豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

Mermaid & Siren 人魚とセイレン(サイレン)

2015年08月26日 | 今日の美女
 再び「人魚」の話に戻る。
 ずっと以前に「人魚」を扱った時はごく僅かなものだったが、今回かなりの数量の作品が集まったばかりか、「人魚」について改めて知ったことがたくさんある。

 まず下の作品 5 点をご覧あれ。
 いずれも John William Waterhouse の作品とされているが、5 作目は Herbert James Draper の作品とするのが正しいようである。それぞれのタイトルと中身を注意してみると、下半身魚の同じものがマーメイドあるいはセイレンと呼ばれたり、セイレンには下半身が鳥だったり(二段目の絵)、普通の人間と変わらないものがいる(三段目)ということに気が付く。
 セイレンとは、美しい歌声と顔で船乗りの心を狂わせ遭難破滅させる魔女のことで、緊急警報装置のサイレンの語源である。
 二・三段目の作品は、ユリシーズがセイレンの誘惑に負けないように、船乗りたちには耳栓をさせ、自分を帆柱に縛り付けて難を避ける場面である。
  
  Siren または Mermaid                   Mermaid 習作                   Siren
    

  Ulysses and the Sirens 1891


  Ulysses-and-the-Sirens 1909    


◎ 要するにセイレンは以下の画のように下半身は鳥が本来の姿だったが、時代が下がってくると下半身が魚の姿に変わってきて、マーメイドという新たな名前が出てきたようである。 その理由は定かではないが魚の方が女体のもつ柔軟なしなやかさ・滑らかさのイメージにマッチしているとして、鳥の足の固い感じより好まれたからではないか。
 そしてさらに「人魚」のマーメイドに対して、セイレンの方は普通の女人の姿に描くスタイルも現れてきたのかもしれない。

    










 



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