詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

パンツの穴 等

2009年04月12日 | 日記
    「パンツの穴」

今年初めの
年末年始の老人ホームでの出来事を
いまでもときどき
なつかしく思い出す

「また来るからね!」と約束して別れてきた・・
大昔の文学少女の盲目の老女や
「死んだ方がいい」と言ってた
ずっと車椅子のままの老人や
同じ事を何度も大声でしゃべってた
認知症の老人たちは元気なんだべか・・

一日に一度は
またあの老人ホームへ行きたいなとか
あそこでもう一度
働いてみたいなという気持ちになる
でも時給800円では
とても生活してゆけないなーと諦める

認知症のある老女のパンツを
取り替えてていた時に
穴が開いてるのを見つけて
母の介護時代を思い出してしまった

認知症で寝たきりの母は
週に一度だけ
ホームステイに行くので
母の下着や上着や帽子には気をつかった
汚れていたり
穴が開いていたりしてないかと・・

それでいて
自分のパンツは
お尻に大きな穴が開いたままの
お気に入りのパンツだった
(パンツというよりもむしろ、短パンと言うべき濃紺の格好いいやつだった)

十数年間ほとんど毎日
はいてたパンツだった
ほとんど毎日洗濯しても
頑丈なパンツだった

仕事から帰って
母の食事を作り
その後片付けのあと
ベッドへと車椅子で行った後に
そのパンツへと履き替えて
いつも夜のジョギングへの毎日だった


   「人生で学んだことは」

人生で学んだことは
自分を大切に生きるべきだ
ということぐらいかもしれない

いつだって
お前はつまらん人間だとか
自分を捨てろとかいう
社会や他人からの圧力がある
自分を捨てることなしには
一分だって生き延びることのできない
現実がある

「自分」といったって
自分を育ててくれた両親や兄弟や
いままで出会ってきたすべての人々や
いままで感動した
すべての自然や文学や映画やらのすべて

明日もまた仕事
生きてゆくためには
仕事で生活の糧を稼ぐしかない

けれども
理想や信念を見失って
他人のあら探ししかできなくなったり
本さえも読まない肥え太った豚の群れや
威勢のいいばかりの
私利私欲に凝り固まった馬鹿を
指導者として選ぶくらいなら
むしろ
死んだ方がましだ


    「卵」

卵を
ずっと握りしめてる
決して生まれることのない
その命を

父から教わったのは
煙草と 酒と
殺しあう不毛さと
生卵を飲むことぐらい・・