ついに…千秋楽を迎えます。
あっという間の…2ヶ月です。
やはり…楽しかった芝居です。
今日のお客さんは…不思議な感覚です。
始まってからも…なにかザワつきます。
落ち着いていない感じの…客席でした。
まさか…携帯電話の音が鳴ります。
ちょっとビックリした…まさかです。
満員の客席は…落ち着いてくれません。
乾燥してるのか…咳する人が多いです。
あちこちで…コホンコホンとしてます。
果たして…僕らの声は聞こえているか。
そして…僕の大事な台詞がやってきます。
このセリフで…ラストの展開が生きてます。
娘が恨んで…ここに来ないという台詞なのです。
その瞬間…ゴホゴホという咳です。
劇場に響く…大きな咳がしてます。
お客さんに…聞かせたい台詞です。
咳が終わるの待ち…台詞を言う事にしました。
他の共演者には…それを伝える事が出来ません。
かなりの時間が経過してますが…咳はつづきます。
咳が終わっても…その方はゼイゼイしています。
僕は…台詞を言うタイミングを逃してしまいます。
この間を無視して…誰かが台詞を言ったらヤバいです。
みんなは沈黙し…落ち込んでる芝居をします。
待っているのも限界と…そう思った僕なのです。
その瞬間…僕はどの台詞をいうのか忘れています。
咳を待った時間と…台詞を探してる時間が経ちます。
みんなは暗黙で…僕の間を信じて芝居をしています。
何秒経ったのか…咳がおさまり台詞も思い出します。
お客さんを気にしてしまい…
芝居のリズムを壊してしまった僕です。
まだまだ…修行が足りません!