「ナラ枯れ」の茶色い山肌が痛々しい 三浦半島南東部、北下浦地区の山を観察しています!
林野庁のHP「ナラ枯れの被害」の実態、駆除と予防のWEBページ
2020年8月12日、お墓参りのついでに 横須賀市グリーンハイツ裏山へ、様子伺いに行ってみました!
本行寺さん(ほんぎょうじ)の横の道から入りました。写真の右側は、今はもう使われていない「村岡堰」です。← フェンスがあって立ち入りできません
写真①★ 直射日光が当たって、ハッキリした画像にならなかったのですが、、、( 行った時間が悪かった(>_<))
写真②★ 写真①の隣りの山(北側)、京急長沢駅からも 尾根の上が透け透けに見えている場所です
写真③★ さらに隣りの山
上の方も広葉樹みたいですが、このあとも無事であってほしい・・・
それで、京急長沢駅からもっとも透け透けの林に見える山中へ分け入ってみますと・・・
( 正確には 山の際です、山中は立ち入り禁止状態です )
↓
日の光が差し込んで・・・
明るい林でした
下の方、地面にはササ類や低い木々が繁茂しています。
以前はうっそうとした「森林」といった風情でしたけれども(*´ω`)
道沿いに立っている 比較的太い木の幹。この樹表面の傷と「カシノナガキクイムシ」は関係があるのかな?
村岡堰の前の道を挟んで、この「クスノキ」は元気です。
本行寺境内の「ケヤキ」の巨木。すごい迫力です!!! こちらも枯れていません。
そのすぐ近くの、これも「クスノキ」。
この山一帯には大きなクスノキが多いみたいです、素晴らしい。
このクスノキの前から遥か眼下を見ると、、、↓
北下浦地域に伝わる伝承民話の舞台「ミツ磯」が よーく見えます。
ナラ枯れの被害を目にして気分減退気味だった私の心は、この景色で 少し上向きに~♪
でも、少し下った所にある風景に、ふたたび心を痛めました(T_T)
前回ご紹介した、樹形の良い大木です。
樹幹に向けてズームイン!
う~ん・・・!
この木の足元へは到底入っていけないので、場所をかえて ナラ枯れの木の根元まで行ける所をさがしてみました。
はい、こちらです。
奥にある木ですが、上の方は 左半分が緑色の葉っぱで、右半分が枯れています。
枯れている木は根元で分化していますが、1本の木「マテバシイ」です ← 6月に久里浜霊園の植栽担当の男性にお聞きしました。
木の真下に来ました
根元を見ると、おびただしい「木くず」が広がっています!
地元在住の物知り長老Aさんが、「木喰い虫が中に入っていって喰っているんだよ」と教えてくれた、まさにその現象を初めて目にしました!
よく見ると、私の腰の高さの表面に 木くずとともに いくつかの穴があるのを見つけました。
この木は「マテバシイ」といって、秋にドングリが生る木です。周囲には前年のドングリでしょうか? たくさん落ちています。
マテバシイの葉は、春の新葉の展開とともに 古い葉が落ちる性質がありますので、今ここに落ちているのは ナラ枯れに寄るのか、正常な落葉なのか私にはわかりません。
そしてそして、不安材料をみつけました!
さきほどの写真で、枯れていない方のマテバシイの根元にも ↓
こーんなにいっぱい、木くずが広がっていたのです!(@_@)
とってもとっても細かい粒子で、健康な木の色をしたきれいなものです。
生きたまま蝕まれる・・・恐ろしいです・・・
その2本のマテバシイの手前に、枝下ろしされた木が2本あります。
その表面を見てみると、、、↓
木くずは無いものの、樹液が垂れています。
樹液のカタマリをこそげ落としてみたら、穴が出現しました!
これが、薬を打ち込んだ跡(痕)なら良いのですが、いったい何でしょうか?
2020年8月13日追記★ この木がキクイムシの侵入に抵抗して樹液を出しているのだそうです。樹液の分泌が多い木では、枯死を免れることもあるということです!
・出典・ 奈良県と静岡県のナラ枯れの資料
上の方からも・・・
なんだか「木の涙」みたいに見えちゃって、私も悲しくなりました。心配 心配・・・
この最後の現場のその後を別記事にしてあります! よろしかったらどうぞご覧いただきたいです
「ナラ枯れ現場の2020年12月」お良しなさい日記
林野庁の「ナラ枯れ被害」紹介ページにあるような、燻煙材を打ち込んで養生してあげたいけれど、たくさんありすぎて追いつかないでしょうし、よっぽど重要な木 または 周囲への影響が重篤な立地でもないかぎり、お金を使ってやってくれそうにないですね 今の日本は いろいろ問題が山積みですし~
我がふるさとの山々、これからどうなっちゃうの 本当に、まじめに「横須賀市立人文・自然博物館」に行ってこようっと
★ 長沢在住の物知りAさんもおっしゃってましたが、元々「マテバシイ」はここに自生していたわけではなく、薪やタキギにするために植えられたものだそうです。ある程度育てば伐採し、若木に入れ替わっていく、という山のサイクルがありました。
しかし今や伐採せず育つがままに放置した結果、キクイムシの生息に適した太い木(幹にのみ侵入する)が増えて、キクイムシの繁殖しやすい環境が整ってしまっている、ということです(*>ω<*)
・出典・ 奈良県と静岡県のナラ枯れの資料