詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

◆愛する詩のアンソロジー(2)◆ー李陸史(イユクサ)ー&ものすごい情報量のサイト!

2009年04月14日 | 日記
素敵な詩人はどこ国にでもいる。心惹かれる詩も・・
最近のぼくのお気に入りの詩人が戦前の朝鮮半島の詩人、李陸史(イユクサ、1904~1944年)。抗日運動家でもあった李陸史(イユクサ)が日本の官憲によって殺されたのは、まだ41歳の時だったという。

  年譜   李陸史(イユクサ) 訳/安宇植(アンウーシク)                                        
「おまえは石橋の袂(たもと)で拾ってきた」といっていた
祖母の叱言(こごと)をまこととしよう

おれは本当に堤防の傍のあの村に
捨てられた 孤児たっだのかもしれない?

だから十八歳の新春は
柳笛の調べに託してやり過ごし

初恋が流れていった港町の夜
涙混じりに飲んだ酒は 真っ赤な血よりも甘かった

功名がおれを嫌ってるといわれようと 一度でも声をかけたことがあったか
風まかせに帰ってきた村もからっぽで

霜を踏んで歩いた夜明けの路上で
肝臓ばかりが白っぽく紅葉し

蜘蛛の巣だけが足首に絡みつくにしても
鉄鎖につながれたように重くなる

雪の上を歩いていくと 足跡が地図になり
ときには不安におののき 風も吹く
(安宇植訳「李陸史詩集 韓国文学名作選」講談社より)


  青葡萄    李陸史(イユクサ) 訳/安宇植(アンウーシク)

わがふるさとの七月は
たわわの房の葡萄の季節

ふるさとの伝説は一粒一粒に実を結び
つぶらな実に遠い空の夢を宿す

空の下の青海原は胸を開き
白い帆船が滑るように訪れると

待ち詫びる人は船旅にやつれ
青袍(あおごろも)をまとって訪れるという

待ち人を迎えて葡萄を摘めば
両の手のしとどに濡れるも厭わず

童(わらべ)よ われらが食卓に銀の皿
白い苧(からむし)のナプキンの支度を


  一つの星をうたおう   李陸史(イユクサ) 訳/安宇植(アンウーシク)


一つの星をうたおう。たった一つの星を
十二星座のあのおびただしい星の群れを どうしてうたえようか

たった一つの星! 朝 消え去るときに見て 夜 現れるときに見る星
ぼくらとものすごく親しく もっとも輝かしい星をうたおう
美しい未来を切り開く 東方の大きな星を持とう

一つの星を持つことは 一つの地球を持つこと
染みだらけの悲しみよりほかに失うものとてない 古臭いこの地上で
一つの新しい地球をわがものとする 来たる日の喜びの歌を
喉も裂けよと声を張り上げ 心ゆくまでうたってみよう

乙女の瞳を感じつ帰っていく 軍需夜業の若き友たち
青いオアシスを思い描く辛い砂漠の キャラバンも心を潤すがいい
火田(かでん)に石くれを拾う農民たちも 沃野千里をわがものとしよう

だれもがおのれにふさわしい豊饒の地球の主宰者として
主(あるじ)のなき一つの星をわがものとする 歌をうたおう

一つの星一つの地球がしっかりと鍛えられたその地上に
あらゆる生産の種をわれらが手で蒔いてみよう
嬰粟(えいぞく)のような輝かしい実を穫り入れる饗宴では
礼儀にこだわることなしに半酔の歌でもうたってみよう

厭離穢土(えんりえど)し人々を治めたまう神はつねに神聖にして
新星を求めていく移民の群れに加わることはないから
新しい地球に寄せられた罪なき歌を 真珠のごとく撒き散らそう

一つの星をうたおう。たとえ一つの星であれ
一つまた一つの十二星座すべての星をうたおう

【訳注】
・火田(かでん) ・・・ 焼き畑のこと。
・罌粟(えいぞく) ・・・ ケシが嬰粟と誤伝されたのであろう。ケシは韓国では、楊貴妃と呼ばれるほうが多い。
・厭離穢土(えんりえど) ・・・ 仏教で、汚れたこの世を嫌って離れること。


■昨日のネット漂流で面白かったサイト(ものすごい情報量!)は「社会実情データ」図録ーhttp://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/index.html

国・地方がきちんと昭和のすべてを後世に残すべきだと思う

2009年04月14日 | 歴史
『古きを訪ねて新しきを知る』という言葉が昔から大好きだ。古いものが何も残ってない所から新しいものなんか生まれるはずがない。

数千億円という我々の雇用保険やら、年金で、「私の仕事館」等という下らん箱ものを作って毎年約10億円という赤字を税金から補填させるという馬鹿げた事ばかりやるよりも・・大阪知事方針のように、貴重な過去遺産の機械等をすべて放かるという愚行よりも・・

企業もすべての日本人も、もうこれ以上新しい物を求めるのを止めて、古い文化・文明をきちんと保存したり、古き良き物の復刻品をつくるべきではないのかと思う。

そう感じさせられた驚くべき映画の記事は『ドイツ映画「ジョン・ラーベ」を日本で上映すべきだ』(なんとあのヒットラー宛に、日本軍の非人道的な行いをやめさせるように諫言したのだとか!)はーhttp://www.news.janjan.jp/culture/0904/0904081171/1.php

《4月2日、ドイツであの南京虐殺の最中、中国市民の保護に務めたドイツ人「ジョン・ラーベ」を主人公とした同名の戦争映画が封切られた。ラーベ氏はその活動から、「南京のシンドラー」と言われている。》

《 映画「南京」でも、ジョン・ラーベは、難民の救済に務めた重要人物として描かれている。日本軍が侵攻してくる最中、市の一画に難民安全区が設けられ、その責任者として、避難民25万人の保護に尽力したドイツ・ジーメンス社の現地社長であった・・ラーベ氏はその活動から、「南京のシンドラー」と言われている》

《日本軍側は、南京攻略を前に、捕虜を全て殺害するという非人道的な方針をとり、以後市民に対しても残虐な行為に及んでいく。ラーベは、安全区域に入れなかった者が周囲で残虐に殺害されていく状況で、他の安全区域のメンバーと共に、1人でも多く市民を救うために、安全区域を日本軍側に認めさせるための折衝と、安全区域内の食料、医薬品等の確保等に奔走する。その間、ラーベはヒットラー宛に、日本軍の非人道的な行いをやめさせるように諫言するも、成果は得られない。》