ドキュメンタリー・アオサギ救出大作戦
これは27枚に及ぶ長辺ドキュメントです。
昨日、ちょうど昼食を食べ終わった頃。
近似のK氏から電話が入った。
近くの入間川のほとりに古くからの石材会社があります。
その敷地に大きな欅の木があって、
以前からアオサギがいくつも巣をつくることは、
野鳥好きの人たちは知っていた。
電話では、その木にアオサギが逆さにぶら下がって
動けなくなっている。
今から消防署が救出に来るという。
おっとり刀ならぬカメラで、私は迷わず川の対岸へ。
↑ 木の左側、逆さになっているアオサギが見えますか。↑
アオサギは時々羽ばたいて逃れようとしています。↓
消防車がきました。3台。
はしご車も来ました。届くのだろうか。
アオサギはあばれるのかと思ったが、
ほとんど動きません。
ネットをかけ、枝をのこぎりで切り落として作業完了。
アオサギは全くあばれませんでした。
私はここまで撮ったら撤収のつもりでいました。
でも、アオサギはどうなったろうか。
対岸の作業現場に。
一見、事はスムーズに運んだように見えましたが、
実はここまで来るのは大変だったようです。
サギが発見されたのは前日の事。
石材会社の大奥様。どこにどう連絡したら良いか分からず、
子供が小さい頃のスポ小の知り合いで野鳥に詳しいK氏にも連絡。
警察や消防や市役所とあちこちあたってもどこもすんなりとはいかない。
公共の場所というのなら別だが、個人の敷地となると、規則上はすんなりとはいかない。まして野鳥となると。
でも、よく高い場所から降りられない犬とかヤギとか救出のニュースを
テレビでも見たことはあります。そういう動物はよくて、野鳥はダメなんですか。
半ば啖呵を切るように頼み込んだら。
消防署が分かりましたと動いてくれたのだそうです。
↓ 消防署員にお礼を言う大奥様 ↓
ところで、アオサギは?
消防署員が川原の枯草の上に放してきたというのです。
遊歩道にはたくさんの人が見ていました。
アオサギは足を骨折しているみたいでまだ動けません。
私が来てからも20分近く経つ
アオサギは立ち上がれそうにありません。
子供連れで散歩の親子も「とりさんケガして動けないんだって」
と子供に話して見守っています。
昨日からから食事も水も飲んでない。
このままでは衰弱して死んでしまうのでは
皆の中にそんな気持ちがよぎります。
軽トラックで市役所の職員が来ました。↓
胸に「環境緑水課」のプレートが。
消防署は、市の職員に引き継いで撤収。
お疲れさまでした。
でも市の職員だからといって、
野鳥は法律で勝手に保護したりは出来ません。
このままでは水も飲みに行けないから、
せめて水を飲みやすい場所まで連れて行こう
野鳥の会のK氏も一緒に水の近くへ連れていく事に。
アオサギはやっぱり立ち上がれません。
この場所に放置してあとは自力回復に頼るしかありません。
初夏のような暖かな日でした。
一つの鳥の命にたくさんの人たちがかかわり、
みつめ続けて長い時間が経ちました。
ふとこの地続きの地球の上で同じ時間に、
パレスチナでは虫けらのように
人の命が奪われている。
人間は限りなく残酷で、また限りなく優しいんだな。