2017年5月8日~13日、私の初めての 小笠原諸島旅行の記録です。
最初の写真は、滞在した母島の、小笠原諸島最高峰「乳房山」登山途中からの眺めです。あとで詳しく書きます。
20年ぐらい前は、フィルム写真を現像・焼き増ししてもらって、お店で買った お気に入りのアルバムに貼り、アルバムについているカードにイラストや文を書き、その他どこからか切ったパーツも一緒に貼って、一冊の`旅行記アルバム’ を作ったものでしたが、今や、このようにブログなどのSNSっていうんですか?・・・PC上で保存できるのですから、すごい時代になりました! でも、アナログでアルバムを作った経験が、今 活かされていると、私は感じています
では、横須賀市久里浜港から出発した順に記していきます
2017年5月8日(月)、一週間のお休みをもらって、小笠原諸島のマスコットキャラクター`おがじろう’ に見送られ、三浦半島を後にしました。おがさわら丸が入港してきたとき、本当に行けるんだという感激に、涙が出ました この日のために、自分や高齢の両親の体調管理に努めてきたので、ほっとしたのです
なぜ、小笠原へ行くことになったかというと、市の広報に、「新おがさわら丸が横須賀久里浜港に初寄港!市民クルーズ募集」と載ったのを見つけたからです。それまでまったく小笠原諸島など気にも留めていなかったのですが、広報でおがさわら丸の写真を目にして、「これだ」と、直感して急きょ決めてしまったのです。まったく突然の決定でした 出発まで2カ月なかったのです。
ですから、ネットで、持ち物を検索しました とある人の旅行記を読んで、持ち物リストを書きだしました。たくさんあるなぁー と、どんだけの荷物になるか愕然としましたが、用意してみるとたいしたことはなく、これらほとんどを持っていきました。ただし、延長コード と 電源タップ は、不要です。新しくなったおがさわら丸には、各寝台にコンセントがあり、ははじま丸でも、フロアで充電できました あと、タオル類も、お宿に豊富に用意されていましたので、持っていきすぎでした。もうちょっと荷物を減らせましたね。
私が一番重宝したのは、ミスト状化粧水(スプレー式大缶タイプ)でした。船内は乾燥しているし、コットンなしで顔・手足にシュッと使えます
母島のお宿の、お良しの寝床で撮影 きれいなタオルは、お宿に用意されている、大判バスタオル
おがさわら丸内の掲示板。日々、興味深くカクニン
出発日は波 風があり、全力前進する船は、つかまっていないと立っていられない揺れでしたが、一夜明けると、青い海
見たこともない奇怪な形の島影がいくつも見え、遠くへ来た…!という実感が湧いてきました。
島への物資も運びます トラックも・・・
船の軌跡が、海がきれいだから、とっても美しく見えました
ここで、当時のメモ帳に記した記録から抜粋
出発して太平洋を南下していく船の中で 風強し。「外洋は違う」と皆言い合う波。鳥も通わぬ大海原。富士山など、とんでもなく見えない!たまに、でもよく出くわす船が 白波をかぶっているのを見ると、「小笠原丸、私、も あんな中にいるんだぁ~」寝台が下段で良かった・・・ここまでメモしてまだ5時かぁ~・・ヒマッ。・・・海上に、かなり大きな魚がピョンピョンはねて白く光る。・・・横ゆれ多し。
カツオドリに歓迎され、父島が見えてきました。久里浜出港から、21時間で到着!は、そうとう速い航行でした!
あたりが明るくて、蒸し暑い父島、二見港に接岸!後ろに控える`ははじま丸’ に乗り換えます。
1000km移動した実感がわく、大航海だった。
縦揺れアトラクション(?)ははじま丸で、2時間の船旅で、母島の、沖港に着きました
お宿の人が、プラカードを持って迎えに来てくださっていて、母島に来たーーー!という実感が湧くワク
疲れていてはいけない、と、すぐにお風呂をいただき、ロビーのテーブルで、まったりとした時間を過ごしました。
心のこもった美味しいお食事をいただき、夕方(6時半ごろ)散歩に出ました・・・
そう・・・。母島のお宿は、とっても居心地がよく、すべてに恵まれた時間を過ごさせていただきました。ほんとうに、心がこもった静かなおもてなしを感じました。
帰ってから、お礼の葉書を送りました
島のオプショナルツアーで、`ナイトツアー’ というものもあるのですが、そういうのには予約せず(万一体調不良を起こしたら申し訳ないから)、一人でプラプラ・・・
日没を待って、星空を見ようと思っていたら・・・
れれれれー・・・??? なんか明るいなぁ????? あそこに街灯でもあるのか?
