現在の権力一極集中や、各省での忖度などの諸問題を振り返るに、その一員として『小選挙区制』があるように考えます。
①小選挙区制度により、各政党は1選挙区から1人の公認候補を出します。そのことにより各候補は、政党の公認がとれるかを第一に考える・・・すなわち、公認を決める権力を持つものには逆らえない構図となりました。
以前と違い同じ選挙区の重鎮の発言より、党執行部の顔色を見ざるを得ません。派閥より党幹部なのです。
②小選挙区制度により「死票」が多くなり、支持率が少なくても過半数の議席を得ることがある。
政策決定が早くなる利点はあるが、少数政党の意見は排除され、原案修正の為の話し合いが意見表明だけのものになっています。
③小選挙区制度の本来の目的であった「2大政党での政権交代による国政の活性化」が、対立政党が生まれない現状から、自民党一党独裁を生んだ。
(現在公明党の存在は一党独裁の非難を回避することがその第一目的ではないか)
現在の日本では、2大政党制はできないのではないか。
国民の側が「とりあえずやらせてみよう」とは考えず『リスクのある変化より低い安定』を選ぶから。
④一党独裁の結果、公務員制度改革の一環として内閣人事局を設立した。
そこで、各省における部長・審議官級以上の幹部職員・閣僚推薦者について、内閣人事局が適格性審査を経て幹部候補者名簿を作成する。
これをもとに各省が人事案を作成し、首相・官房長官・閣僚が任免について協議した上で決定することになる。
これにより、各省幹部人事を内閣官房・官邸がコントロールすることができるようになった。
(以前は、各省における局長以上の人事は、省内で決定した後、内閣の承認を経ていた)
⑤首相、官房長官、外務、防衛の4大臣会合を中心とし、内閣主導のもと一元的な政策の実施を行う「国家安全保障局」を設立し、内閣人事局と共に内閣官房に配置している。
そして2001年には186人だったその人員を1100人まで増員し、外交・安全保障について内閣主導のもと一元的な政策の実施を行っている。
「小選挙区制」や「政党助成金」の導入については、ずいぶん前に久米宏さんのニュースステーションで白鳳大学の福岡政行教授が前向きに力説されていた。
しかし、その理想とはかけ離れ、現実は2大政党制は実現できず、政党助成金も「企業献金」を許したざる法で、何の為に国費を費やしたのかわからなくなっている。
平成が終わった今年、年末に考えたことです。
日本の民主主義が低迷していることの原因は、イギリスのシンクタンクによると、「投票率の低さ」と「女性議員の少なさ」なのだそうです。
国境なき記者団によると、国政の閉鎖性にあるようです。
「じゃあ、どうすれば良いの?」という問いには、残念ながら答えられません。
「素人の文句垂蔵」にできること・・・
香港の学生ほどエネルギーはないので、次の選挙かな・・・。
誰か、政治家の中村哲さんが出てこないかな。
ホセ・ムヒカさんならなお良いのですが。