ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

非聖戦 - 9 ( 国民を守るための「憲法改正」 )

2018-11-27 20:03:34 | 徒然の記

 クーリー氏の『非聖戦』を、読み終えました。陰鬱な謀略と殺人の話ばかりでしたから、うんざりしましたが、この間「ねこ庭」を訪問された方の少なさを知りますと、誰にとっても不愉快なブログだったのだ納得しました。

 迷いもなく人間を殺傷する非情な諜報機関や、自己顕示欲の強い独裁者による、人命軽視の政争は、今の日本では縁のない話です。策略や陰謀や、無差別殺人など、そんな話の好きな人が、私の周りには少ないのだと分かりました。

 11月16日の千葉日報では、森田知事が「介護人材確保」のため、ベトナムへ出発したと報道されていました。記事の一部を紹介します。

 「知事は出発前に成田空港で取材に応じ、国会で審議中の、外国人労働者受け入れ拡大とも関連する、介護人材の必要性について、本県でも喫緊の課題なので、ベトナムから更に来てほしいが、問題が生じないよう希望者や学生の意見を、現地でしっかり聞きたいと強調した。」

 観光PRと人材確保のため、知事がトップセールスへ向かうと、千葉日報社が前向きな評価をしています。のんきな記事です。何ヶ月にも渡り、外国人労働者の受け入れ拡大に関し、国会での論戦が報道されていますが、私のような心配は誰もしていません。 

  アフガン紛争以後、大量に流出した兵器と麻薬密造ルートの弊害は、クーリー氏の説明によると、すでにフィリピンにまで波及しています。フリピン国民の84.1%は、カトリック教徒で、カトリック以外のキリスト教信者が、6.2%、イスラム教徒はわずか4.6%です。

 そのわずかなイスラム教徒の中に、さらに一握りのアフガン帰りの戦士が加わり、フイリッピンの政情不安の原因となっているとのことです。

 ベトナムでは80%が仏教徒ですが、カソリック、プロテスタントがいて、これに少数のイスラム教やヒンドゥー教を信じる国民もいます。森田氏のように警戒心もなく、いらっしゃい、いらっしゃいでは、50年100後に千葉県は、泣く目にあう気がしてなりません。

 351ページで、イスラム過激派の攻撃により、アメリカの駆逐艦の爆破事件が語られていました。これについてブッシュ大統領が、9.11の「同時テロ」同様、日本のカミカゼと似た手口だと非難しています。

 今月初めに読んだ、山本裕司氏の『アメリカの正義に惑わされるな』の中にも、似た文章がありました。

 「無差別テロ」の殺人者と「特攻隊」の戦闘を、同じ目線で語ってはならないと、あの時山本氏を批判しました。今回は米国人の記者の叙述なので、同じには扱えませんが、これを翻訳したNHKの記者は、何の疑問も抱かなかったのかと疑問を覚えました。

 だから抗議の意を込めて、この部分を翻訳した人物の名前と経歴を紹介します。

 第11章担当 岩崎俊夫

  東大法学部卒。NHKで社会報道、国際報道を担当。ワシントン支局特派員、海外業務部長を歴任。現在NHK情報ネットワーク専門委員。

  私なら「後書き」の一部にでも、「無差別テロ」の殺人者と「特攻隊」の戦闘は、同じものでありませんと、注記します。最初からそれをする気がないのでしょうから、NHKの記者を軽蔑します。立派な肩書きがあっても、日本人の魂を失った人物は、「獅子身中の虫」でしかありません。

  残忍な叙述の多い本を読む間中、私の念頭を離れなかったのは、「自衛隊員」のことでした。手に手に武器を持った過激派兵士が、100人も200人も現れたとき、国民を守ってくれるのは「自衛隊」しかありません。ロケット砲や機関銃を撃ちまくられたら、警察の手には負えません。

  「自衛隊」の将軍や隊員たちが守ってくれると、簡単に考えていましたが、憲法が現在のままである限り、彼らは迅速な行動が取れません。

 自衛官は有事となれば命令に従い、戦闘行為に従事します。国内法や、戦時国際法で定められた要件を満たしていれば、敵兵士を殺傷しても殺人罪や傷害罪に問われることはありません。

  しかし要件を満たしていなければ、敵兵を殺傷した彼らは罪に問われます。具体的に言うと、上官の命令があった場合や、止むおえない緊急事態や正当防衛でなければ、敵を攻撃できません。危険を感じて先に攻撃するのは、正当防衛にならないからです。

 国連軍の一部として海外に派遣された自衛隊員は、危険が発生すると一部始終をカメラに収めています。むやみに発砲したのではないという証拠がなければ、国内に帰った時裁判にかけられるからです。

 国民の安全を守るため、もし自衛官が敵兵を殺しても、日本の反日活動家が「人殺しだ」と訴えれば、裁判にかけられます。戦闘行為については、他国がしているように「軍法会議」で扱い、一般の殺人事件とは別の扱いが必要ですが、日本では普通の裁判所が殺人事件として審議します。

  本を読むまで、日本に軍法会議のないことに関心を持っていませんでした。しかしそれは、大きな間違いでした。日本の現状を考えますと、戦場で敵を倒した自衛官は、そのまま無罪になりません。反日左翼の弁護士がつき、反日左翼の裁判官となれば、隊員の反撃行為が無罪となる難しさが分かります。

 発足から60年以上がたつ自衛隊ですが、憲法の規定のため政府内や国会で、軍法会議と軍法の整備が議論されることはありませんでした。参考のため、条文を紹介します。

 〈 第七十二条 〉

  すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。

  特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。

  すべて裁判官は、その良心に従ひ、独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。

 当然のことが、正しく書かれているように見えますが、この文言が自衛隊員の敵への反撃行為をしばり、国民の命を守れなくしています。反日左翼学者に分かるけれど、一般国民には分からない悪意の法律文です。

 ここで述べられている「特別裁判所」の中に、「軍法会議」が含まれていますが、説明されないと分かりません。

 憲法第72条が自衛隊員たちを縛っていることを、隊員たちは知っているはずですが、戦後の学界と法曹界は反日左翼の人々が支配しています。保守の学者が意見を述べても、マスコミが取り上げませんから、国民は問題の所在を知らないままです。

 憲法を改正しなければ、自衛隊員たちは国民の安全が守れません。敵を前にしながら、隊員たちは自分の身の安全も守れない状況に置かれています。

 「彼らが命がけで、任務についているのを知りながら、守られている国民が黙ったままで良いのでしょうか。」

 最後に言いたかったのは、この言葉です。

コメント (4)
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