退職オヤジのひとりごと

退職オヤジが直面する新しい日々…感動か困惑か?
カオスの日々を綴ります

横田滋さん

2020年06月08日 03時57分34秒 | ニュースより

横田滋さんが亡くなりました


横田滋さんはとても温厚な方で、生前「北朝鮮制裁を強めよ」とする日本政府や、支援団体である『北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会』の方針とは異なり、「制裁は緩めるべき」と講演で語っていたそうです。

「北風と太陽」の太陽だったのですね。



2014年5月 北朝鮮は、「拉致問題は解決済み」としてきた立場を改めて、「特別調査委員会」を設置しました。いわゆる「ストックホルム合意」です。

拉致被害者5人が帰国した2002年以降では、大きな前進といえる出来事でした。


これにより、北朝鮮残留邦人や失踪者の帰国の可能性が高まったわけですが、当時の日本政府は「拉致被害者全員の帰国が最優先」という態度を崩さず、交渉は暗礁に乗り上げました。
(北朝鮮側は残りの拉致被害者8人は死亡していると発表しています)


このことについても横田滋さんは
「差別してはいけない。認定拉致被害者の優先帰国にこだわらず、帰国できる人から帰国させるべきだ」
という考えだったようです。


そして、2016年北朝鮮の核実験やミサイル発射により日本政府の「独自制裁」が強化され、北朝鮮は特別調査委員会を解散しました。



横田滋さん死去を受けて安倍首相は、「なんとしても被害者が(帰国を)実現するために、政府として、日本国として、さまざまな動きを見逃すことなくチャンスを捉えて果断に行動して実現していきたい」
とコメントを出しました。

拉致被害者全員帰国が最優先として、話し合いの席につこうとしなかったのは日本政府ではなかったのか?


横田滋さんは『めぐみへの遺言』という著書で
「裁制制裁といっても全然解決していないし、制裁の強化をと救う会は主張するけれど、金正日が亡くなって今交渉のチヤンスが巡ってきたんだから、強化するより緩めるべきです。今強化することは、交渉はしたくないという意思表示になるからすべきでない」
と触れています。
さらに、在日朝鮮人についても
「生徒には日本永住権がある。間違ったとんでもないことを教える学校には出さないというのは解るけれど、拉致を理由に朝鮮学校に補助金を出さないのは筋違いだと思います。単なるいやがらせです」
「制裁制裁ばかり言っていて、そのうち北朝鮮に関するいろいろなことも敵視するようになってきた。・・・お互いに嫌がらせをやりだしたら、きりがない」
と書いています。

強行一辺倒ではなく、もう少し柔軟な姿勢(外交手段)で臨めば、展開は変わっていたかもしれません。

強硬姿勢に出て相手に下駄を預ける。そして、その結果が思い通りにいかないと相手が悪いという。

どこかの大統領と似ている気がします。

外交の失敗といえるかもしれません。
ちなみに、2012年から現在までの首相は安倍さんです。



横田滋さんにはめぐみさんと逢わせてあげたかった。

もしそれが叶わないとすれば、せめてもう一度お孫さんのキム・ウンギョンさんと逢わせてあげたかった。



ご冥福をお祈りいたします