ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

拉致問題・ 蓮池准教授の意見 - 3

2024-03-22 18:35:35 | 徒然の記

 〈 3.   ANNnews CH       令和5年11月23日 蓮池氏がゲスト出演 〉

   慶應大学教授・礒崎敦仁氏、 共同通信特別編集委員・杉田弘毅氏も出演

  ・蓮池氏の発言 

    ・金正恩 ( きむ・じょんうん  ) が会談に応じる限り、何らかの成果を上げなくてはならない。

    ・その成果が見えない限り、会談に応じてこないと考えられます。

    ・会談に応じれば成果があると、事前に彼らに伝える必要があります。そういう呼び水がないと、彼らは応じてこないのではないかと思います。

 蓮池氏の言葉は、単なる准教授の思いつき発言ではありません。「成果を事前に伝える」というやり方をしたのは、20年前の平成16年小泉首相の時です。「ねこ庭」が確認した事実によりますと、この時北朝鮮のミスター X氏と「成果」の打ち合わせを事前にしたのが、外務省の田中均氏でした。

 北朝鮮の言う「成果」とは、金銭のことです。北は5人を帰して幾らの金額を得たのか、結局あの時の日本の役割も「現金自動支払い機」でした。言い出すと長くなりますので、ここで話を横道へ逸らさず蓮池氏の発言に戻ります。

    ・11月13日の「国民大集会」で、岸田首相が「日朝平壌 ( ぴょんやん  ) 宣言」に基づき、と言われています。

    ・宣言には、拉致問題と核・ミサイル問題を解決したら、国交を正常化して戦後補償 ( 経済支援 ) をすると書いてあります。

    ・つまり核・ミサイル問題と拉致問題という、時間の違いのある問題が同列に並べてあります。

    ・拉致問題は一刻の猶予もならない喫緊の問題ですが、核問題については、アメリカも長期的な目で見ていると思います。

    ・これをセットで解決したら、国交正常化するという道筋のわけですね。

    ・そうなると、拉致問題は果たしてどうなるのか。今はもっと具体的に、はっきりさせるべき時と思います。

 拉致被害者の両親が生きておられる間に帰国を実現しないと、問題の解決にならないと言うのが、蓮池氏の持論です。核・ミサイル問題と切り離し、国交正常化と戦後補償を「成果」だと伝えれば、北朝鮮は会談に応じるというのが氏の提案です。

 分かった上で言っていると思いますが、背後にあるのは困難な問題です。

  ・アメリカは北が「核・ミサイル問題」の解決に応じない限り、経済封鎖と制裁を課す方針である。

  ・日本が拉致問題で国交を正常化し、戦後補償をするとなれば多額の経済支援が行われることになる。

  ・アメリカ政府の方針が、日本によって崩されることになる。

 蓮池氏は言及しませんが、アメリカ政府が日本の独自外交を認めるかどうかです。20年前に小泉氏が訪朝した時は、外務省の田中均氏が国務副長官だったアーミテージ氏と極秘で何度も調整し、米側の了解を得ています。ジャパンハンドラーの一人であるアーミテージ氏は、共和党米政府内の実力者でしたからそれできましたが、現在は誰がその役割をするのか、「ねこ庭」では確認できていません。

 高齢化する拉致被害者と家族の方々の心情を思うと、アメリカが反対しても日本は独自の外交をすべきという蓮池氏の意見が正論に聞こえます。日米同盟にヒビが生じるとしても、日本独立のためには何時か超えなければならない壁ですが、果たして岸田首相にその決断ができるのでしょうか。

 ウクライナ、イスラエル、台湾と、国際情勢の剣呑な時期に、日米同盟を不安定なものにして良いのかと考えますと、岸田首相より前に「ねこ庭」の決断が鈍ります。正論と思える蓮池氏の提案が簡単なものでないと知ると、多くの人に拉致問題の困難さが一層分かるのではないでしょうか。

 次に紹介する動画は、FNNプライムオンラインの報道です。FNNは朝日テレビの系列会社でなく、保守と言われるフジテレビ系の会社ですが、最近の蓮池氏はインタビューを受けたらどこにでも出演し、拉致問題の解決を訴えています。

 一刻の猶予もならない喫緊の問題と考えるからそうしているのか、北朝鮮の経済的逼迫が急がせているのか、「ねこ庭」では判断がつきません。次回の話は横田さんのご家族にも伝えているのかどうか分かりませんが、めぐみさんに関する発言は涙なしに聞けません。必要と思われる部分だけを割愛し紹介しますので、息子たちと「ねこ庭」を訪問されている方々は、各自で氏の真意を判断してください。

