豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

トンカチ美女

2013年10月22日 | 今日の美女
 ネット上をうろついて美女狩りをやっていたら下の様な、トンカチを振り上げ長い釘で男を殺害する美女を発見した。
  

 始めは、ぐうたら呑兵衛で浮気者の宿六に腹を立てたカミサンがついに寝込んだ亭主殺害に及ぶよくある場面と思ったのだが、それにしては二枚目の様に綺麗にして飾るような絵とも思われないし構図も似ているので、何か知られた有名な話があるのだろうと気が付いた。そこで探してみたところ 以下のような絵に行き当たった。下左の図は「正義の勝利」というタイトルのタペストリーの右下四分の一ほどの部分図である。
 既述のユディトと並べられているし、版画にはさらに HESTER という女性も加えて「三人の良きユダヤ女性」と題されていて、はたしてこのトンカチ美女は旧約聖書に登場するユダヤを救った「ヤエル」という救国の女性だったのである。
 ちなみにもう一人は「エステル」というユダヤ人ながらペルシャの王妃となった女性である。このエステルについてはヤエルの後に紹介する。



  

 詳しい話は置いておいて、要するにユディトと似ているが、夫も馴染みの敵将軍シサーラが自分の家のテントにやってきて寝込んだ隙に、テント用のペグとハンマーを使って地面に打ち付け、ユダヤ側を勝利に導いたということのようである。
 こういうことが判って探すと、このハンマー美女はたちまち50点ほど集まった。彫刻やデッサンのようなものまでいれればもう20点ぐらいは集まりそうだった。絵のほとんどはハンマーを振り上げているものだが、味方の戦士を案内して来てシサーラを示しているものもいくらかある。
 今日はそのうちの横長版の比較的おっかなくなさそうなヤエルを掲載。
 
 Jacopo Amigoni                              Pedro Nunez del Valle
  

   James Northcote                                 Antonio Zanchi   
  

  Orazio Gentilesch 父                               Artemisia Gentileschi  娘
  
 

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