写真の重さ

　　”元日の夕空”
　元旦に、陸前高田から葉書が届いた。

息子さんを亡くされた若杉さんからだった。
　写真のお礼のあとに、　　
　　今までの家族のアルバム、かけらも残さずガレキの中に・・。
　　いただきました写真にこれからの時間を重ねて頑張っていきたい・・。
　と書かれていました。
この間、写真どころではなかったに違いない。
　写真もゼロからの出発だ。
　そのお役に立てれば何よりです。

　年末の大掃除で、整理できない写真やフィルムのことでもめた。
写真は中身にこだわりがない限り一枚の紙切れに過ぎない。

「多すぎて困る人もいれば、ゼロになって悲しむ人もいる」。
こう話すと、「私は処分してもらった方が」、とあっさりカミサン。
　連れ合いのつれない返事である。

謹んで

　　”陸前高田　一本松の夜明け”（１１月２９日）

　　　 復興への祈りを込めて。

新春の

　　”陸前高田　一本松の日の出”
　
　昨年11月末に陸前高田へ行った時、
　話を聞かせてもらった方に写真を送ったところ、
　大晦日に手紙が届いた。

　悲しくてつらい話を聞いてくれたことにお礼が書いてあった。
　聞いてお礼を言われる悲しみの大きさって。

お慶びを

　　”震災前の　福島県浪江町　請戸漁港の夜明け”

　震災でもう一か所。
　震災と原発避難で今は近づくことも出来ない浪江町です。

申し上げます

　”朝の請戸漁港”

毎年この場所へ鮭を撮りに行っていた。
　もうこの風景は戻らない。

この地に入れるようになったら、
　必ず行きたいと思っている。

本年が

　我が家の正月。

希望の年で

　今年も、お隣の御主人の手作り門松。

ありますように

　　”金柑”

　近所の畑から金柑をもらって、今年は金柑煮を作った。
　お店で売っているものとは違い、皮も厚いしあくも強い。

　でも、その人に媚びようとしない野生の味が好きだ。
　葉を付けて採ってきた金柑が玄関の一輪挿しに光っている。

　皆様、本年もよろしくお願いいたします。