「定住者」を通してみた、「日本」と「愛国心」について述べる前に、もう一人の例を紹介します。200ページに書かれている女性の話です。
「オーストラリアは、日本と戦った連合国の一つである。」「W子さんが、オーストラリア人の夫と結婚した時は、戦争が終わって10 年もならない時だったから、」「日本軍による、オーストラリア人捕虜の虐待の記憶が、強く残っていた。」「その頃のことを彼女は、今でもはっきり覚えている。」
「外を歩くと、必ず『ジャップ』と言う声が飛んできた。」「家の近く、街角、歩道など、どこでも同じである。」「子どもや、男女の区別なく攻撃され、買い物のため店に入っても、無視された。」「夫と映画館へ行くと、『ジャップはもっと後ろに座れ』と言うヤジが飛ぶ。」「展覧会へ行くと、『お前のくるところではない』と、追い払われる。」
彼女は、占領軍の一員として日本へ来たオーストラリア人と結婚した、今でいう「戦争花嫁」の一人でした。意思の強い彼女はそれでもくじけず、子供のため、強く生きていくしかないと、自分に言い聞かせました。
「彼女が一番嫌だったのは、自分の子供にまで『ジャップ』と、言われることだった。」「買い物に出かけ、バス停でバスを待つ間、」「どこからともなく、『ジャップ』という声が飛んでくる。」「こんな時彼女は、子供の手を引き、人影のない道へ向かって歩き始めた。」「子供にだけは、この言葉を聞かせたくなかったのである。」「そんなことが、数え切れないほどあった。」
わざわざこの話を紹介するのは、「在日コリアン」に対する私たち日本人の態度に、似たところがあるからです。彼らが「慰安婦」や「徴用工」問題で、日本に難癖をつけ出したのは、最近の話ですが、日本人の朝鮮人蔑視は、それ以前から続いていました。
歴史をずっと遡れば、最初に日本人を禽獣扱いし、侮蔑したのは大院君でしたが、それはもう昔の話で、日本人も朝鮮人もそんな経緯は、ほとんど誰も知りません。ですからそこは省略し、戦後の日本に在住する、「在日コリアン」に絞って話をします。小学校、中学校、高校時代と、自分の過去を振り返りますと、「在日コリアン」に対する陰湿な差別があった事実を、思い出すことがあります。
W子さんの話を読んだ時、私は日本人の偏見の醜さを思い出しました。いわれのない朝鮮人への偏見や、理不尽な感情論は無くすべきと、本気で思います。しかし、韓国政府や北朝鮮政府が、国を挙げて捏造の教育をし、日本への憎しみを増幅させている現在、私はすることがなくなりました。だがその答えの一つを、氏の著作の中に発見しましたので、長くなりますが、必要部分を拾い出し、紹介いたします。
「W子さんは、自分の子供が、日本人だからという理由で馬鹿にされないようにと、」「子供には、極力英語で話しかけるように努めたきた。」「最近はもう、街を歩いても『ジャップ』という、」「罵りの声が聞かれなくなった。」
「この15年ほどの間に、人々の意識が大きく変わったことを、肌で感じるという。」「彼女がオーストラリアへ来て、10年あまり経った、1960年代の後半に、」「白豪主義が実質的に廃止された。」「1970年代に入り、マルチ・カルチュラリズム ( 多文化主義 ) が国策となるにつれて、」「人々が変化し、社会の寛容度が高まった。」
彼女の一言が紹介されます。
「日本にいる頃、人々が朝鮮人を軽蔑したり、差別したりしているのを見ていました。」「オーストラリアに来て、自分が差別される側に身を置いたことによって、」「ようやく差別の仕組みが、理解できるようになりました。」
「人に対する差別意識は、教育によって作られる・・の一言に尽きますね。」
教育が全てであるとは考えませんが、中国や韓国・北朝鮮がやっている反日教育に限れば、その通りです。日本では反中、反韓、反朝鮮教育をしていませんが、逆に「朝鮮人差別をしてはならない」という教育をする必要があります。ただし、反日・左翼の日教組に任せてはなりません。彼らがやっているのは、単なる事実の裏返しで、「日本蔑視」を教え、問題を間違った方向へ進めるだけです。
東京裁判史観に結びつけなくとも、日本と朝鮮 ( 韓国・北朝鮮 ) との、差別意識の解消方法はあるはずです。国交のない北朝鮮は後にするとして、韓国とはすぐにでもやれます。まずは韓国が「反日教育」をやめ、日本では、「朝鮮人差別の醜さ」を、教えることです。日韓議員連盟は、宴会や親睦会をやるのでなく、こういうことを本気でやれば良いのです。議員の中には、日韓の対立を政争に利用し、利益を得ている者がいますから、彼らを追放することから始めなくてならず、結構時間がかかります。
傘下にある民団も、日本人への反感を煽る自国政府に協力せず、「在日コリアン」の幸福向上のため汗を流すべきです。60万人の在日コリアンのうちの、90%の人々が日本に同化し、普通の暮らしをしているという事実を、もっと大事にしなくてどうするのでしょう。反日活動をし、騒ぎやトラブルを起こしているのは、10%に過ぎない5~6万人と聞きます。この10%の不心得者が、日韓議員連盟に属する利得議員と結びついている事実を、押さえておく必要があります。
もともと日本人は、他人を誹謗中傷し、人を不幸にして喜ぶ人間でありませんから、政府とマスコミが一つになり、正しい報道や学校教育をすれば、偏見をしなくなるはずです。私を含め多くの日本人は、これまで韓国・北朝鮮の捏造や攻撃を我慢してきましたが、今ではそうせず、「やられたらやり返す」気持ちになっています。そうしなければ、不当な日本攻撃が再現なく続くからです。
単純化して話を進めていますが、「在日コリアン」問題は、あえてそうしなければ解決しません。互いが「喧嘩両成敗」の気持ちで向き合い、厳しく己を律する覚悟でなければ、泥沼が続きます。パレスチナとイスラエルのように、何代も続く憎しみの連鎖となります。また、それを願っている勢力が、国際社会に存在し、これに反日の日本人が協力していることも、忘れてはなりません。
「精神移民」の日本人が、「在日コリアン」問題を解決する、希望の光になっている事実を、次回に述べます。息子たちだけでなく、「ねこ庭」を訪問される方々にも、賛否両論が頂けたらと、期待しております。