田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

キャッ!!! みえた。夕日の中の理沙子(2) 麻屋与志夫

2009-01-19 11:47:15 | Weblog
「玲菜さん。

あのものたちがみえたとき。

おどろいたでしょう」

「わたしの歌をきいてくれているひとたちのなかに。

みえたの。

濃い霧のような人型が。

それがもつと濃くなって。

おどろいたわ。

コミックのキャラそのものよね。

吸血鬼とすぐわかった。

犬歯が唇からつきでている。

手の指がゆがんでいて、鉤爪。

一目で、吸血鬼だとわかった。

もし理沙ちゃんが。

『あなたを守ってあげる』

って声をかけてくれなかったら。

歌うのをやめてにげだしていた」

理沙子もはじめてあのものをみたとき。

奇妙な感覚におそわれた。

現実がきえた。

あるいは異界にとびこんだ感じ。

そのなかにうじゃううじゃあのものたちがいた。

そうして恋人のコウジをむさぼりくっていた。

気がふれた。

気がくるった。

発狂した。

「狂ってなんかいませんよ。

理沙子さんはめざめたのです。

ようこそ、川村理沙子さん。

あなたは、覚醒者になったのです」

声がきこえた。

たすけてくれたのは、翔太だった。

それいらい、よきパートナーとしてあのものたちと戦っている。

「わたしの恋人はここの病院にはいっているの」

「いっしょにいっていいの」

「どうぞ。勉強になるとおもいますから」

「あら……どういうこと」

「いけばわかります」



one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
         ↓
    にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説

ああ、快感。