タカマツの
決勝話す
夏の旅
たかまつの ta ka ma tsu no
けっしょうはなす ke ssyo u ha na su
なつのたび na tsu no ta bi
今年の夏の思い出は、やはりリオデジャネイロオリンピックが一番であった。
特に、バドミントンの女子ダブルスのタカマツペアの決勝は、友人との夏の旅行中、終始話題になった。
二人ともタカマツペア(高橋礼華選手、松友美佐紀選手)の決勝をライブで見ていた。
第1セットはかなりの接戦でデンマークのペアに取られ、第2セットは途中で差が開いたので、デンマークペアが捨てて、タカマツペアが取った。
最後の第三セット、接戦で中盤までもつれ込む。
松友選手が積極的に押し込みに行くのだが、力が入ってネットに引っ掛けてミスをする。
松友選手の気持ちがゲームを見ていると痛いほど分かる。
何とか先にマッチポイントの20点までこぎ着けたい。
だが、ゲームはデンマークペアに先にマッチポイントまであと1点とされてしまう。
デンマーク19:16日本。
金メダルは、絶望。
銀か?
誰もがそう思ったと思う。
ところが、ここからゲームが逆転する。
幸運の女神がタカマツペアについたのだ。
松友選手と高橋選手の気持ちがすわって、力が抜けたのだ。
余分な力みが無くなり、本来の柔らかいプレーが続出した。
特に、松友選手の柔らかいプッシュに、疲れきったデンマークペアが前に出られなくなった。
これを見た高橋選手のスマッシュがデンマークペアの真ん中を狙いすまして、強烈に決まる。
サービスする選手の顔がテレビに大写しになって、その表情から気持ちが手に取るように分かって、こちらまでゲームしている感覚になる。
バドミントンという競技が、テレビの大画面の大きさにちょうどよく当てはまる。
コートの大きさ、選手の表情、動き。
それら全てが、会場と一つになって、伝わってくる。
だから、テレビの前にいた私にも、勝利の女神が19:20になった時に、タカマツペアについたことが空気感としてライブ映像から伝わってきた。
こんなにも素晴らしいオリンピックゲーム映像にリアルに立ち会えたことに興奮した。
だから、友人とタカマツペアの決勝のこの場面、16:19からのストーリーを何回も話した。
そして、どうして勝利の女神がタカマツペアについたかも。
そう、欲を捨てたのだ。
タカマツペアは。
だから、力みが無くなり、本来の力を発揮できた。
敵は、自分の内にあったと言えるだろう。
これが、友人との夏の旅の結論だった。
いいオリンピックゲーム、そして、いい夏の旅だった。
それに、これだけのことが一部始終よく分かるカメラワークと画面の切り替えが実によかった。
選手の表情、動き、コーチの動きなど、余すところなく切り取っていた。
まるで、アニメの1シーンのように。
カメラマンは日本のアニメを見て、研究していたのではないか?
素晴らしい!
1ヶ月近く経っても鮮明に覚えていられるのは、何よりいいゲームをしたタカマツペアとデンマークのペアにある。
面白いもので、いいゲームは周囲をも興奮させる。
いいゲームは、カメラマンを奮い立たせる。
そして、多くの人の心の中に、深く刻まれる。
タカマツの
決勝話す
夏の旅