ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

共同通信社の記事紹介 -3 ( 変節した学者たち )

2020-09-13 23:43:17 | 徒然の記

 重要な部分なので、息子たちと「ねこ庭」を訪問された方々も、一緒に確認してください。

 「戦前は軍国主義を叫んでいたのに、戦後も、政界や財界の中心に居座った人々は、」「大物の嘘つきです。」「そういう人間は、どんな風にでも変わって、」「もっともらしい理屈をつける。」「そしてそれについていく人間が、必ずいる。」

 言葉を素直に読めば、氏が批判しているのは、「戦前は軍国主義を叫んでいたのに、戦後突然に変わり、」「民主主義を叫び出した。」「こんな人間は、大うそつきで、許せない。」と、こういう話になります。つまり氏は、政界や財界の中心にいて、信念を捨てた「変節漢」を批判しています。

 政界や財界の変節漢も許せませんが、当時の日本で最も許せないのは、一流の学者たちの変節でした。戦後75年間日本を金縛りにし、国論を二分させる元となった「現行憲法」を、積極的に受け入れ、理論的裏づけをし、GHQを助けたのが彼らでした。

 彼らのほとんどは、皇軍を称え、天皇陛下を讃え、国民を鼓舞する帝国日本の理論的支柱でしたが、GHQに支配されると、信念を捨て、率先して連合国司令部に協力しました。今のように「駅弁大学」と呼ばれるほど、大学のない頃ですから、教授といえば学問の権威で、国民が彼らを信じて疑わなかった時代です。彼らが口を揃えて同じ意見を述べ、マスコミが連日それを全国に発信すれば、国民の考えは次第に変化します。

 人道的、平和的な言葉で、「人間平等」や「人権尊重」が穏やかに語られると、厳しい戦争に耐えてきた国民は、一も二もなく傾きます。まして敗戦後の荒廃した国で、懸命に働いている時ですから、考えている暇もありません。従って私は、当時の日本人で、最も罪深い人間は「変節した学者」たちだったと、信じて疑いません。

 「日本だけが、間違った戦争をした。」「日本だけが、悪い戦争をした。」と言う、東京裁判史観を植えつけたのが、「現行憲法」です。彼らが信念を捨て、魂をGHQへ売り渡したため、現在の私ばかりか、息子たちも孫たちも、子々孫々まで「世界一悪い日本人」のレッテルが貼られたままです。

 当時の帝国大学総長・南原繁氏が、学内に、「 憲法研究委員会」を設けたのは、終戦の翌年(昭和二十一年)でした。氏が研究会を設置した大義名分は、以下の二つでした。

 1. 敗戦日本の再建のためには、大日本帝國憲法を改正しなければならない。

 2. 多数のすぐれた学者を持つ、東京帝国大学は、これに貢献する責務がある。

 三年前に、「変節した学者たち」と言うタイトルで、ブログを書いていますから、すぐにでも罪深い「変節漢」たちの名前を挙げることができます。

 《  憲法研究委員会   》 

 委 員 長    宮沢俊義(法学部)

 特別委員 高木八尺 ( 法学部 )  杉村章三郎     岡 義武  末弘厳太郎

      和辻哲郎  ( 文学部 )  舞出長五郎 ( 経済学部 )

 委  員 我妻 栄  ( 法学部 )  横田喜三郎     神川彦松      尾高朝雄

      田中二郎         刑部 荘      戸田貞三  ( 文学部 ) 

      板沢武雄          大内兵衛  ( 経済学部 )   矢内原忠男

      大河内一男    丸山真男  ( 法学部 )        金子武蔵  ( 文学部)  

   この時、京都の学者を取りまとめていたのが、末川博氏でした。敗戦後に立命館大学学長に就任した氏は、幅広い著作と実践活動を通して、戦後日本の民主主義と、平和運動の発展に貢献し、大きな影響を与えた人物として知られています。しかし氏もまた、罪深い変節漢の仲間であることを、忘れずつけ加えておかねばなりません。

 さて、ここで新聞の記事に戻りますと、不思議なことに辻氏は、この変節漢たちについては一切語りません。ならば氏が批判している「大うそつき」とは、誰なのか。共同通信社も賛成する、「大うそつき」とは誰を指しているのか。

 氏が批判しているのは、「変節漢」でなく、現在の日本で「軍国主義を叫ぶ人間」と言うことになるのでしょうか。つまり私のように、「憲法改正」を主張し、国を守る軍の再建を語る人間を指しているのか。そうでなければ、反日・左翼の共同通信社が、大事な紙面を大きく使い、全国発信する理由がありません。

 と言うことで、私はこの記事を、「情報操作記事」として、紹介しました。しかしどう考えても、おかしな記事です。素直に読めば、誰でも私のように考えると思いますが、どうなのでしょう。

 「子供の頃の神童も、二十歳 ( はたち ) 過ぎればただの人。」・・そんな言葉がありますが、辻氏にも当てはまるのでしょうか。こんな奇妙な、理屈に合わない記事を掲載されても、何も感じないと言うのですから、「ただの人」と言うより、「ばかな人」と、そんな気がしてなりません。