と思ったら、なぁーんと、ほぼ満月さま が上がってきまして、ポツリポツリと見え始めていた明るい星たちは、それ以上見えなくなりました
海岸では、虫の声がたくさん聞こえ、まるで三浦半島での秋みたい。
愛車サンシャイン号 に付けている明るいライトを持っていったので、迷惑にならないよう、そこら辺を照らしつつ、初めての母島の夜を観察して歩きました。 この写真は、島中に大木で生えている`タマナノキ’ です。大きなまぁるい葉っぱです。大きな丸い実がたくさん落ちていました。南国風~
母島は、夜でも生き物の気配が満載で、集落の中にいても、世界自然遺産の雰囲気を楽しめました。道の脇や、頭の上に、昆虫・爬虫類・鳥たちの動くのがわかるのです。最初は暗闇が怖かったですが、お良しの歩く一歩一歩に カサコソ逃げる見えない生き物に、いちいち立ち止まってチロッと目を向けました
2017年5月10日
内地(この言い方は、私は使ったことがありませんでしたが、島の人たちが使っているので、区別として、私もここで使います)とは、日差しの強さが比べ物にならないっていうので、日焼け止めをしっかり塗りまして、外へGO!
はじめに行った、鮫ケ崎展望台からの、向島の眺め。母島の南側や、母島列島の島々がよく見えました。壮大な景色でした!!
思わず「うわぁー」と、歓声を上げました。お良し、魂の解放~!!!
展望台の下から沖港方向を望む。山には常に霧か雲がかかっていまして、湿度が高いんだか、そうでもないんだか、わからない気候でした。前日に父島に降り立った時のような蒸し暑さは感じられませんでしたが。
上の写真を撮った防波堤の下を覗くと、赤い魚の群れが!おおーっ!南の島の魚って感じ~
漁港には、ネムリブカ たちが、固まって休んでいて、足を洗おうと下りて行った私は、直前に気づいてビックリ仰天
散策は、JAのお店で手に入れた ‘島レモンピール’ とお水を持って、へばらないよう気をつけました。
島レモンピールは、甘酸っぱくて、とても美味しかったです。日持ちするので、お土産としても購入しました。
これは、タマナノキよりももっと葉っぱが大きい ‘モモタマナの木’ です。葉の裏に、桃のように、ふわふわの毛が密集していて、触ると気持ちいい~ ひゃいひゃい~
母島には、あちこちにきれいなハイビスカスが咲いています。
お宿で、美味しい手作りお弁当を食べて休憩し、午後から、また海岸へ散策にでかけました
南国の植物がきれいに植えられている、母島の道路。
働く人もみかけた、母島の暮らしを支える発電所の脇を入り、木漏れ日が美しいタマナ並木を、ザクザク ザッザッと落ち葉を踏みつつ歩くと、
御幸之浜に下ります。昭和2年に、昭和天皇が行幸されたので、この名が付けられたそう。
右端に、午前中に鮫ケ崎展望台でまぢかに見た、向島が。
ふたたび林の中へ分け入り、次の浜を目指します。とにかく、母島は勾配がある島なので、浜に下りるには、急こう配で上ったり下ったりする 林道(はやしみち)を歩いて、小さな海岸をめぐるのです。でも、道はちゃんと整備されていて、危ないことはありません。油分を多く含んだ落ち葉が一面なので、靴はちゃんとしたものを履いたほうがいいです。
御幸之浜展望台から、赤茶色の島々を眺めます。小笠原の地質は、赤くて、ちょっともろそうに見える土です。
下を見ると、透き通ったきれいな海~
御幸之浜からまた林の中に戻り、お次に行ったのは
大きな石がほとんどの、南京浜。
石の上では、小さな丸い貝たちが、ちょろちょろ チョロチョロ 動いていました。打ち寄せる波にも負けない吸着力をもつ生き物。
気温が高いので、足を入れた海の水は、気持ちいい温度 (この日の気温は、27度ぐらい)
はぁはぁ ゼイゼイ言いながら道路まで上がってきて、アスファルトでなくコンクリートの都道を、これまた相変わらずの坂道を上がったり下がったり・・・
鳥たちや、珍しい植物を見ながら
旧 母島ヘリポート(跡)
母島でもっとも星がきれいに見えるところ、ということです。
この日の最後に尋ねたのが、沖港から近い 石次郎海岸です。
