田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

コウジの手/夕日の中の理沙子(2) 麻屋与志夫

2009-01-31 10:42:14 | Weblog
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「コウジ。またきたわ。二度あることは……っていうけど、三度目ね」

「つかれたでしょう。きょうは土曜日だから学校は理沙子さんおやすみよね」

看護師の弓削さんが倒すとbedになるソファをコウジの隣にしつらえてくれた。

うれしかった。

時針が文字盤を2周するあいだにいろいろなことがあった。

玲菜との出会い。その護衛。

そのためのV少年、犬森サブロウとの戦い。

でもアイツほんとは。

どれくらいながくこの地球の空気を。

吸っているのかしら。

そしてキヨミとの再会。

うれしかった。

あいかわらず元気なノッポちゃん。

そして、そしてなんと、なんと……キョミも覚醒者となった。

それから……理沙子はコウジにはなしかけていた。

高山小学校にいったわ。

あいかわらず、イジメがおおいの。

わたしたちのころとおなじよ。

そしてV成体。

大人の吸血鬼にひさしぶりであった。

やっぱ真正吸血鬼はド迫力があるわ。

暁の光に救われたけど。

戦っていたらどうなったかしら。

わたしとコウジこうしてつながっているものね。

コウジの手。

あたたかいよ。

吸血鬼の手はつめたいのだろうな。

コウジの手。

脈うってるよ。

吸血鬼は脈うってるのかしらね。

心臓があるんだからもちろん生きているんだから。

当たり前よね、脈うっているわ。

でも血は青い。

コウジはやく回復して。

顔色すこしずつよくなってるよ。

うれしいよ。

コウジ。はやくよくなって。

元気になったらキャッチボールしようよ。




one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
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ああ、快感。