 スペースの都合で、次回となります。

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拉致問題・ 蓮池准教授の意見 - 2

2024-03-22 12:40:36 | 徒然の記

 〈 3.   ANNnews CH        令和5年11月23日 蓮池氏がゲスト出演 〉

   慶應大学教授・礒崎敦仁氏、 共同通信特別編集委員・杉田弘毅氏が出演

  ・杉田氏の発言 

    独裁国家の残虐さを忘れないこと。

    ・どうすればこれらの方々が帰られるようになるかと、真剣に考えて行かなければと、改めて感じます。

  ・蓮池氏の発言 

    ・私が拉致されて24年間、帰って来てから19年という事件は、あまりにも大きな出来事なので、このことは残された方々にも伝わっていると思う。

    ・いくら情報統制をしていても、そういう情報は伝わるものなので、残されている方々が帰れないものと割り切っていた思いが、崩れてしまうと思います。

    ・帰れるんだ、だけど何で我々は帰れないんだという、新たな重い気持になる。我々の時より、もっと辛い状況で過ごされていると思わざるを得ないですね。

  ・アナウンサーの発言 

    ・水曜日に第二次岸田内閣が発足しました。

    ・岸田総理は2012 ( 平成24 ) 年から2017 ( 平成29 ) 8月まで、外務大臣として拉致問題に取り組んできました。

  ・礒崎氏の発言 

    2014年5月にスウェーデンのストックホルムで、日本と北朝鮮の間で「ストックホルム合意」が交わされたが、北の不誠実な対応で破棄されました。

    ・2016年2月には北が核実験と、ミサイル発射を行い、日本が再び制裁を行いました。

    ・拉致問題は総理の専権事項なので、この間の岸田外相の役割は不明です。

    ・北朝鮮は米国とでも、他の国々とでも約束はするが、継続的に守らない。北を相手にするということは、継続的につき合うという覚悟が要ります。

  ・蓮池氏の発言 

    ・前提時要件をつけないで会談するという発言は、今の北朝鮮側から見ると、彼らには「上から目線の発言」と受け止められかねないですね。

 ここで蓮池氏が、「上から目線の発言」という重要な指摘をしています。「前提条件をつけない」という言葉がなぜ「上から目線の発言」と受け止められるのか、私には理解できません。24年間拉致され、北の幹部と接触して来た氏にしか分からない心情があるのかもしれません。コメントを入れないつもりでしたが、こういう重要な発言がなぜできるのか。「氏は本当に金日成バッジを外したのだろうか ?」と、いつもの疑問が生じます。

 氏が伝えようとしているのは北朝鮮のメッセージではないかと、話が具体的になるにつれ疑問が大きくなります。大事なところでスペースがなくなりましたが、すぐ次回を続けますので、そのまま「ねこ庭」でお待ちください。

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拉致問題・ 蓮池准教授の意見

2024-03-22 07:23:52 | 徒然の記

 探せば見つかるもので、蓮池准教授の講演とインタビューの動画4件を見つけました。スペース節約のため、コメントを入れず順番に紹介したいと思います。

  1.   新潟ニュースNST           令和4年10月14日 柏崎市での講演会

  2.   TeNY新潟一番ニュース  令和5年3月15日 新潟市明訓中学・高校での講演会

  3.   ANNnews CH                  令和5年11月23日 蓮池氏がゲスト出演

  4. FNNプライムオンライン    令和6年2月 めぐみさんに関するインタビュー談話

 〈 1.   新潟ニュースNST           令和4年10月14日 柏崎市での講演会 〉

  ・拉致被害者全員に、絶対に帰って来てもらって、その恨みを少しでも晴らしてもらいたい。あそこには自由がないのです。まったく。

  ・拉致被害者の家族のどなたかが他界される。するとその時に同じようなお話があって、「忸怩たる思いだ」、「痛恨の極みだ」というお話があって、時間が過ぎて、どなたかが亡くなると、また同じようなお話になる。

  ・そんなことが繰り返されているだけだったと、感じてしまうのです。

  ・アメリカとの非核化交渉を避け、経済的な困窮が続いている北朝鮮が、支援を求めて、日本独自の交渉の呼びかけに応じる可能性が今はあると、私は考えています。

  ・考えようによっては、拉致問題が動く可能性があるんじゃないかと思うのです。

  ・こんな例を挙げていいのかどうか分かりませんけれど、小泉元総理が平壌 ( ピョンヤン  ) へ行く時には、色々なリスクを背負って行ったと思っています。

  ・現状をそのまま維持していたら、動かないんですよ。だって、それで20年間何も動かなかったわけですから・・

  ・変えなきゃいけない。変えると言うことはそれなりのリスクを負うこと。その覚悟を持って、政府にはやってもらいたい。

  ・今の状況では、そう言う思いが一番強いですね。

 〈 2.  TeNY新潟一番ニュース 令和5年3月15日 新潟市明訓中学・高校での講演会 〉

  ・怒り、恐怖の全てを込めて、なんでこんなことをするんですか、助けてくれ。日本に帰してくれと、帰してくれ、帰してくれとずっと言って、2、3ヶ月言い続けていたら、

  ・いい加減にしろ、甘く見るなよ・・と言う感じですね。お前がこれ以上言ったら、( 命の )無事を保証できないぞ・・て感じですね。

  ・拉致されたのではないと日本政府に伝えるよう、私たちは北朝鮮の幹部から叩き込まれて来ました。

  ・必要に応じて、日本政府の人間に会うかもしれない。会った時は、日本に帰りたくないと言え、家族には、ピョンヤンで会いたいと言え。

  ・拉致されたんじゃありません。救われて来ましたと言えと、長いシナリオができていました。2ヶ月間くらい、この長いシナリオを頭に叩きこむことをさせられました。

 〈 3.   ANNnews CH                  令和5年11月23日 蓮池氏がゲスト出演 〉

   慶應大学教授・礒崎敦仁氏、共同通信特別編集委員・杉田弘毅氏が出演

  ・アナウンサーの説明

    ・2020年から毎年、解決の糸口がある限り、蓮池さんから話を頂いて来ました。今回が4回目です。

    ・全拉致被害者の即時一括帰国を求める「国民大集会」が開かれました

    ・岸田総理大臣と松野官房長官が出席し、岸田内閣の最重要課題だと話しました

    ・横田早紀江さんが、めぐみさんを13年間しか育てられなかったことが本当に悔しいと、その胸の内を語られました

  ・蓮池氏の発言 

    ・私が帰って来て19年間ということは、残された方が19年間も待ってこられたということになります。

    ・その間の家族の思いというものは、年々重苦しく辛いものになっている。

    ・現状のまま進展が見られないというのは、もどかしいなと思っています。

 これから杉田氏や礒崎氏の発言があるのですが、スペースがなくなりましたので、次回に紹介いたします。

コメント (2)
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