平成30年10月18日(木)、快晴になりました。10月初めから畑沢の小屋をペンキ塗りをしているのですが、疲れと信用できない天気が続いていましたので、ペンキ塗り再開の機会を待っていたところにこの上天気です。勇んで山形を出発しました。夜中から晴れていたようで、山形でも放射冷却現象により、今季、最低気温を記録していました。それではと、背炙り峠での雲海を期待していました。やはり朝早くは里を霧が覆っていたようで、峠に近づいても低く垂れこめた霧が残っていました。しかし、雲海には時間的に遅かったようです。峠路を登り棚田のビューポイントに出ると、眼下に中沢地区の景色が広がります。さすがに、この時期になると稲は刈られていました。
下の写真の左上に大朝日が雲から顔を出しているのですが、分かりますか。心の目で見つめてください。見えるような気になってきますよ。見つけて下さい。
ところが、ビューポイントから5m程北側の崖に、道路から家屋の廃材が不法投棄されていました。周囲の葛の上にばら蒔かれた様子を見ると、最近の犯行のようです。玄関の柱、農業用の黒いシート、沢山のベニヤ板などが散乱しています。とんでもない行為です。昔からこの山道には多くの不法投棄がありました。どれも同じように家屋の解体や、引っ越し時に出て来る廃棄物のようでした。常連の業者がいるようです。その場で村山市役所の不法投棄を担当している部署へ、報告しました。市役所は直ぐに監視を担当している職員と連絡をとって下ったようです。5分も経たないうちに電話を下さり、「一週間前に監視担当職員が発見し、投棄者の手がかりを探したが、見つからなかった。市では近いうちに撤去作業をする」と話してくれました。さすが村山市役所の対応です。そして、手がかりを残さない不法投棄者の手口が手慣れた感じです。
畑沢集落内のビューポイントは、ここです。荒屋敷地区と遠くに最上町の禿岳が美しい場所です。素晴らしい天気と景色に誘われたのか、猪も出てきました。下の写真を撮る前、二階の屋根でペンキ塗りをしていた時に、刈られた田んぼの中に黒っぽい二つの陰が見えました。柴犬より少し大きくてコロッとした形の物体が、チョコチョコと動き回っています。一瞬、熊かと思いましたが、直ぐに猪であろうと訂正しました。まだ、成獣ではないようです。しかし、夜に猪が出てきて困っているという話を聞いていましたが、まさかお天道様の真ん前に出て来るとはいい度胸です。完全に人様を舐めています。なにしろ、獣の姿は見えるのですが、人の姿が見えません。屋根の上からでは、さすがの私も手を出せません。大声を出し両手を強く打って脅しました。これぐらいしかできません。ただ正直なところ、生まれて初めて猪を見た嬉しさも少しありました。
この時期、午後4時を過ぎるとかなり暗くなってきます。ペンキ塗りが残っていたのですが、安全第一です。怪我をしないうちに作業を中止して、帰路につきました。帰りも背炙り峠です。峠の写真は、いつも棚田のヒューポイントか峠から村山市を見た光景でしたので、たまには、峠そのものを撮ってみたくなりました。下の写真は畑沢から峠である切通しの場所です。明治時代にここに新しい道が切り開かれる前も、鞍部となっていたようです。もしも、楯の堀切を作るとすれば、絶好の場所だったことでしょう。私の素人考えでは、「ここに堀切があったに違いない。いやあったはずだ」となっています。ほんとかな。ところで、この道から左に林道があり、楯跡や古道へ至ることが出来ます。
その場所で振り返って畑沢方向の空を見上げました。半月が出ています。集落よりも幾分だけ標高が高いからでしょうか、すっきり見えるような気がします。私は確証がなくても、「気がします」で済ませます。
さらにその場所で、畑沢方向の北側遠方です。私の好きな最上町の禿岳を拡大しました。撮影時に気付かなかったのですが、投稿しよう写真を見つめていると、写真中央の山が野辺沢城があった「通称 お城山」に似ています。国土地理院のWEB版で確認すると、方向には間違いありません。「背中炙り峠」を通る古道からは見えないのですが、背炙り峠を通る自動車道路上からは、かくも明確に全体が見えるようです。新発見です。背中炙り峠の楯では、野辺沢城をこの方角から確認できたのです。
峠の上から村山市の方向です。平野部の右寄りに最上川が三日月状に左右に折れ曲がっています。東根市と河北町の境あたりです。最上川は置賜地区と村山地区の平坦部で何度も蛇行しています。比較的、直線的に流れるのは、白鷹町から朝日町の間と戸沢村地内の山に挟まれた区間です。
この峠から村山市中沢地内へ下っている時、再び獣さんが登場しました。今度はぐっと小さい獣です。狸か狐か猪かと考えましたが、分かりません。ただ、大きさが野兎程度だったことと、「コロコロの丸い形」でしたので、きっと野兎だったのでしょう。まだまだ雪が積もっていませんので、冬毛に着替えていません。 それにしても、この日は、二匹一緒の獣に縁があったようです。「天気がよかったから」が理由でしょうか。