
フィンランド?ちょっと唐突すぎない?と考える人もいるかもしれない。しかし今,教育関係者の中では,フィンランドは注目の的である。それは,PISAというOECDの開発した学力テストにおいて,世界総合第1位の栄誉を得ているからである。北欧の小さなこの国は,産業競争力の世界でも第1位を獲得しており,その強さが際だつ。
その強さの秘密はさまざまに語られる。しかし私は,特に学力世界一を達成した最大の理由は,何より教師の力量の高さにこそあると考えている。つまり,国家による制限がミニマムの国において,教師に保障され要求された自由裁量を十二分に発揮できる実力を持つことが出来て初めて可能になった成果だと思われるのである。だから,今回の出張の目的は,その国が,どのようにして高い教育実践力と力量を持った教員を養成しているかを探ることにある。
主たる出張先はフィンランドで最大級の教員養成を行っている大学,University of Jyvaskylaユバスキュラ大学である。フィンランドの南部にある首都ヘルシンキから飛行機で1時間程度の内陸部の小さな街だが,この小さな街の大学が,今,世界中から注目されている。
こちらのプロジェクトの正式決定が遅くなったためにユバスキュラ大学への依頼もずれ込み,10月からの訪問でも,かなりタイトなスケジュールの中で無理をお願いすることになった。1ヶ月の間に,ユバスキュラ大学内の授業を参与観察したり,また授業を実際に行っている先生方にインタビューしたり,その他の資料を収集したりしながら,教師としての高い力量を育てる秘密を探ることになっている。
このブログでは,こちらの大学やその他の学校の教育の様子といった主目的の話も少しだけ!入れつつ,こちらの街や大学の様子などといった異文化の土地の話などを併せ総合的にリポートしようと思う。
ブログのタイトルのHei!は,「ヘイ」(あまりアクセントをつけずに平坦に発音する)と読み,フィンランド語では「やあ」といった意味になる。ちなみにフィンランド語を読むには2点に気をつければよいそうだ。
1.ほとんどローマ字通りに読む。
2.第一音節にアクセントをつけて読む。
この2点だ。さて,あまり格式張らないこの国では,最初の挨拶は,たいていは「Hei」ですんでいる。2度重ねて「Hei Hei」となると「バイバイ」なのだ。ではこの国のリポートの始まり始まり。