ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

拉致問題・青山繁晴氏の意見 - 9 ( 中山正輝氏 )

2024-04-08 19:58:38 | 徒然の記

 紹介しようとする2件の記事は、いずれも「日朝友好議員連盟」の関連情報を探している過程で見つけたもので、一つは「ねこ庭」の過去記事、今一つはウィキペディアの解説記事です。

 無関係なものと思っていましたが、「拉致問題・青山繁晴氏の意見 」シリーズの流れで読み返すと、興味深い景色が見えてきました。息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々が、果たして同じ景色を見られるのかどうか、紹介してみることにいたします。

 〈 1 . 「ねこ庭」の過去記事より、青山氏の意見 〉

 今から7年前の平成30年、氏がレギュラー出演する「虎ノ門ニュース」の中での意見です。

  ・  第一次安倍内閣が倒されたのは、日本に潜り込んだ北朝鮮の工作員のためです。

  ・もっとはっきり言えば、自民党内にいる親北朝鮮、親中国、親韓国の議員たちが、第一次安倍内閣を倒したのです。これらは、自民党内にいる安倍総理の敵です。

 何となく推測をしていましたが、氏がここまで明言するとは意外でした。故安倍総理の了解を得た上で語っていたのでしょうが、かなり大胆な発言です。

  ・多くの人は、北朝鮮の工作員は、野党にいると思っているのでしょうが、ハッキリ言って、北は野党なんか相手にしていませんよ。攻勢をかけているのは、自民党の議員だけです。

  ・しかも、それは「日朝議員連盟」にいる議員たちです。ここまで言うと、私は明日から党内にも敵を作ることになりますが、もう黙っておれません。

  ・そんなことを言っている青山も、北の工作員なのだろうという人もいますが、北も外務省の役人も、私には近づかないのです。

 ハッキリものが言えたのは、支援者だった安倍氏が存命だったからかもしれませんが、その時の印象を私は次のように書いています。

  ・氏は安全保障関係の専門家だったと言い、テロリストやスパイや、過激な活動家たちの攻撃から、国の施設を守るための専門家だと言います。

  ・しかし、国の秘密に関する重要事を軽々しく暴露してしまうのでは、専門家とは言えません。

  ・氏のような直情径行の人物は、国家の大事を共有する人間になれません。

  ・こう述べた上で、私は氏の意見を感謝と共に拝聴しました。なぜならこれは、常人の為し得ない勇気のいる発言ですから。

 氏に負けず私も遠慮せず言っていますが、総裁選出馬の話を聞いた先ほどと似たような反応をしている自分がいます。氏が参議院議員になったのは平成28年ですから、民間時代同様議員になった以後も正論を述べていたことが分かります。

 氏の正論を裏づける事実をウィキペディアで発見し、それがこれから紹介する解説記事です。昭和7年生まれの中山正輝氏は今年91才、政界は引退していますが経歴は輝いています。

  竹下内閣・・郵政大臣  村山内閣・・総務庁長官  森内閣・・国土庁長官

  小渕内閣・・建設大臣

 家族も政治家で、典型的な自由民主党の世襲議員です。

  ・父は戦前に衆議院議員、戦後に参議院議員を務めた中山福蔵、母は厚生大臣を務めた中山マサ。兄は元外務大臣で前衆議院議員の中山太郎、長男は前衆議院議員の中山泰秀

 中山氏については、自由民主党の議員ということ以外知りませんでしたが、よくもこんなにハッキリ書けると、ウィキべディアの記事を読んで驚きました。

 〈 2 . ウィキペディアより、中山正輝氏の解説記事 〉

  ・平成8 ( 1997 ) 年に、中山ら自由民主党の議員が中心になり、拉致問題の解決を目指す「北朝鮮拉致疑惑日本人救援議員連盟」(「拉致議連」) が設立された。

  ・同「連盟」は現在、「北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟」と名称を変更している。

  ・「拉致議連」の設立メンバーだった中山は、さらに同議連の会長を務めた。

  ・当初は、拉致被害者の横田めぐみの両親と議員会館で会見を行い「拉致問題が解決するまでは、北朝鮮に食糧支援を行わない」と、「タカ派の論客」らしい強硬な姿勢を見せていた。

  ・しかし、平成8 ( 1997 ) 年11月に北朝鮮の平壌 ( ビョンヤン ) を訪れ、帰国した後、急遽各方面に拉致事件そのものを否定する説を発表した。

  ・平成12 (2000 ) 年には「拉致議連」会長のまま、「日朝友好議員連盟」の会長に就任し、「拉致問題は幽霊のように実体のないもの」と拉致事件そのものを否定した。

  ・そして「まず北朝鮮との国交正常化を行った後に、拉致問題の解決を行うべき」と発言するなど、「拉致議連」の会長自らが問題を否定する消極的な言動を行った。

  ・中山の言動は、「議員連盟」のみならず政界内や多くの国民から強い批判を浴びた。その後中山は、「北朝鮮拉致疑惑日本人救済議員連盟」と「日朝友好議員連盟」の両会長を辞した。

 おそらく青山氏はこの事件を踏まえた上で、意見を述べていたと思われますが、事件を知らなかった私は、こんな酷い議員がいたのかと驚きました。

  ・多くの人は、北朝鮮の工作員は、野党にいると思っているのでしょうが、ハッキリ言って、北は野党なんか相手にしていませんよ。攻勢をかけているのは、自民党の議員だけです。

