線路脇に陣取り…カメラを構える1人の男性がいます。
数個の望遠レンズを持ち…シャッターチャンスを狙ってます。
その人物は誰が見ても…鉄道マニアと一目瞭然です。
そこに2人の警官が…カメラマンに近づいて来ます。
周りの通行人も…異様な雰囲気に足を止めます。
野次馬代表の僕は…警官と逆方向から近づきます。
警官は…微笑みながら尋ねます「あの~楽しいですか」
カメラマンは…やや緊張気味に「はい」と答えます。
そして小さな沈黙があり…その場は小さな緊迫感が走ります。
野次馬代表の僕は…捕り物を期待して身構えます。
通行人もカメラマンも…次の警官の一言に耳を欹てます。
すると警官は言います「あの…飛び込まないで下さい」
僕は耳を疑い…カメラマンは「はあ?」と尋ねます。
そして警官はもう一度言います「線路に飛び込まないで下さい」
カメラマンは「大丈夫です…飛び込みませんよ」と苦笑いです。
そして警官は…その場を離れます。
期待はずれの僕も…その場を離れます。
でも通行人は気になって…僕に尋ねます。
「なんなんですか?」と通行人のおばちゃまが聞きます。
『あのカメラマン…秘密警察みたいですよ』と嘘をつく僕です。
すると「やっぱり」と頷く…通行人のおばちゃまです。
『あの~秘密警察って…なに?』自問自答の僕です。