日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 






これは今年有数に面白い1冊。
(写真は原語版。こっちの方がカッコいいので)

ノンフィクションにもかかわらず、小説のように読めるところが凄い。


2人の人物にフォーカスする構成。

まず一人目は、八百長試合の全貌解明に挑む人物(オーストラリア人)
元々は警官だったが、インターポールに移り、初代 FIFA保安部長を務めた男の生き様。

もう一人も凄い(インド系シンガポール人)
アジアで八百長試合のノウハウを蓄積させ、それを世界展開しようとする、八百長“仕掛け人(フィクサー)

この本人2人に徹底取材を行ったことで、小説のように読めるノンフィクションに仕上がった。



さて、八百長試合のノウハウは、どのように蓄積されたのだろうか?

スタートはまず、選手に巧みに近寄り、金・女を与え、自分のコントロール下に置く。
だけでなく、審判も巻き込む。
そして自ら試合をでっち上げ、適当なメンバーたちと買収した審判で試合を開催する。
儲かってくると、チームごと託ってしまうことも可能になる。
面白いのは、そのチームは別に強くなくてもOK(笑)で、2部でも3部でも良い。


なぜか?
それをOKにしたのが、以下の3つの潮流。

(1)アジア、特に中国の経済成長
(2)そしてここで急成長する賭博ビジネス
(3)ここに連動したのが、インターネット!

オンライン賭博サイトが次々と登場し、直前までのベットのみ → 「何でもあり化」した。
オッズが試合の進行で刻々と変化し、ギャンブル性が飛躍的にアップ(まるで株式市場 笑)
ネット上でベットの対象になりさえすれば、金が流れ込んでくるので、八百長し放題なのだ!

こうして、中国の総元締め犯罪組織 三合会などを中心に、アジアの巨大賭博市場が形成された。
特に賭博を公認する国= フィリピンの 最大手 IBCは凄く、フィリピン経済の30%の売り上げ(笑)


このノウハウをグローバル展開しはじめたことで、サッカー界全体に腐敗が拡大。
その拡大ぶりは激しいもので、例えるだけで恐ろしい…

2004年 ドイツカップ パーダーボルン vs ハンブルガーSV
2009年 チャンピオンズ・リーグ(!) リバプール vs デブレツエン
2010年 ワールドカップ予選(!) フィンランド vs リヒテンシュタイン
2011年 国際親善試合 エストニア vs ブルガリア
(インターナショナル・ウィークに開催される 国際親善試合も餌食に!)
オーストリア、ドイツ、ハンガリー、スイス他、ヨーロッパ広域のクラブ・チーム etc…


この腐敗を把握しながら、初代 FIFA保安部長はじりじりと、八百長“仕掛け人を追いつめていく。
2012年 1月10日 FIFA本部で行われた記者会見での初代 FIFA保安部長を引用しよう。

「もはや、どんな楽観的なひとであろうと、
 我々の相手が世界に暗躍する犯罪組織であることは理解しているでしょう。
 彼らは国境を越え、あらゆるレベルにおいて多くのスポーツ種目に悪しき影響を及ぼしています。
 金儲けさえできれば相手を選ばない集団であることは、言うまでもありません」

この場でプレスに発表されたのは、FIFA初の八百長対策のホットラインによる改革案。


ところが!
翌日の1月11日、ブラッターにより、この改革案は「延期」と決定。

?!?




最後にこの「ブックメーカー市場」のメイン・プレーヤーを紹介しておこう。
最強リーグの英プレミアを中心に、胸ゼッケン・スポンサーが多かったので、それも付記しておきます。


IBC
ニューキャッスル、ウィガンの胸スポンサー

SBOBET
ウエストハムの胸スポンサー
カーディフの胸スポンサー
スウォンジー、ハル、サウザンプトン、ノーウィッチ他のベッティング・パートナー?

188Bets
ボルトンの胸スポンサー
チェルシー、リバプール、マンチェスター・シティ他のベッティング・パートナー?

12BET
ウィガンの胸スポンサー

FxPro
アストン・ビラ、フラムの胸スポンサー

Tombola
サンダランドのの胸スポンサー

SKS365=プラネットウィン365(ヨーロッパ)
インスブルグ・カップ

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