(前回に続いてインタビューの内容,2/2)
○学生に自分で考えさせるような学習スタイル(自己創造型・問題解決型学習)やプロセス重視の学習スタイルについて
・1970年代から言われていることであるが実際にはそうはなっておらず,ユヴァスキュラ大学の方針で10年前くらいから力を入れてそのようにしている
・学部で明確にこうした学習スタイルを取り入れようと決めたわけではないが,そうしたやり方が広まっているのであれば,それはうれしいことである。
・教育学部での教育学の博士論文などの内容などをみても,以前のやり方を批判し,こうしたやり方に従うものが多い
・大学でこうした学習スタイルを学んだことは,自分が実際に子どもたちに教えるときにも,そうした学習スタイルが取れるように支援することにつながると思う。このへんのことは,教育学では理論的な視点から解明していると思う。
・今日,学生たちが取り組んでいた課題にしても,それが完成してもそれ自体が実際に役に立つというものではない。しかし,その学びのプロセスが重要である。結果も大切であるが,それ以上にプロセスを大切にしている。
・自分で考えさせる学習を支援していくことはたいへんなことである。失敗もあり,学習者の方がどのようにしたらいいかわからなくなることもあり,落胆するが,そこで動機を維持したり高めることが重要である。教員として,不確実な状況下にあっても物事に辛抱強く取り組める人を育成したい。そのことが,生徒が同じような状況下にあるとき,生徒に寄り添った対応(単に情報を注ぐのではなく,一緒になって考える)ができることにつながるであろう。
○技術教育の意味
・技術(手の技,道具や機械の扱い方)を教えているのだが,決してそれだけではない(それだけでもそれ相応の意味はあるのだが)。技術教育を通して,思考方法や考え方も身に付けさせようとしている(フィンランド語で「理解する」の語源をたどると「手」と関係する点は興味深い)。
・「つくる」ということを3つのレベルで考えてもよい。①示されたそのままをつくる,②応用してつくる,③自分で創造する。
[インタビュアーとしての感想]
従来の授業では教員が作ったものと同じものを作って技術を習得していたが,現在は「必ず2つの動きが起こる装置を作る」という指導のポイントを押さえつつ,自分で創るものを考え工夫できるようにしている。プロジェクトのテーマをふまえて,制作は他の科目で学んだこととどう関係するのか,何歳くらいの子どもに適用できるか,安全面の配慮事項や評価をどうするかなどを考えさせる方法を導入しているために,科目の学習を教育現場の視点で行うことが可能になっている。このようにして学習が有意なものとして意識される意味は大きい。また,どのように自分自身が判断するかが尊重される過程重視の授業では,信頼と安心に満ちた表情がすべての受講者に観察できた。支持的・受容的な風土の中で行われる学習を通して醸成される教師の持つ雰囲気は,得難い財産となるだろうと思われた。
○学生に自分で考えさせるような学習スタイル(自己創造型・問題解決型学習)やプロセス重視の学習スタイルについて
・1970年代から言われていることであるが実際にはそうはなっておらず,ユヴァスキュラ大学の方針で10年前くらいから力を入れてそのようにしている
・学部で明確にこうした学習スタイルを取り入れようと決めたわけではないが,そうしたやり方が広まっているのであれば,それはうれしいことである。
・教育学部での教育学の博士論文などの内容などをみても,以前のやり方を批判し,こうしたやり方に従うものが多い
・大学でこうした学習スタイルを学んだことは,自分が実際に子どもたちに教えるときにも,そうした学習スタイルが取れるように支援することにつながると思う。このへんのことは,教育学では理論的な視点から解明していると思う。
・今日,学生たちが取り組んでいた課題にしても,それが完成してもそれ自体が実際に役に立つというものではない。しかし,その学びのプロセスが重要である。結果も大切であるが,それ以上にプロセスを大切にしている。
・自分で考えさせる学習を支援していくことはたいへんなことである。失敗もあり,学習者の方がどのようにしたらいいかわからなくなることもあり,落胆するが,そこで動機を維持したり高めることが重要である。教員として,不確実な状況下にあっても物事に辛抱強く取り組める人を育成したい。そのことが,生徒が同じような状況下にあるとき,生徒に寄り添った対応(単に情報を注ぐのではなく,一緒になって考える)ができることにつながるであろう。
○技術教育の意味
・技術(手の技,道具や機械の扱い方)を教えているのだが,決してそれだけではない(それだけでもそれ相応の意味はあるのだが)。技術教育を通して,思考方法や考え方も身に付けさせようとしている(フィンランド語で「理解する」の語源をたどると「手」と関係する点は興味深い)。
・「つくる」ということを3つのレベルで考えてもよい。①示されたそのままをつくる,②応用してつくる,③自分で創造する。
[インタビュアーとしての感想]
従来の授業では教員が作ったものと同じものを作って技術を習得していたが,現在は「必ず2つの動きが起こる装置を作る」という指導のポイントを押さえつつ,自分で創るものを考え工夫できるようにしている。プロジェクトのテーマをふまえて,制作は他の科目で学んだこととどう関係するのか,何歳くらいの子どもに適用できるか,安全面の配慮事項や評価をどうするかなどを考えさせる方法を導入しているために,科目の学習を教育現場の視点で行うことが可能になっている。このようにして学習が有意なものとして意識される意味は大きい。また,どのように自分自身が判断するかが尊重される過程重視の授業では,信頼と安心に満ちた表情がすべての受講者に観察できた。支持的・受容的な風土の中で行われる学習を通して醸成される教師の持つ雰囲気は,得難い財産となるだろうと思われた。