ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

自由民主党への疑問 - 19 ( 藤岡洋介氏の論文 )

2025-02-04 14:23:53 | 徒然の記

 〈 2.  J-STAGE            ・・「海底資源掘削の歴史」 藤岡洋介 〉

 今回はJ-STAGE ( ジェイ・ステージ ) に掲載されている 藤岡氏の論文の紹介ですが、J-STAGEと藤岡氏については事前に説明する必要があります。

 J-STAGEも藤岡氏も「ねこ庭」で取り上げるのが初めてなので、情報の信頼性に自信がありませんでした。藤岡氏の経歴が探しても見つからないこともあり、戸惑いました。

 しかしJ-STAGEについて調べると、下記の通り取り上げても心配なしと分かりました。

  ・J-STAGE(ジェイ・ステージ)は、文部科学省所管の国立研究開発科学技術振興機構 ( JST )が運営する、電子ジャーナルの無料公開システム。  

 文部科学省の所管だから信頼できると言うと、反論されるのかもしれませんが、慎重であっても「ねこ庭」は政府機関について批判を優先しません。新しい知識を得て驚く方が大事ですから、不正確な情報と分かったらその時点で修正すれば良いと考えています。

 現在「ねこ庭」が紹介している一連の情報は、青山氏の説明が、欧米諸国の実績を省略している部分に関する補足修正作業とも言えます。

 〈「海底資源掘削の歴史」 藤岡洋介 〉

  ・マンガン団塊は、1873~1876年 のイギリスの海洋調査船による航海で発見された。

 驚いたのはこの説明です。1873年と言えば、明治6年になります。一番古いと思っていたアメリカの「モホール計画」より、88年も前です。しかしイギリスの調査が他国にどの様な影響を及ぼしたかについて、特段の説明がありませんので、一つの事実として紹介しただけなのかもしれません。

 参考になる情報がまだ沢山ありますので、続きを紹介します。

  ・1960 ( 昭和35  ) 年代初め、商業ベースでの開発対象と考えられるようになり探査活動が活発となった。又1960年代には、CRC、海底熱水鉱床 も発見 された。

  ・1970 ( 昭和45  ) 年代には、西側先進諸国間では国際 コンソシアム を形成し、マ ンガン団塊の調査 ・開発に当り、採鉱実験, 製錬実験等も実施した。

  ・一方従来の海洋法では、深海底鉱物資源の調査 ・開発に対処 出来 ない等の諸問題が生じ、1973 ( 昭和48  ) 年に第3次国連海洋法会議が開催され、1982 ( 昭和57  ) 年に国連海洋法条約が採択され た 。

 海底の探査もいわば宇宙開発と同じ、地球規模の問題です。各国が自由気ままに行動するのでなく、国際的な合意が必要になります。やはり、何らかの国際的な枠組みがあったということです。

  ・1983 ( 昭和58  ) 年に計159ケ国が署名、日本もこの条約に署名したが 米、英、独は条約の深海底鉱業の規定に不満を表明し署名していない。

       ・ 同年に同条約準備委員会が設置され、条約発効のための準備を続けているが、条約採択後10年を経た現在未だ発効されていない。

 「ねこ庭」息子たちもここまで知る必要はありませんが、藤岡氏のお陰で国際的な動きが分かるのは有り難いことです。

       ・1983年から1984年にかけて日、仏、ソは太平洋に、印はインド洋に鉱区の登録を申請し、1987 ( 昭和62  ) 年に正式に鉱区登録を完了した 。

  ・我が国の深海底鉱物資源の開発事業は、1974 ( 昭和49 ) 年の地質調査船白嶺丸竣工、深海底鉱物資源開発協会 ( DOMA ) の設立等により、官民の力を結集したナショナルプ ロジェクトとして本格的となる。

  ・1980 ( 昭和55  ) 年、探査専用船第2白嶺丸が完成、

  ・1982 ( 昭和57  ) 年、深海底鉱業暫定措置法が制定され、深海底鉱物資源開発(株) ( DORD ) が設立

 地質調査船白嶺丸の名前を初めて聞きますし、 DSDP、IPOD、DOMA、DORD、SOPACと聞きなれない略称が出てきて頭が混乱しますが、気にせずに進みます。

  ・以来DORD ( 深海底鉱物資源開発(株) ) は、海洋法準備委員会から鉱区登録された我が国唯一の会社として、かつ深海底鉱物資源開発の本格的探査活動を継続

 具体的には金属鉱業事業団と鉱業技術院が以下の調査を実施しています。

 〈 金属鉱業事業団 〉

  ・1975 ( 昭和50  ) 年以降、マンガン団塊調査、

  ・1985 ( 昭和60  ) 年以降、海底熱水鉱床調査及びSOPAC (南太平洋応用地球科学委員会) 諸国に対する資源開発協力基礎調査、

  ・1987 ( 昭和62  ) 年以降、コバルトリッチクラストの調査,

  ・1989 ( 平成1  ) 年以降、「深海底鉱物有用金属の回収技術開発」及び「マンガン団塊採鉱環境影響調査を実施

 〈 工業技術院 〉

  ・1981 ( 昭和56  ) 年以降大型プロジェクトとして「マンガン団塊採鉱システムの研究開発」 を実施

 ・1983 ( 昭和58  ) ~86 ( 昭和61  ) 年に特別研究として、マンガン団塊の塩酸浸出法による基礎研究を実施 

  海底資源開発に初めて取り組んだのは、平成7年の村山内閣だったという説明も、藤岡氏の論文が修正してくれました。論文はまだ続きますが、頭の整理のため小休止します。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 自由民主党への疑問 - 18 ( ... | トップ | 自由民主党への疑問 - 20 ( ... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (のん子)
2025-02-04 18:06:56
海底資源、大事ですよね。

日本人は優秀なのに、資源に恵まれていないのが残念です。
外交には少々厚かましい位が丁度良いのにと思っていますが、石破さんではね~。
アメリカがトランプさんになったので、好機には違いないと思うのですが。
返信する
海底資源 (onecat01)
2025-02-05 18:13:55
 のんこさん。

 ご返事が遅れましたこと、申し訳ありません。

 海底資源と、トランプ氏とのつながりを考えていました。

 石破氏となりますと、資源の話は切れてしまいます。

 石橋の厚かましさは、貴方のおっしゃる外交上の厚かましさでなく、政権欲だけの厚かましさですから、政権末期の岸田氏と似て、国民にとって何の役にも立たない私欲だけですね。

 不思議です。この様な人物を自民党も野党もマスコミも放任しています。国民不在の政界になりましたね。

 コメントを有難うございました。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

徒然の記」カテゴリの最新記事