信州へ(4) カミさんの実家へ
横川峡を出ると道は県道にT字型にぶつかる。
「私やっぱり寄っていく」。
左に曲がれば10分もすればカミさんの実家だ。
この夏体調を崩していたことは兄妹には知れ渡っている。
ここまで来て黙って通り過ぎるわけにいかない。
この逡巡が起こることは来る前から分かっていた。
でも、何の準備もしてこなかったし、先方へも知らせてない。
「顔見せて挨拶だけだから」。
車を止めて、いきなり裏へまわった。
義兄は外にいた。
最初から靴は脱ぐつもりはない。
コーヒーだけ頂いて、カミさんはもろもろの経過報告。
「白菜持ってく?」。「もう採れるの?」
ジャガイモ、大根、白菜。土の匂いが車の中に満ちた。
近くに、二番目の義兄の家があるが、こちらは留守だった。
天気は良い。夕方までもう一か所回れそうだ。