ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

拉致問題・ 専門家諸氏の意見

2024-03-26 22:22:45 | 徒然の記

 「 1. 松原仁氏の意見 」

  ・与正 ( ヨジョン ) さんや正恩氏の発言、またこの前のパク次官の発言を含めて、明らかに北の対日交渉窓口は、従来の強硬的な部署 ( 統一宣戦部?  ) と違うチームなったということが、3回のシグナルを出してきたことから推測できる。 

  ・私は拉致問題の解決は、親子が抱き合う姿を見て解決だと12年前から言っていたわけですが、やはり北は儒教国家としてこのことは理解できる。

  ・ただこれからの交渉で一番重要なのは、2002年の小泉訪朝時のあのことは繰り返したくないと、北朝鮮の色々な人間、エージェントと私は大臣時に会っていますが、彼らはこのことを強く主張していた。

  ・つまり5人の拉致被害者を帰したのに、「北朝鮮はけしからん、この野郎。」となったわけですよ。あれを繰り返したくないというのが、北の最大の関心事ですから・・・これは言葉を変えていうと、「出口論」ですよね。

 無礼な予正氏のことを「ヨジョンさん」と呼ぶところから、氏に疑問が生じましたが、小泉訪朝時の話は驚くしかありません。政府認定の拉致被害者17名の他に、特定失踪者が873人いて、合わせると890人です。この中のたった5人を帰すのも、すったもんだの末にやっと実現しました。

 当時の経緯を知る国民からすれば、「北朝鮮はけしからん、この野郎。」となるのは当然の話です。今度交渉して5、6人の話になれば、繰り返したくないと北が駄々を捏ねても、「北朝鮮はけしからん、この野郎。」となります。元拉致担当大臣としてもう少しまともな意見を述べると思っていましたが、反日左翼政党の大臣らしい北朝鮮寄りの姿勢でした。

 ・私は国内では強硬派としてやってきましたが、今回は北朝鮮が了解し、納得できる「出口論」をどう作るかです。私が拉致担当大臣の時野田総理に提言し、安倍さんにも話をしてきたが・・・

 ・全ての日本人側のステークホルダー、つまり「家族会」「救う会」「調査会」「有識者」、そして「日朝議連」。これが集まって一定の解決案というものを合意し、もし7割8割合格の答えが出てきたならば、北への人道支援も、万景峰号を含む解禁をしましょうと、私は大臣時代に言っているんですよ。

 ステークホルダーというのはビジネス用語で、株主、経営者、従業員、顧客、取引先、金融機関など、企業のあらゆる利害関係先を指す言葉です。どういう意味で氏が言っているのか分かりませんが、企業経営と国政を混同しているのは間違いありません。その証拠に氏の挙げているステークホルダーの中には、肝心の「国民」が見えません。

 氏の意見のどこに強硬派らしい正論があるのか ????、 幾つもの疑問符が並びます。

 ・これらはまあ、松原仁が大臣時代に言ってきた「松原仁の3つの原則」なんですが、その3つ目の原則、実は私が言ったというより北朝鮮側の強い要請もあって入れたものです。

 ・つまり「2002年の、あのトラウマは繰り返してはいけない。」ということ。

 ・どうやったらこれを担保できるか。一定の解決をしながら「反北感情」が盛り上がらないように抑止するためには、ステークホルダーの参加が大事になります。

 ステークホルダーを参加させても、890人の拉致被害者が半分も帰らなければ「反北感情」は再発します。トラウマを繰り返したくないのなら、北の譲歩をどうすれば引き出せるのか、その方に心を砕くべきでしょう。罪のない日本人を拉致した犯罪国家という意識が、氏にはないのでしょうか。日本が北をトラウマにさせたのでありませんから、北朝鮮擁護のトラウマという言葉からして間違っています。

 紹介するのが嫌になりますが、立憲民主党の大臣がどんな政治をするのか、今後のためになると考えて頑張ります。

 ・結論的に言えば、昨日おととい林担当大臣に予算委員会で言ったのですが、今回の交渉には、「家族会」から信頼のある西岡さん、「調査会」から信頼のある荒木さんを参加させること。

 ・金正恩さんとの話合いの場に同席できないのは当然ですが、二人を一緒に連れて行って、そこで知恵をもらいながら交渉をやることによって、日本側のステークホルダーが一定の納得できる結論を出す。

 ・これで結論が出なければ、逆に北へ強い姿勢も出すぞと、こういうことになるのですね。

 ・基本的には核とミサイル、国連安保理で行っている制裁を維持することは当然でありまして、その上で日本が拉致問題のため行っている独自の制裁、万景峰号を含む他の制裁ですね。

 ・拉致問題という外交での最重要問題を決着させるため、日本がそこに手を入れても米韓は了解していると思います。

 ・北朝鮮がこうやって様々なシグナルを送ってくるというのは、日米韓の連携に楔を打ち込みたいという若干の期待はあるかもしれないが、本質的には拉致問題を解決しておくことが、北朝鮮の未来にとって極めて魅力的であるということを考えていると思います。