小さな浜ですが、先の二つの浜と違って、砂浜があり、海の色がきれいです ここも、急な階段をずいぶん下りたところにあります。
・・・ということは、帰りは上り階段を、どっこいしょ!です
私の足も、水の中とは思えないほど・・・。光の模様がきれいです
この日も、宿泊客のだれよりも早く帰り、お風呂に入り、またまたテーブルで温かい飲み物をいただきながらまったりしました。葉書を6枚書きました。
しゃーわせぇ~(幸せ~)
夜はですねぇ、寝る直前にエアコンでお部屋を冷やさないと、寝付けない蒸し暑さです。
母島は、最低気温が24度ぐらいで、日中は26~27度ぐらいでした。寒くないから、気温のストレスがまったくありません!快適です
でも、汗がとっても出ます! ですから、飲んで食べて!ができないと、バテると思います!! 散策には、水分と、お菓子などをたくさん持っていくべきです。
2017年5月11日
乳房山登山 向こうに見えているのは、鮫ケ崎展望台で見た、向島です。海がほんとうにきれいですねぇ・・・。
前日に、ガイドさん付きで登った、同宿のご夫婦から、「一人ではきついかも・・・。これまで登山の経験は?」と聞かれ、ちょっと不安になっていたので、だーめそうだったら、無理しないで引き返して来ればいいや~、ぐらいの気持ちで登り始めました。
亜熱帯を感じる森の中を2.3km登ります。
大きなシダ植物 オオタニワタリ も、たくさん見られました(中腹以上 上の方)。
途中に設けられている水場には、ペットボトルのお水を注ぐと、すぐにハハジマメグロたちがやってきて、わいわい喜んでくれます
中間点からの眺め きれーい
ああ、もうクッタクタ で、1時間30分ほどかかって頂上へ
「えーっ!まだ500mしか来てないのぉ」、「えーっ!中間点って・・・あと1.2kmって、まだ半分も来てないのぉ ずいぶん登ったよー」という具合に、お良しの人生の中では、最長不倒距離に感じた2.3㎞でございました
はぁー・・・ヒィー・・・ふー・・・へー・・・ という、「は行」での苦しみではなく、
カーッ・・・キィー・・・くーっ・・・ という「か行」での奮闘でした
・・・「なんだか また広い所へ出そうだけど・・・、どうせ頂上じゃぁないんだろな・・・」とか諦め気分でいたら、頂上でした
あれぇーっ なんだ私、登れたじゃーん と、嬉しくなりました 山登りは、元気だからと最初から飛ばして登ってはイケナイ・・・ということがわかりました。ゆーっくり ゆっくり、一歩一歩です。
でも、かすかに見える頂上からの絶景に、達成感もアリ
ははじま丸も見える、沖港の姿が・・・ 見えたぁー!
すごい高さまで、よく登れたお良しでした ごくろうー
帰り道に、小さな小さなカタツムリを見つけ、持っていったルーペで超拡大して観察しました。うすーい貝で、ほそーい縞目が無数にありました。きれいでした。 こんな小さくても、自然の造形は、素晴らしいです。
乳房山登山は、楽しかったです
この夜は、疲れていましたが、島の太鼓の練習を見せてもらうため、栄養豊富な乳飲料 明治の『メイバランス』と、ドリンク剤のユンケルをカーッと飲み、島の人たちから太鼓を教わりました。島の人たちと触れ合え、よそ者なのに、好きな太鼓も叩かせていただき、とっても良い時間でした。たいへん勉強になりました!
2017年5月12日
母島滞在最終日は、ははじま丸が出航するまで、集落内を散策しました。
母が行ってきてほしいと言っていた神社へ参拝したり、漁港で小笠原諸島ならではの貴重な生き物にも出会えました
海岸で、サンゴのかけらを見ました。国立公園内ですし、固有種を守るため、島のものは持ちだせないので、写真だけ。
町中散策の途中で 鏡の中に入るお良し 海をバックに、母島の風景に溶け込んだ、よい記念写真になりました
この旅で、お良しが行動した範囲がすべて入っている地図。
乳房山だけは、もっと右上の彼方です
神社巡りをしていたら、ポオーーーーーーーーーーッ!!!!! という大きな汽笛とともに、ははじま丸が、父島よりお迎えにきました!
