ねこ庭の独り言

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アメリカの正義に惑わされるな - 2 ( 日本の独立はいつになるのか ? )

2018-11-08 16:56:18 | 徒然の記

 山本裕司氏著『アメリカの正義に惑わされるな』の、続きです。

 26ページから、氏がイスラエルの建国について語ります。イスラエルは、四国をひと回り大きくした国土に、650万人が暮らし、その80%がユダヤ教徒であるイスラエル人です。埼玉県よりちょっと少ない人口だと、説明しています。

 ユダヤ人がイスラエルを建国したのは、1948 ( 昭和24 ) 年5月14日です。彼らが言うには、「紀元前500年前に、パレスチナの地にユダヤの国があった。」という理由です。ユダヤの国が滅びて以来、約2500年後に、彼らはやっと自分の国を再建したと言うことになります。

 私は以前のブログで、周辺の強国に従属させられたノルウェーが、第二次世界大戦後に510年をかけ、念願の独立を達成したと紹介しました。その長い忍従の日々を耐えた、ノルウェー人に強い敬意の念を抱きました。しかし本日、山本氏の著作で、イスラエルの建国の経緯をつぶさに知り、上には上があると知りました。なんとユダヤ人は、ノルウェーの約5倍の年月をかけ、自分の国を手に入れました。

 ノルウェーと違いイスラエルの建国には、様々無謀な事実が絡みあっていますから、単純に祝福する気持ちにはなれません。私が参考にするのは、自国再建に要した、歳月だけです。日本の歴史と比較すれば、私の驚きがもっと理解されるはずです。

 今上陛下は神武天皇以来125代目の天皇で、皇紀で言いますと、今年は2678年となります。ユダヤ人は、日本史の長さとほとんど同じ歳月をかけ、パレスチナにイスラエル国を再建したということになります。

  息子たちに言います。なぜここで、ノルウェーやイスラエルの話にこだわるのか、しっかりと伝えたいことがあるからです。大東亜戦争で敗北して以来、日本は国の独立を失い、日本人の魂まで失ってしまいました。アメリカの従属国となって73年が経過していますが、国民の多くは、今だに日本が自主独立の国であると勘違いしています。

 日本人が、日本人の魂を取り戻すには、自分の国を自分で守るという普通の国に戻らなくては叶いません。少し話が飛びますが、今のままでは国民が頑張り、国を豊かにしても、蓄えた富は自国のために使われず、米国や中国、あるいはアジアや中近東の国のために使わされます。日本は江戸時代の百姓と同様、「絞れば絞るほど、金を出す。」という役目にさせられています。

 江戸時代と違うのは、国際社会というのか、地球と言うべきか、そんな規模で、日本が「世界の金庫」扱いされているところです。日本の実態を把握しているのは、庶民ではありません。指導者と言われる、少数の人間だけです。

 具体的に言えば、財務省の一部の高級官僚、政治家の一部と、一握りの経済学者たちです。みんな戦勝国に籠絡された日本人たちです。これが、敗戦後の日本の悲劇であることを、息子たちに伝えなくてなりません。

 最近になり、保守と呼ばれる人々に疑問を抱き始めています。個別の些事を針小棒大に叫び、保守の絆を弱めようとする人々の存在も、その一つです。大切な日本を忘れ、米国や中国といった軍事大国になびく反日の人間は、左翼だけでなく、保守の中にも多数います。

 日本を取り巻く国際社会では、ノルウェーやイスラエルのように、500年、1000年単位で、物事を考えている国が幾らでもあります。中国も今はしきりに米国と対峙し、アジアの弱い国々を恫喝していますが、習近平氏など中国人たちがやっているのは、アヘン戦争以来の国際社会への復讐です。そこまで遡れば、彼らがやっている危険な行為にも、一分の理 ( いちぶのり ) があります。

  勝手気儘に見えるどの国の横暴な行為にも、それなりの理由があります。どこの国にも、善があり正義があり、同じくらいに、悪と不正義があります。思考停止し、歴史を忘れた日本人の中には、戦後73年が経っても道理の理解できない人間が育ちました。「日本だけが悪い。」「日本だけが間違っていた。」と叫んでいますと、そのうち日本が崩壊してしまいます。
 
 話が逸れたので、本題へ戻ります。
言いたいのは、いったん失った独立は、100年、 200年では戻らないという事実を、肝に銘じて欲しいということです。国が独立を失うことの重大さを、知らなくてなりません。
 
 私も自戒せねばなりませんが、他人を攻撃し悪し様に言えば、言われた人間の心が変わるのかという話です。そんなことを続けていれば、味方さえ敵にまわしてしまいます。「理想は高く手は低く」、「急がば回れ」でしか、達成できない大事があります。
 
 「自分の代でできないなら、次の代へ」と、そんな長期展望なしに「憲法改正」「皇室の護持」という、日本の根幹の大事が成就するとは思いません。
 
 この本の著者である山本氏が、良い例です。反日・左翼系の記者である氏は、日本が独立を失っていることを知りながら、一言も読者に語りません。この人物にとっての正義は、社会主義国を正当化し、資本主義の本山である米国を批判し、ついでに日本も蔑視することです。
 
 多くのことを知り、経験も知識も豊富なのに、日本を愛する心だけがありません。こんな日本人になってはならないと嫌悪しつつ、氏の本を最後まで読みます。
 
 嫌悪する相手でも、知らないことを教えてくれる限り、その部分では師ですから耳を傾けます。しかし時として、疲れを覚える時があります。ノルウエーとも、イスラエルとも違うのは、日本の国論が二分されているところです。
 
 外国に踊らされた反日の日本人たちが、国を大切にする人間を糾弾しているからです。国の独立を達成するには、国内で意思の統一がいります。日本国内にいる、反日と、「お花畑の住民」と短気な保守の人々が、道をふさいで邪魔をしています。
 
 もしかすると日本の独立達成は、ノルウェーの500年以上かかるのかもしれません。
 
 山本氏の著書を読みながら、父は、そんなことを考えています。
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