前回は、iPod touchとグーグルマップを使うことで渋滞情報を出発前に情報収集し、渋滞回避できることをお知らせした。
今回は、プリウスのエネルギーモニターが、省燃費だけでなく安全運転につながることを書きたい。
いわゆるプリウスといわれている車には、派生車種のプリウスアルファやアクアもあるが、我が家のプリウスは20型といわれるプリウスである。
現在のプリウスの最新型は30型である。
我が家でプリウスを購入したとき、20型でも30型でも選択可能であった。
しかし、我が家では20型をチョイスした。
いくつか理由がある。
20型の方がモデル末期だったので安かった。
室内前席がウォークスルーできるので前席の空間が広かった。
などである。
しかし、決定的だったのはボディーデザインとエネルギーモニターであった。
エネルギーモニターが20型の方が視認しやすかったのだ。
ナビと同じ画面なので、細かく切り替えが必要だったが、ずばり面白いと思ったのだ。
ただ、その時はただ単純に、エネルギーモニターはおまけくらいに考えていた。
安全運転の中核であるとも思わずに。
(派生車種であるプリウスアルファのエネルギーモニターは、20型に戻っているようである)
なぜ、プリウスのエネルギーモニターは安全運転の中核なのか順に書く。
まず、こちらの画面を見てもらいたい。
これは、私が撮影したエネルギーモニターの「燃費・回収エネルギー」画面である。
走行距離114kmでその間の平均燃費がリッター31.8kmであることを示している。
ただし、停車しているので、画面右の瞬間燃費の棒は0である。
また、車のマークは減速時などに電池に貯めた(回収した)電気エネルギーの量、1台分で50whを示している。
郊外を走っているので、燃費(5分間隔)は比較的よく、どの5分間区間でも燃費はリッター20kmを超えている。
市街地や始動直後だと10km にとどかないことがよくある。
画面の一番左はリッター40kmを超えているが、これはほとんどEV(電気自動車)として走行できた区間である。
つまりプリウスでは、ごく単純に言えば、できるだけEVないしは空走(エンジン車で言えばアクセルから足を離して走行する。プリウスで言えば、EVとして走るときの電池にためられた電気さえ使わないように)して走行するように運転すれば燃費は40kmを超えて伸びるということになる。
グラフでは、最高が40kmである。
つまり、できるだけ空走するなどすればこれ以上の燃費になりグラフは40kmを超えるが、表示は最高が40kmである。
このグラフが、変な言い方であるが、深みにはまる第一歩であった。
郊外を走っていると、渋滞と信号が少ないのでグラフはどんどん上に伸びていく。
どんな運転をしたら、グラフが上に伸びるかはこのグラフの右端の「瞬間燃費」が教えてくれる。
(走行時だと、右端の「瞬間燃費」の棒が瞬時に上下して、その時の瞬間燃費を教えてくれる。エンジンを使った加速時は棒が短くなる)
単純に言えば、できるだけ、瞬間燃費が上に伸びるようにすれば、左の5分間燃費の棒グラフが40kmの上限に届くようになる。
ところがである。
5分や10分くらいの短時間ならば、燃費40kmを超えることはそんなに難しくはない。
これを30分続けるのが難しい。
30分続けるとどうなるかというと、グラフの棒全てが40kmを超えて、ぎざぎざの山形でなくきれいな長方形になるのだ。
下の写真のように。
実は、これは先日プリウスを購入して初めて達成した。
これが、達成できるのはいくつか条件があるが、それは、興味を持たれたドライバー各氏が研究されたい。
だが、プリウスにはそれを達成できる仕掛けが用意されている。
それが次のエネルギーモニターの画面である。
画面(妻が撮影)は、バッテリーからのエネルギーが、モーターにより駆動され車輪に伝わっていることが分かる。
つまり、プリウスは現在EVとして走行していることがドライバーに分かる。
これが、始動時、加速時、減速時、空走時などそれぞれの走行状況で、エネルギーの方向が表示される。
ゆるやかな始動時は、電池からモーターに電気供給されてモーターが回り車輪に伝わる。
さらに加速すると、電池からモーターに電気が供給されてモーターが回り車輪に伝わると同時にガソリンエンジンの力も車輪に伝わる。
つまりガソリン(エンジン)と電気の力(モーター)の両方の力のエネルギーが、車輪に伝わる。
定速走行時には、電池からモーターに電気供給されてモーターが回り、車輪に力が伝わる。
とそれぞれの走行状況時点で、エネルギーの流れがドライバーに分かるのだ。
このことが、安全運転の中核であるとは、当初思ってもみなかった。
結論から言うと、プリウスでは、燃費を上げようとして、つまり棒グラフをきれいな長方形にしようとすればするほど、安全運転につながる。
ドライバーは、まず一つの棒を40km超にしようとする。
すると、できるだけエンジンを使わないように努力する。
エンジンを使わないようにするには、方法が3つある。
1、エンジンによる加速時間を短くする。
2、定速走行時は、無駄なブレーキを使わないようにする。
(誤解されると困るので言っておくが、ブレーキは使わねばならないときは使う)
3、定速走行時には、エンジンを使わないようにして電池の電気エネルギーを使う。
1は、説明するまでもないだろう。
加速時間が短ければ、ガソリンの減りは少ない。
2は、詳しく説明する必要がある。
定速走行時は、無駄なブレーキを使わないようにする。
そのためには、どうするか?
