興風 ・ 源 順
元輔 ・ 素性法師 ここでも法師の姿なく僧侶二名は描かれていない
左近 ・ 元實
能宣 ・ 仲文
※ 三点目左の左近と四点目右の仲文の几帳が繋がっている。
さらに左近の絵は右の元實の絵と御簾によって三枚続きとなってもいる。
実はこのほか上部の和歌の書かれた雲形でも繋がっているのである。
つまりこの作品はこれらに依って全体が一続きの連続した絵巻物の体裁にもなっているのではないかと思われるが確かめたわけではない。
中務 ・ 是則
兼盛 ・ 忠見
ただ前述の全画連続の推定は下図のように中務の几帳が途切れて明らかに連続しておらず、最後の兼盛の人物が全員そっぽを向いている不自然な終わり方になっている。
しかし、これはこの二枚を前後入れ替えて中務を最後にすれば解決する。
これには根拠があってこれまですでに入れ違っていたのがあったので、ここも入れ違っているかもしれないのである。( 前回の几帳で繋がった二点 )。
それと兼盛を最後とすると画中人物が全部そっぽを向いた形で終わる不自然さが中務の几帳で終わる方が自然であるし、今度は右の兼盛と左になる是則ゃお付きの女童の目線が合う形になり、雲もずれはなく安定した繋がりになる。
もう一つの根拠は、この歌仙の人物名を列記する際、人麻呂から始まり最後は中務で終わるのが通例、この作品ではそうなっていない不自然さも解消される。