 北の攻勢の中身が何なのか。議員への資金提供か、ハニートラップか、あるいは双方なのか。具体的に述べられていませんが、中山氏の突然の変節ぶりが「効を奏した北の攻勢」を証明しています。つまりこれが、私の見た景色です。

 ウィキペディアが、これでもかと氏の変節ぶりを解説していますが、個人への誹謗中傷というより、自由民主党の議員諸氏への警鐘と思えますので、次回も続けたいと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

拉致問題・青山繁晴氏の意見 -8 ( トロイの木馬と風見鶏 )

2024-04-08 12:35:38 | 徒然の記

  1.  令和6年2月16日【ぼくらの国会・第673回】「金与正氏の誘惑を切る」〉

  ・例え総裁選に勝っても、あっという間に政権は倒れるのかもしれませんが、政権維持でなく、自国の拉致被害者を救出するという根幹が目的なので、これらを、同時並行でやります。

  ・北朝鮮は帰したい人だけ、今のところ1人か2人という僅かの人だけを帰して終わらせようとしていますが、終わらせないんです。それにはこれらを、同時進行でやるしか道はないと思います。

  ・あえて言いますと、岸田総理は任期中に「憲法改正」をやるとおっしゃった。しかしこれが憲法9条を考えていらっしゃらないことは、火を見るよりも明らかなことで、そこが私との違いです。

  ・憲法はまず、9条から変えるべきです。なぜかと言うと、国家は国民を守るためにあるので、国民を守る手段がないという憲法を変えることから手をつけないと、何も始まらないのです。

  ・今まで、事実上69年にも及ぶ自由民主党の政権の中で、憲法改正問題はだんだんタブー化されてきたけれども、これを打破しなければならないと、党員と自由民主党の議員の方々に呼びかけたいと言うのが、私の真意です。

  ・野心なく総裁選に出ると言うのは、そう言う意味なんですよね。

 コメントを入れずに紹介しましたが、以上が氏の意見の全部です。拉致問題と憲法改正を結びつける意見は、「ねこ庭」の主張そのもので正論と言えます。しかし「一寸先が闇の政界」では、正論が正論として評価されません。その一番良い例が、氏が代表を務める「護る会」の動きではないでしょうか。

 令和5年11月現在での会員数は、衆参両院を合わせて95名ですが、総裁選に必要な推薦人20名が集まったと言う話をいまだに聞きません。日本の尊厳を護ると言う保守議員が95人も集まっているのに、推薦人として手を挙げる人間がいないのです。

 「正論」を言うからと賛成していたら、その人物を「トロイの木馬」のマスコミが叩き始めると、自分もとばっちりを受けます。当選と落選は天国と地獄の差ですから、落選する覚悟で正論を語る氏の推薦人に手を挙げるのは、容易なことでありません。政界に多いのは「風見鶏」の議員たちだと私が知る以上に、氏の方が理解しているはずです。

 私にできるのは「ねこ庭」からの支援だけですから、氏が途中で説明を省略した「金氏一族の秘密」について、補足説明をしようと思います。「金日成政権には、正統性がない。」という氏の意見の根拠を確かめる材料の一つとして、私が知っているのは次の本です。

   黄 民基氏訳『金日成』 ( 東亜日報・韓国日報編  平成4年刊  講談社 )

 翻訳者の黄 民基 ( ファン・ミンギ  ) 氏は、昭和23年大阪生まれのノンフィクション作家です。内容は下記の通り、大きく3つに分かれています。

  「初めに」 「金日成をどう見るか」 黄 民基

      第一部 証言 「隠された真実」 北朝鮮人民軍作戦局長 兪 成哲 ( ユ・ソンチョル )

    第二部手記 「暴かれた歴史」 元北朝鮮人民軍師団政治委員 呂 政 ( ヨ・ ジョン  )

 東亜日報と韓国日報に掲載された記事を、翻訳者の黄氏が借り受けて編纂し一冊の本にまとめたものだそうです。第二次世界大戦の終結時、金日成は日本、アメリカと戦うだけでなく、ソ連と中国の介入とも戦いながら、国内での権力基盤を拡大していきます。証言を寄稿した2人の軍人は、金日成と共に最後まで戦ってきた人物ですが、独裁者となった金日成から粛清されそうになります。

 理由は青山氏が言うように、2人が独裁者の正統性の秘密を知る最後の人間だったからです。命を奪われる寸前に中国とソ連へ亡命し、最終的に2人とも韓国へ行き、新聞に金日成政権の隠された事実を暴露したと言う次第です。中身の紹介はしませんが、本を読まれると青山氏の意見の根拠が分かります。

 金日成政権の正統性を批判する本は、図書館に行けば他にもありますから、氏は別の本を読んでいたのかもしれません。「日朝国交正常化促進議員連盟」の所属議員だけでなく、すでに紹介しました通り日本には北朝鮮を称賛する人間が多いので、こうした本は図書館の片隅で眠っています。私が伝えたかったのは、氏が根拠のない捏造話をしているのではないと言う事実です。

 疑問を抱いたのは金王朝の秘密を、横田めぐみさんがどこで、どのようにして知ったのかと言うところでした。氏が説明を省いたので疑問を持ったのですが、もしかするとそこが北との交渉の鍵で、発言できなかったのかもしれません。公表すると、「日朝国交正常化促進議員連盟」の所属議員の誰かが北に伝え、今後の交渉が困難になる心配があります。 交渉を有利に進めるため敢えて省略したのかと、これが「ねこ庭」からできる氏へのささやかな支援です。

 支援になるのかどうか、興味深い動画とネットの記事を1件ずつ発見しましたので、次回はそれを紹介いたします。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする