今回から、記事の後半に入ります。共同通信社が、どのよう朝日新聞の弁護を工夫しているのかが、よく分かる叙述です。そのために利用しているのが、次の二つです。
1. 学術団体『歴史学研究会』
2. 原告団の記者会見に出席していた、ある外国人記者
息子たちに言います。同社の記事を転記しますから、彼らが読者をたぶらかそうとする手法に、注目してください。まさに、生きた勉強です。
「歴史研究者らでつくる学術団体、『歴史学研究会』は、」「平成26 ( 2014 ) 年10月、証言の真偽にかかわらず、日本軍の関与のもとに、」「強制連行された『慰安婦』が存在したことは、明らか、と指摘。」「だが、バッシングは収まらなかった。」
何も知らない読者は、このいかめしい名前の、学術団体『歴史学研究会』が、権威のある団体であると、信用します。証言が嘘でもほんとでも、そんなことにかかわらず、軍が関与した慰安婦がいたのは事実だと、団体が言っています。裁判とは証言をもとに審理が行われるものですから、こんなことを言い出したら、証言の意味がなくなりますし、そもそもこれは、裁判自体を否定する乱暴な意見です。
だが記事を読むだけの読者は、「そうかあ、学術団体が言うのなら、そういうこともあるのか」・・と、そんな気になります。仕事に忙しい息子たちも、そんな読者の一人でしょう。年金暮らしで時間のたっぷりある私が、息子に代わりに、ネットで調べました。
「『歴史学研究会』は、日本の歴史研究をする民間団体である。」・・有難いことに、即座に分かります。
「『歴史学研究会』とは、戦後、左派・親ソ・親中・反米・反天皇的な研究者が集まり、マルクス主義史観のイデオロギーに偏ったことが指摘されている。」「スターリン批判以後、ハンガリー事件、大躍進政策、文化大革命、」「天安門事件、チベット・ウイグル問題など、」「社会主義国家おける、国家犯罪が暴露されてきたことで、」「彼らが、無垢の天使でもあるように主張してきた社会主義が、」「そうでなかった事実について、ソ連崩壊後も、反省がないことが指摘されている。」
ネットの情報は、私のような、左翼嫌いの人間が書いたのかもしれませんが、「両論併記」ですから、こういう意見もあると、参考にするのは大事なことです。共同通信社が、『歴史学研究会』を権威のある学術団体として扱い、ネットは切り捨てています。どちらが正しいかは、息子たちの判断に任せようと思いますが、もう少しネットが紹介する、この団体が発表した「声明文」の記録を見てみましょう。
1. 2003年・・文部科学省に対し、「民族学校出身者に、大学受験資格を認めよ」
2. 2007年・・文部科学省に対し、「沖縄戦の事実を歪める、教科書検定を撤回せよ」
3. 2011年・・文部科学省に対し、「育鵬社版、自由社版の教科書は、子どもたちに渡すな」
4. 2014年・・裁判所に対し、「吉田証言の内容の真偽にかかわらず、日本軍が「慰安婦」の強制連行に深く関与し、実行したことは、揺るぎない事実だ」
5. 2015年・・安倍政権に対し、「過去の加害の事実と真摯に向き合い、被害者に対する誠実な対応をとることを求める」
6. 2019年・・即位の礼・大嘗祭に反対し、「これは、天皇の政治利用だ」
5番目の「声明」については、注釈がついています。
[ 朝鮮中央日報によると、韓国政府はこの声明を受けて、『日本の歴史団体が、このような立場を明らかにした以上、安倍内閣の前向きな対応を期待する、』、と発言したということである。]
つまり『歴史学研究会』とは、もともと反日・左翼の団体で、マスコミと同じ立場に立ち、日本批判をしている組織だと言うことです。ネットの情報にある4番目の「活動声明」が、そのままこの記事に使われていることも、これで分かりました。簡単に言いますと、人を騙そうとする詐欺師が、詐欺師団体の「声明」を利用して、自分の立場を弁明しているようなものです。
息子たちに分かりやすいように、例え話をしているだけで、共同通信社や『歴史学研究会』が詐欺師の仲間だと、そんなことを言っているのではありません。反日・左翼の仲間同士が、互いに助け合っている・・と、こういう言い方の方が適切でないかと、思えてきました。早速、三行前の失礼な言い方を、訂正します。
次回は、「2. 原告団の記者会見に出席していた、ある外国人記者」です。