妻と夜
縄文の丘
風涼し
つまとよる tsu ma to yo ru
じょうもんのおか jo u mo n no o ka
かぜすずし ka ze su zu shi
夕食後、妻と散歩した。
我が家の周辺は、丘とその下の、幾つかの小川が流れている小さな谷の地域が一体となっている。
丘の上には、縄文時代のたて穴式住居の跡がある。
我が家はそのたて穴住居跡があるところから、少し離れた丘の上にある。
丘の上と言っても広く、今でも一部は畑になっている。
縄文時代にはその丘の上で、大豆や稗など栽培していたのであろう。
丘の上には、栗や柿などの果樹が、秋になるとたくさん採れたであろう。
柿は、我が家にもある。
丘の下の谷筋には、海進(海面上昇)によってたて穴住居のすぐ近くまで、海が迫っていた。
少し降りていけば、魚介がたくさん採れたであろう。
我が家は、縄文時代人がくらした、おなじ丘の上にある。
その丘と谷筋を夜妻と散歩して、いろいろ思いを巡らせた。
丘の上は、けっこう風通しが良い。
特に、丘の端の崖になっているところや、家が混み合っていない開けたところは、特に風通しがいい。
縄文時代には、たて穴住居がいくつかあるだけったので、もっと風通しが良かったに違いない。
丘の端から谷筋に降りると、やはり空気が動かないため、蒸し暑い。
縄文時代の人々も、私たちのように風通しのいい丘の上で涼んでいたに違いない。
月を見ながら。
私たちは、LEDの明るい照明で、縄文時代人がくらした丘を安全に散歩できる。
しかし、縄文時代人も案外私たち以上に、満月の光を浴び、涼しい風に当たって、はっきり見える月と星々を見ながら宇宙を感じて、ロマンチックな夜を過ごしていたのではないか。
クーラーの冷え冷えする風を浴びずに、自然の風と光の中で、涼を取りながら。
スマフォもなく、テレビもなかったけれど。
和の国へいらして、1万年以上も前の、縄文時代人と同じ体験をしてみませんか?
どうして約1万3000年以上も、縄文時代が続いたかが分かると思います。
そして、夏は想像以上に縄文時代人は豊かだったことが、理解できると思います。
縄文時代の竪穴式住居跡など遺跡は、和の国の各地にあるので。
和の国へいらして、これを見ないなんてもったいなさ過ぎます。