日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 





最高で52万部まで売り上げた「ぴあ」
写真は、あえてその「最終号」(この本の表紙ではなく)
というのは、「ぴあ」の最大の個性のひとつであり、及川正通氏の表紙イラストがアイコンとしてあまりに強力だから...

その及川正通氏が「ぴあ」の誕生した時代を語る、
「1972年っていう年がね、絶妙なタイミングだったと思う。もうちょっと前の時代、学生運動真っ盛りだったら
”何だこんな軟弱な雑誌を創りやがって”なんて相当批判されたはず。
でもね、72年はそろそろ、別の価値観というか、”人生の地図”を必要とする人間の気持ちのゆとりみたいなものがでていていた」

もうひとつ「ぴあ」の大きな特徴として、
「メジャーな情報もマイナーな情報も均一に扱い、思想性、批判性は排する」
逆の言い方でいうと、マイナーにも権利を与えたといえる。
現代にも通じる「サブカル」重視の姿勢、ということだろうか。

そういうコンセプトに時代が共振し、部数を拡大を継続。
この「ぴあ」の誕生の胎動から→ 躍進 → 成熟 →そして終焉までを描く1冊となっている。


面白いのは作者が、同時代を駆け抜けたライバルの「キネマ旬報」の掛尾良夫氏ということ。
このため前半、その胎動→躍進→成熟を、熱く語るサマに、ライバルへの「あこがれ」のような感覚も含まれていて、共感を高めた。

ただ逆に、後半の成熟後→終焉部分では、その感覚にズレていく自分が。
なぜかというと私的には、「情報の整理整頓」という手法がコンテンツになる時代を先駆けたのが「ぴあ」だと解釈しているから、今後のネット時代を考えるのにさえも、各々の時代のエピソードが大変参考になったので。
このためぶっちゃけ、もっと冷徹に「ぴあ」のどこが、社会とズレていったかをドキュメントして欲しかった。
例えば仮説だが、
「もし数年廃刊がずれ、ネット時代とのリンクがもう少し濃くしていたら、どう展開したろうか」のようなことが読んでいて、ふつふつと湧いてくる....

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