 ・日本にとって拉致問題の解決が最優先課題であることを、北は十分わかっているんですよ。

 ・だから私は、金与正発言にしても、全て分かった上で精一杯のシグナルを出しているのだろうと考えています。2002年のようなことが繰り返されない限り、私は首脳会談の可能性はあると考えています。

      以上で、立憲民主党衆議院議員・松原仁氏の意見の紹介を終わります。氏は野田内閣の時、国家公安委員会委員長、拉致問題担当大臣をしていました。次回は、慶應大学法学部教授 ( 専門・北朝鮮政治 ) 磯崎敦仁氏の意見を紹介します。

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拉致問題・ 金総書記のシグナル - 2

2024-03-26 12:57:00 | 徒然の記

   4.  令和6年3月1日 TBS NEWS DIG  「# 報道1930」・・動画

           * " 動く日本" 米韓にもメリット?日朝の接触「拉致問題」  北朝鮮の本音は

  「女性司会者の説明」

    ・そして先月15日には、金正恩総書記の妹・与正 ( ヨジョン  ) 氏が、「拉致問題を障害物にしなければ、両国が近づけないはずがなく、岸田総理がピョンヤンを訪問する日が来ることもあり得る。」との談話を発表。

  「条件なしで会談に応じる」と言う言葉が、北朝鮮には上から目線と受け取られかねないと蓮池氏は言いましたが、与正氏の言葉は上から目線どころでなく、傲慢な発言です。女性司会者が問題視するふうでなく説明を続けていますが、私は不愉快になりました。 

 松原議員と磯崎教授が、明快な意見を述べると期待しブログを書いていましたが、これ以後は最後まで動画を観て紹介をするという何時もの方法に切り替えました。

 最後まで見た感想は、ゲスト出演者への失望でした。彼らは金正恩総書記が、岸田首相宛の見舞いの電報に、総理大臣閣下と敬称をつけていたことを重要視し、歩み寄りのシグナルを好機と捉え、拉致問題の解決へ進むべしという意見です。日本国民の拉致という彼らの犯罪行為を、誰も批判しませんでした。

 表現は異なっていますが、彼らの意見は一方的な日本の譲歩でまとまっています。国交を回復し戦後補償をすると言えば、北は拉致問題に歩み寄りを見せるという、蓮池教授の意見と同じ路線です。松原氏や磯崎氏が、金総書記と与正氏の横柄な発言を多少批判するかと期待しましたが、何もありませんでした。

  ・アメリカとの非核化交渉を避け、経済的な困窮が続いている北朝鮮が支援を求めて、日本独自の交渉の呼びかけに応じる可能性が今はあると、私は考えています。考えようによっては、拉致問題が動く可能性があるんじゃないかと思うのです。

 令和4年の10月、柏崎市の講演会で蓮池氏が北朝鮮の内情を語っていましたが、今回氏は北の経済状況の悪化に触れていません。「拉致被害者と家族の高齢化」、つまり「人道問題の解決」が全てに優先するという氏の持論が、出演者の共通認識となっている印象を強くしました。

 救出を待っている拉致被害者と、待ち侘びている家族のことさえなければ、傲慢無礼な北朝鮮が経済的に疲弊し、国が消滅に瀕しても、自業自得ですから痛くも痒くもありません。しかし北朝鮮が拉致被害者という人質を抱えている限り、日本は彼らの言動に翻弄されます。

 「ねこ庭」から見える風景は、次のようなものです。

  ・金日成バッジをつけた蓮池教授の意見の通りに、岸田首相とマスコミと学者が動かされようとしている。北の意見を代弁しているに過ぎない氏の姿勢に、誰も疑問を抱いていない。 

 息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々が、同じ印象を抱かれるかは不明ですが、自分の考えを明らかにした上で、動画の続きを紹介します。私たち国民と同様に、北の言動に翻弄されている拉致被害者家族会についての解説になります。

  「女性司会者の説明」

  ・こうした動きの中、今週の月曜日には被害者家族会が苦渋の決断を発表しました。

  ・家族会代表の横田卓也氏の発言です。

   「親の世代が存命のうちに、全拉致被害者の一括帰国が実現するなら、我が国がする人道支援と、我が国がかけている独自制裁を解除することに反対しないとする、新しい方針を打ち出す。」

 北朝鮮への経済支援反対、スパイ船万景峰号の入港禁止と、強い制裁を政府に求めていたのが家族会でしたが、拉致被害者と親世代の高齢化のため方針転換を余儀なくされています。

 いったん動画の順番を離れ、出演した専門家たちがどのような意見をのべているかを、まとめて紹介することにしました。

      立憲民主党衆議院議員・松原仁氏  ・・元国家公安委員会委員長 元拉致問題担当大臣  ( 野田内閣  )

         慶應大学法学部教授 ( 専門・北朝鮮政治 )・・ 磯崎敦仁氏

         新潟産業大学特任教授・蓮池薫氏  

      韓国西江大学客員教授・ワン・ソンテク氏

  TBS番組制作コメンテーター・堤伸輔氏 ・・新潮社学芸出版部編集委員

 ちょうどスペースが無くなりましたので、次回からといたします。

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