499tという小さな体で、乳房山山中でも聞こえるほどの おっきな声が出る`ははじま丸’ です。
ははじま丸 進水式(2016年 長崎県で) 「小笠原ブログ」(公式)お船のお好きな方、どうぞご覧ください
前夜の太鼓の先生も港に来ていらして、別れを惜しみつつ・・・
ザトウクジラ幟や、太鼓の先生による 木を叩く演奏と、ペットボトルのお水で桟橋にクジラとハハジマメグロと「see you」の文字を書くパフォーマンス。そして、若い人が桟橋から海に飛び込むお別れの儀式を涙で見ながらの出港・・・。。。
うえーん。゚(゚´Д`゚)゚。 泣き 泣き 泣き
遠ざかっていく母島に、「ありがとうー!ぜえったい、また来まーす」
島にいたんだ・・・ということを実感した風景でした。
カツオドリは、いつもお船と一緒
お顔が白くて、面白いカラーリングの鳥です
父島の海も、美しい ‘ボニンブルー’
父島 二見港でのみなさんのお見送りも、心のこもったものでした
どこまでも、おがさわら丸を追いかけてきて見送ってくれる
小笠原自称「日本一のお見送り」です。
さようなら、小笠原。 ははじま丸も、さようなら、ありがとうございました また会えるかなー
同船のみなさん大勢と、だれもが無言で一緒に見た、小笠原諸島での最後の夕日。
お良しの2等寝台 快適
美味しいホットケーキを食べました アツアツで、バターも メープル風シロップも、おいちぃーlove love
おがさわら丸内は、カラフルポップな内装です。
お帰りの横須賀久里浜港は、ドシャ降り「お良しさん、無事おかえりぃ~」
余計な力を抜いて、ゆっくり行動すれば、できるんだ!ということを学びました。自分に自信がつきました。
自分の太鼓も、力を抜いて、楽しくやろう!と思いました。
小笠原諸島の素晴らしさを目にして、今住んでいる三浦半島のことをもっと見つめなおしてみよう!と思う機会となりました。(日常を忘れに行ったのに、日常を顧みさせてくれた)
かかりつけの医者いわく、「心が洗われたのよ」なのか、帰宅以来、夜の寝つきが良くなりました。
また、行きたい
母の日記帳
「こんなにも わが子が大事か 身にしみる」の句
留守中に、こんなこと書いて、笑っちゃうよ と言って笑ったら、まじに「なにが可笑しいんだよ」と睨まれた
父島と母島のそれぞれの郵便局から出した葉書。
風景印を押してもらいました
おまけの写真~ でも、一番重要かも~
出発前に、旅の無事をお祈りしていったお地蔵様
帰ってきて、その素性を知りまして、ビックリ仰天です
「岩船地蔵」といって、航海安全と水難除けのお地蔵様でした!
無事帰れると、貝の首飾りをかけてお礼するのだそう・・・。お良しも早くそうしなくちゃ!
6月28日になって新たに知ったのですが、写真の通り、お地蔵さまは、船の形の台座に乗っていらっしゃいます
わぁー、素敵です
おじぞうさま、ありがとうございました
行くべきして行った、小笠原旅行でした お天気に恵まれ、人々に支えられ、良い旅でした。
今回は、小笠原の歴史である、太平洋戦争の遺構を見ませんでした。高齢の知人に、その点を聞かれ、困りました。母島の宿で読んだ本で、お勉強はしましたが・・・(汗)
今、思い出すのは、この曲の感じそのもの・・・ 山下達郎さん 『RIDE ON TIME』 ユーチューブへ飛ぶ
このような旅ができるとは、9年前に患った病のときには想像もできませんでした。ここまで回復し、以前以上に良い日々を送らせてもらえていることを、心から感謝します!
東京都小笠原村 母島ブログ 小笠原母島観光協会より、小笠原「母島」の様子を写真つきで毎日お届けしています。とのことです、母島の様子がわかります
★ 2019年2月12日 追記しました ★
2019年の「小笠原諸島への市民クルーズ」の申し込みが始まるせいか、私のこの稚拙な旅行記がたくさん閲覧されています。責任を感じております (汗)(-_-;)
詳しく記述した 横須賀市久里浜港からの出発・小笠原諸島到着編 もありますので、そちらもよろしかったらご参照いただければ幸いです。今年ご出発されるみなさま、どうぞ良い旅をなさってください! 管理人 お良し