不要な加速を避けることである。
車間が詰まればどうしても、ブレーキが必要になる。
するとどうなるか?
減速するので、一定速度まで戻すのにまた不要なガソリンが必要になる。
だから、プリウスでは、燃費を稼ごうとすればするほど前を走行する車との車間をたっぷりと開ける運転を心がけることになる。
(ただし、市街地では逆に車の流れに乗る必要があるので状況に応じる必要があるが)
たっぷりと車間を開ければ、不要な減速がなくなる。
減速が少なくなればなるほど、ガソリンは不要になる。
プリウスでは、燃費を稼ごうとすれば、車間を開けるようにするので、前の車が減速しても、早めに空走すればいい。
空走して減速を始めれば、やがてモーターが発電機として働き、電池に電気を貯め始め、自然に減速できる。
そればかりか、再度加速する際の電気まで貯めることができる。
又、プリウスでは減速がそれほどでもないなら、アクセルをやんわりと踏めばガソリンエンジンの力を借りず、モーターだけの力で元の速度まで戻ることができる。
この場合も、ガソリンは不要だ。
万一強いブレーキが必要になったら、そのときは躊躇することなくブレーキを踏む。
その時さえ、減速のエネルギーを加速時の電気として貯めることができるから。
こうして十分に安全な車間を開けることによって、前方の車の減速状況に応じて、いくらでも不要な減速(急ブレーキなど)と加速を避け、必要なときは躊躇なくブレーキを踏む安全な運転ができるドライバーに、プリウスなら、なることができる。
燃費を上げようとして不要な減速を避けようとすればするほど、全体の流れを見た減速を避ける運転につながる。
具体的には、直前の車両だけでなく、その前の車両の動きまで気を配ることになる。
前の前の車が減速や停止していれば、直前の車もやがて減速するであろうから、急ブレーキを踏む必要もない段階から減速していく運転が可能となる。
こうして、ますます安全運転につながるのだ。
プリウスのドライバーは、棒グラフがきれいな長方形を目指す運転をすればするほど、安全運転の技術を身につけることができるのだ。
プリウスのアクセルペダルは、運転状況に応じて実に細やかに車が応じるようチューニングされている。
それが、エネルギーモニターの画面の情報から分かる。
そして、この画面によって、プリウスのドライバーはさらなる安全運転の技術を身につけていくことができる。
私は、上の写真のように購入以来2年半でやっときれいな長方形を描くことができた。
しかし、私より若い(年をとっていても気持ちの若い)意欲のあるドライバーなら、もっと早く達成できるだろう。
教習所を卒業したら、運転技術がそのままということがなくなり、さらに上への高みが開けている。
こんな車がプリウスの他にあっただろうか?
省燃費との両立を図りながら、運転に集中し、しかも楽しく、安全運転の技術が向上する車なんて。
3の「定速走行時には、エンジンを使わないようにして電池の電気エネルギーを使う」は、高速以外簡単である。
エネルギーモニターを見ながら、かつ十分な車間をとり、なおかつ前方を十分注視して、車の流れに乗って、挑戦してほしい。
カーナビ、カーステレオ、地デジテレビ(停止時や休憩時)、缶コーヒーなど安全運転をするための方法はたくさんこれまでにもあった。
だた、プリウスのエネルギーモニターの燃費・回収画面とエネルギーモニターほど、真正面から安全運転そして交通渋滞の解消に寄与した車はこれまでにはなかったのではないかと思う。
もちろん、地球温暖化の防止など環境への寄与や省燃費・省エネルギーへの寄与は言うまでもないが。
今回もまた長くなってしまった。
iPod touchとプリウスのエネルギーモニターの燃費・回収画面などがどうつながるのかは、次回へと譲りたい。
ブログタイトルが「つれづれ」なのでお許しいただきたい。