ガソリンがないのでお墓参りはあきらめました。
せめて、お花とおだんごだけは用意して(お一人様一パックという限定でした)父とふたり母の写真に手を合わせる春彼岸。
東北関東大震災の多くの犠牲者の方への思いも込めて手を合わせる日。
おりしも父は知り合いのご不幸で盛岡火葬場へ。
「受付もなく、誰もきていないご遺体がひっそり火葬されていたよ」
「きっと沿岸の方でしょうね」
こみ上げる悲しみと、これを乗り越えなければと奮い立つ気持ちが心の中で共存しながらの日々です。
主人は自宅待機にも耐えられなくなり50キロ程先の八幡平市の会社へ数少ないバスで出勤しました。
「仕事はすべてストップしているけれど、家にいるよりいいから」と。
日ごろ車での移動しかしていなかった主人は、会社の近くにあったバス停を今回初めて知ったそうです。
不便の中でのいろいろな発見。
これほど、目に入っていなかったいろんなものが、今、沢山目に入ってくる生活、とても貴重な経験をさせていただいております。
不自由がかえっていろんな事を豊かにさせてくれているのです。
こんな事を言えるのは、今、私たちはまだまだ恵まれているからなのです。
被災地の方々を思えば、あまりにも贅沢な話です。
この恵まれた環境に感謝しつつ、今日一日を大切に過ごしたいと思います。