「ビブリア堂古書店の事件手帖」で栞子演ずる剛力彩芽さんが紹介した、「タンポポ娘」が面白い。
といっても、「タンポポ娘」そのものより、もっと面白い話がこの本にはザクザクある。
何が面白いかということは、後で書くことにする。
(なお、「タンポポ娘」は2種類あって、「タンポポ娘」だけのもの?とこれを含む13編を収めたものがあるので、ご注意を。13編を収めたものは、河出書房新社刊、本体1900円)
著者のロバート・F・ヤングの書くSF(サイエンス・フィクション)は、少し変わっている。
物語の転機が愛なのだ。
英語でいえば、LOVE。
ヤングの書く物語は、サイエンス・フィクションだから、直接私たちの住む世界とは関係ない。
だが、それゆえに、ヤングのメッセージははっきりしている。
それは、私なりに解釈すると、
「愛が歴史を変える」
ということだ。
個人史の中でも、歴史の中でも。
この本に収められた13編のサイエンス・フィクションは、私たちにとって、思い当たるところが数々ある。
サイエンス・フィクションだからこそ、人間の行動の転機となるのが、「愛」であるということを、クリアーに描くことが出来る。
その意味で、ヤングのこの本は面白い。
言うならば、これは「サイエンス・フィクション」という文学だ。
私は「タンポポ娘」を読んだ後、「神風」から読み始めた。
何だか、身近に思えたからだ。
アトランダムに読んだのだが、もっとも良かったのは、「ジャンヌの弓」だ。
この話は、この本の最後に置かれているのだけれど、とてもいい位置にある。
編集の妙である。
最後に行くほど面白い話となっている。
「ジャンヌの弓」は、最後に読んだが、それまでで最も面白かったのは、「主従問題」である。
この話は、町をあげて移住する話なのだが、移住先のイメージが少し前にこのブログで紹介した、次のYouTubeのビデオを思わせる。
どうして移住するのか?
どのようにして移住するのか?
愛がどう絡むのか?
この辺りの物語の組み立てが、最高である。
圧巻は、最後だ。
読者はあっというだろう。
「ジャンヌの弓」は、サラ・ブライトマンさんのアルバムAmalfiをイヤホンで聴きながら読んだ。
このアルバムのテーマも愛。
ヤングのメッセージとうまく溶け合って、まるで映画を見ているように読むことが出来た。
「ジャンヌの弓」の世界をイメージと音楽で心ゆくまで楽しめた。
惑星戦争時代を生きる、レイモン・ダーシィとジャンヌ・マリーの世界を。
時間のある方は、この記事の前段をどうぞ。
栞子の母の失踪?と古書のSF「たんぽぽ娘」の話はどこかでつながっていそう
本文で書かなかったが、イヤホンで聴く高音質イコラーザーアプリはもちろん、UBiOである。
UBiOについては、本ブログの次の記事を参照ください。
高音質イコライザーアプリUBiOは、「音」のRetinaディスプレイないしは4K、そして「音」のプリウス!
UBiOを使うと、制御されたバイオリンの高音域が交感神経と副交感神経のバランスを良くする