○(広島市内の近代化遺産の散歩)
数年前から外出するごとに近代の建築を見かけると撮影してくるこの企画、実は昨年の9月頃、出張の帰りにキイロイトリたちと街を歩いて撮影しているのだが、ずっとアップできずにいた。
広島電鉄千田町変電所事務所棟(旧ボイラー室)〔大正元年(1912)〕
煉瓦色が事務所棟、左の灰色の方が変電所。
原爆で被災したひびの跡が残っている。その3日後から電鉄が単線復旧したという。
広電本社前の電停前には、当時の写真や被爆敷石が保存されている。
昨年撮影していながら、あるいは、写真を整理しながら眺めるだけで、その被爆建物の部分的な質感に、想像を絶する悲惨さを感じてしまう。東京や大阪の近代建築だって、恐ろしい大空襲を生き残ってきているとは言える。だが。
その建物がその瞬間を紛れもなく記憶していると感じると、広島市内の戦前の建築物はみな、ひどく悲しい。その歴史的空間の現場に立って、そう感じてしまうため、いつものようなお散歩気分では、語れない。そのために、撮ったまま、ずっとブログにアップできなかった。
…しかし、広島原爆の日である今日から、長崎の9日あたりは、きっとこれらの建築を紹介するのにふさわしい時節だろう。
と、朝の広島の式典のテレビ中継の黙祷の後、そんなことをふと思ったので、あげてみる。
BGM:How Can You Expect to Be Taken Seriously? / Pet Shop Boys
九州北部、昼も来たが、夜の現在もゲリラ豪雨通過中である。よく降る(困)(20140806)