改正)                7. 米軍等行動関連措置法  (改正)

    8. 特定公共施設利用法  (改正)                9. 海上輸送規制法  (改正)

   10. 捕虜取扱法  (改正)                          11. 国家安全保障会議設置法  (改正)

  憲法再生フォーラムの反日教授と自由法曹団の弁護士各氏が、15年前に反対した法案がすべて成立しました。

 次の目標は「憲法改正」ですが、有事法制関連三法だけでも、小泉、安倍内閣を経て11年かかっています。戦後72年が経過してますが憲法改正は、安倍内閣での成立は困難な気がしています。

 狡猾な政府に騙された「単細胞の国民」「過去から何も学ばない愚か者」と、反日教授に貶されますが、「東京裁判史観」を信仰する彼らと、どの様に意見が異なっているのかを明日から述べたいと思います。

 論破するとか、世の「お花畑の住民」たちを覚醒させるとか、そんなことは考えていません。息子や孫たちが彼らに騙されないようにと、それだけを願っています。政治の意思表示は選挙の一票ですれば良いのですから、彼らと空論を戦わす必要はありません。

 亡くなった父は形のあるものを残しませんでしたが、心の中には父の姿があります。捕虜になりシベリアの炭鉱で働かされましたが、戻ってきた父は家族のため、働きづくめの一生でした。泣き言も不平も言わず笑顔で暮らしていた父を、私は誇りに思っています。

 戦争を呪い自分の国を恨み軍人を嫌悪するような、そんな人間の言うことを信じない理由がここにあります。

 「国の言うことは、信じるな。」

 「軍国主義は、許すな。」

 「政治家に、騙されるな。」・・・父はそんなことは言いませんでした。

 明るく陽気でも、私には怖い父親でした。他人を騙したり嘘をついたりすると許しませんでした。長々と述べているのは、博識の反日教授より高等小学校しか出ていない父を信じると、それが言いたいためです。

 息子たちも同じDNAを持つ家族ですから、私の死後ブログを発見したら読んでくれるだろうと楽観しています。「死んでからのお楽しみ」・・、という楽しい「ねこ庭」でもあるのです。

 本の紹介を離れ、何時ものように横道に入り込んでしまいました。書評は明日にします。

コメント (2)
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