数年ぶりにお会いした その方は僕が過去に見たなかで一番ふっくらした顔で寝ていた。
もう何もしゃべりはしないけど らしい生き方だったと思った。
倒れたのは脳溢血でも脳梗塞でもなく脳をつつむ髄膜の癌だったそうです。
手足を動かす脳の指令を伝える神経が摘出されたそうで
思考能力はそのままに動けなくなったそうです。
人間は長期間、身体を動かさずにいると関節は機能を失い単なる棒のような骨に
なってしまうそうです。
リハビリの医師がベットに来る回数が減り代わって
弟さんが毎日手足や首を動かし膝を曲げ上体を70度まで起こしたりしていたそうです。
だから「お兄さん」(僕はソウ呼んでいた)は寝たきりだったけど足首から爪先まで
真っ直ぐに伸びたままで足首の関節が固まってしまう
バレリーナの足にはならなかったそうです。
「居場所も知らせず申し訳なかった」それが お兄さんからの伝言でした。
伊達の殿様と同じでイカニモ お兄さんらしい ・ ・ ・ と言ったら
弟の Hちゃんも うなずいてた。
数年間の入院を経験した
お兄さんの寝顔は僕が見たなかで一番ふっくらしてました。