「論より詭弁 反論理的思考のすすめ 」の読後評です。
著者は、香西秀信氏。
発売は今年 2月。
ブログカキコをはじめてから、言葉・文章に少~しずつ目覚めつつある私としては、マストに読みたかったこの本です。
特に興味深かったのは、第1章と第4章。
どんな文章にも当然意図があって、その効果を最大限にするためのレトリックを使用していくわけですが、ほんの一行の文章にその意図がどう入り込むかを、2つ以上の一行の例文で比較しつつあらわにして「言葉で何かを表現することは詭弁である」と言い切る第1章、実に痛快です!
この章だけで、本全体の3分の1を締めています。
そしてこの本の本論、第4章 人と論とは別ではない ではさらに踏み込んで、文章の構成に入り込む意図について論じています。
主に「人に訴える議論」を5分類しているのですが、この5種類とは、1.罵倒型 2.事情型 3.偏向型 4.「お前も同じ」型 5.「源泉汚染」型。
5つ並べただけで臭ってくるように、この「人に訴える議論」とはほとんど手段を選ばず相手の議論を否定、批判するために使う手法です(ぎょえ~~)
マスコミのケースも取り上げてあって、「論点のすりかえ」をその実例を元に紹介。
確かに週刊誌、夕刊紙ではこのようなレトリック使用が日常茶飯時だなと! 改めて。
そういう記事を読んでいる時はモチロン、実際にこういう手法で相手が攻撃してきたときに(あまりあって欲しくありませんが)、どの手法か判断することで対応方法を構成できるかもと思えるだけで、この本を読んで良かったなと思った次第です。
そうなんです、何十年も何もしてこなかった人に限って、してきた人をうまく批判することにたけてくるものなのですよ...悲しいけど。
それが組織の恐いトコロ!
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