この作品には二つの問題点が見受けられる。
一つは、「開化三十六会席」というタイトルの書かれた短冊型の題箋が二種類あって、上の方だけ赤いぼかしのあるものが28、短冊全面が赤いもの8 ( 二段目以降 )と違っていることである。二つの版があったのだろうか。
枕橋 八百松 ・ 木母寺 植判 ・ 柳橋 柳光楼
両国 中村屋 ・ 久保町 梅茶 ・ 向嶋 平岩
芝口 いせ源 ・ 深川 松本 ・ 深川 平清
赤坂 八百勘 ・ 明神 開化楼 ・ 上野 精養軒
※ 問題点の二つ目は下段左の作品も同名のタイトルを持った作品である。画像の質が悪く場所は上野のようで会席名は判読できないが、ただそうなると一枚余計になってしまうのである。因みに中は某画廊のカタログに全作品と出ていたもので、前後の表紙も含まれていて38点がならんでいるが、この作品は含まれていない。なお最後は目次ページで画廊のカタログには無い。一覧でも二つの題箋があるので別バージョンの混在でもなさそうである。
というわけでこのあぶれ作品の正体は不明である。