昨日も粘った場所だ。
カメラマンは私一人。 朝の光は昨日とは反対になるので、農道の中にカメラ位置を決めた。
立っていると疲れてしまう、農道に座り込んだら何時の間にかコックリコックリ。
これはだめだ。歩き回ったらモズの声がする。高鳴きの様な鳴き方だ。
カメラ向けたら、まだ産毛が残っている若鳥だ。 声だけは大人並だった。
車をスローで走らせるとキジ♂発見。 収穫が無いからこれも撮ろうと車を止めたら。キジはすーと稲の中へ。
車を降りたら♀もいたが、この一枚だけで稲の中へ。 ♂♀居るなら待てば出てくるだろう。
ところがこれがいけない。こちらは日影もない場所。 暑さがじわりじわりとボデーブローのように効いてくる。 あきらめた。
今度は休耕田。 コチドリがいっぱいいる。車の中から撮るのがいちばんだ。
と、すぐ足元にタシギが居たのです。 田の一番奥に飛んでしまった。
これは貴重だ。待つしかない。 幸い助手席は日が入らない。
助手席に移動すると風も入っていい感じ。 しまった。 また眠ってしまった。 タシギは見失った。
狙った標的二つはいずれも空振り。 お土産にセイタカシギの雛を見て行こう。
ずいぶん大きくなった。
しかし、雛は田の一番奥。 二羽の親が二手に離れて監視するように居る。
一羽の親はガードの為なのだろうか。私が農道に立っても私から距離をとろうとしない。 こんなに近くで撮るなんてめったにないことだ。
雛は、田のずっと奥の方だ。 じっと待って居るとまたうとうとしそうになる。
いかん、少し休んで涼もう。 早昼にして出直そう。
時間をおいたら雛は比較的近くに移動していた。
突然親鳥が舞い上がった。 近くにハクセキレイが来たのだ。
この反応は早い、まるでレーダーでも付いているようだ。
ムクドリも直ちに追い出された。
”ヒオウギ”
畑で写真を撮っていると、畑向こうでK氏が一眼で写真を撮っている。
畑二枚挟んでK氏宅とは遮るものが何もない。
向こうも気が付いて手を上げる。
おいでおいでをするので、サンダルで畑を突っ切って近道。
珍しい、ヒオウギという花が咲いたからという。
山で落ちて居た種から育てて、三年目で開花したという。 一日花だそうです。
八坂神社、京都の祇園祭では無くてはならない花という。
種は真っ黒な玉で。ウバタマ、ヌバタマと言われ、
古文で、は黒髪、夜や夢の枕詞に使われた言葉の元の種だそうだ。
「お母さんだったら俳句やってたから知っていたかも」。
ヒオウギ(檜扇 烏扇 射干)はこの葉の形から来ていたんだ。
家に帰って母の歳時記を開いた。出ている。
射干の花大阪は祭月 後藤夜半
射干や医師に出す舌やゝ巻きて 今村俊三
歳時記の裏表紙に万年筆で 「和子」と母のサイン。 若い字が懐かしかった。
昨日、外出から帰ったら、居間の窓が真っ黒な農業用の斜光シートに覆われていた。
異様さにちょっと笑ってしまったが、あの大震災・原発事故以来の遺産だ。
これが家の中に居ると意外と心地よい。
「早くしないとゴミ行っちゃうよ」。
朝ドラが終わった時間ではもうこの雲の嶺だ。