田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

地下テンプルへようこそ1/超能力シスターズ美香&香世 麻屋与志夫

2011-01-23 12:25:03 | Weblog
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吸血鬼の群れが逃亡する。
あわてふたむき去っていく。
そんな感じではない。
マスターが去っていくのに同調した。
もさっと、遠ざかっていく。
そんな感じた。

姿が遠のく。
そのなかには、疑似吸血鬼もいる。
ホームレス狩で。
むりやりRFにされたものたちだろう。
半透明となる。
透明となる。
みえなくなった。
だが、雪の上に残っていた。
血の跡が。
点々と青い血の跡が……。
樹木の影につづいている。

「香世。逆シードルよ」
「わたしもそう思ったシ」

まだ身近に吸血鬼の気配がある。
追尾の距離が離されるほど。
時間は経っていない。
吸血鬼シードルがはられている。
その彼方に逃げこんだのだ。

シードルを形成する――。
とは逆の作用をおよぼす
念波を前方に放射した。

「すごいよ。美香」と百子。
「すごいわ。香世」と翔子。

ふたりが、美香&香世のT能力をほめる。
なんでもありのテレパシー能力だ。

思念放射!!

みえた。
敵の障壁が薄れた。

みえた。
テンプルらしい正門。
入口。
青銅製と見えるグロテスクな像。

「半獣神(サテュロス)の門衛よ」

ギリシャ神話の森の精。
サテュロスの下半身は山羊か馬。
ファルスを聳え立たせている。

「イヤラシイわ」
「神さまだからいいのよ」

ガールズはガヤガヤさわぎながらサテュロスの門を潜った。
地下への穴に潜り込んだ。



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