 夜も更けてきました。次回は、次の記事を紹介いたします。

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共同通信社の記事紹介 -2 ( 辻真先氏 )

2020-09-13 12:40:42 | 徒然の記

 今回は、9月6日の共同通信社の記事を、下記の通り2件紹介します。

   6. ハーベストタイム        7. 朝日新聞・慰安婦報道を再考

 《  6. ハーベストタイム   》

 ハーベストタイム は、日本語に直しますと「収穫期」ですが、どうやら聖書から引用されているようです。分かる人には分かるのでしょうが、記事のタイトルと中身が、どのように関連しているのか私には分かりません。いつものように、見出しの活字を並べてみます。

 「ハーベストタイム 」「かぎとった『うそ』の臭い」「作家 辻真先さん」「新作は青春映す ミステリー」「埋れたテレビ史、作品に」

 昭和7年生まれの辻氏は、今年88才です。笑顔で語る氏の写真には、説明文がついています。

 「子供向けの本から、六法全書まで、本ならなんだって読む子供でした、」「と話す、辻真先さん。」

 ここからが、氏の略歴です。

 「辻さんは昭和7年、名古屋市でおでんや屋を営む一家に、生を受けた。」「満州事変の翌年です。」

 おでん屋の子供が、六法全書を読んでいたというのですから、驚きました。法学部の学生だったので、私は大学で初めて六法全書を手にしましたが、熟読しないまま卒業しました。比較するのも恥ずかしい、私と氏の過去です。縁者の中に法律家がいて、不要になった六法全書を、賢い子どもだった氏に、プレゼントしたのかもしれません。そういう天才少年だった氏の話が、記事のメインです。

 「『鉄腕アトム』から『名探偵コナン』まで、アニメ脚本を長年手がけ、」「昨年は、推理作家としての業績が認められ、」「日本ミステリー文学大賞を、受賞。」「そんな辻さんが、新作『たかが殺人じゃないか』を刊行した。」「戦中戦後の体験を投影し、軽妙な読み口の中に、」「歴史の重みがにじむ、青春ミステリーだ。」

 この記事のどこが「情報操作なのか」と、不審に思う人はもう少し我慢してください。長い記事なので、割愛しながら紹介します。辻氏の回想を、共同通信社が記事にしています。

 「戦前は男女の学校が別々で、遠くの少女たちをチラッと見ただけで、」「あかぎれするほど、頬を打たれました。」「それが昭和23年に一転、男女共学の大命令が下ってね。」

 「満州事変の翌年生まれなので、生まれてからずっと戦争で、」「軍国少年であるのは、当然でした。」「その一方で、社会を覆う「うそ」の臭いも、かぎ取っていました。」

 「僕は大人向けの総合雑誌も読む子供で、有名な評論家が、」「日本は国家主義でない、なんて書いたんですね。」「でもそこに付いた挿絵を見ると、日本という太陽が臣民を照らしている。」「内容と絵が、全然違う。」「大人を信用しちゃいけねえなあと、思いましたね。」

 太陽が臣民を照らしていたら、なぜ国家主義になるのか、私には分かりませんが、六法全書を読む子供だけあり、思考のレベルが違います。

 「ただ、『おおうそ』は見抜けなかった。」「日本軍がシンガポールを陥落させた時、勝利を祝う提灯行列に、」「僕も加わりました。」「でもそれが、無理に無理を重ねた、将来の負けが目に見えた『勝利』だとは、」「わからなかった。」

 シンガポールが陥落した時、氏は10才、小学校四年生です。それで六法全書を読み、太陽が臣民を照らす挿絵で、評論家のうそを嗅ぎとったのですから、たいした子供です。小学校の四年生の私は、『漫画王』や『少年倶楽部』という子供雑誌を、貸本屋で借りて読むくらいで、後は暗くなるまで外で遊び呆けていました。評論家の嘘をかぎ取るなど、そんなことは真似したくともできませんでした。

 「軍国主義を叫び、戦後も、政界や財界の中心に居座った人々は、」「大物の嘘つきです。」「そういう人間は、どんな風にでも変わって、」「もっともらしい理屈をつける。」「そしてそれについていく人間が、必ずいる。」「僕自身だって、分かったものじゃない。」「それが悔しいから、作品で一矢報いた。」

 氏の言葉を受ける形で、記事の締めくくりを共同通信社がしています。

 「少年期を通して、社会の『おおうそ』の怖さを知った辻さん。」「小説やアニメといった、『作り話』を楽しみ続けることは、」「そんな世の中への、最大の抵抗なのかもしれない。」

 途中を省略していますが、記事の核心部分は転記しました。

 「戦前は軍国主義を叫んでいたのに、戦後も、政界や財界の中心に居座った人々は、」「大物の嘘つきです。」「そういう人間は、どんな風にでも変わって、」「もっともらしい理屈をつける。」「そしてそれについていく人間が、必ずいる。」

 赤字の部分を少し修正していますが、氏の語っている意味は、こうであろうと思います。これこそが、日本の戦後を決定した問題の核心です。私と氏の意見は、ぴったりと重なっています。それなのに、なぜこの記事が「情報操作記事」となるのか。残念ながら、スペースがなくなりました。

 ここで一区切りしますが、次回をすぐに続けます。

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