六歌仙を個別に描けば六枚が当然だが、これは「五色染め」とあり五枚で揃いだと思う。
「一女五人男」の小町は「業平・小町」と美男美女の代表として併称され一枚目に描かれている。
では他の四人の女性は?、ということだが私は全部小町ではないか、つまり一人の小町にそれぞれの男が言い寄っている絵ではないかと思う。
喜撰の女性は町娘みたいで小町らしくないようだが、それでも小町とするのには理由がある。
まずタイトルの「五色染め」が五つの色に染めるということでそれを示していよう。
それともう一つ、女性の衣裳はすべて異なるが髪を注意すると、いずれも蝶リボンのような飾りになっている。女性画達人の歌麿が別人女性をこのように描くとは思えない。だからこそ男達は衣服などで判別させれば個々の名を書く必要もない。
尤も以上のことは画像を検索した際、一枚目だけに小町とあって他は男性名だけだったから私が勝手に思っただけで、すでに衆知のことなのかもしれない。
業平 小町 ・ 喜撰 ・ 遍照
黒主 ・ 康秀
六歌仙 小町から時計廻りに遍照、黒主、康秀、喜撰、業平