詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

 廃屋で

2009年04月23日 | 日記
風に吹かれて
今年最後の桜に会うために
出かけた

花びらの道を横切り
花びらの川を渡り
山道は もうすっかり
菫と山吹のトンネル

見上げる空を
真っ二つにしてゆく飛行機雲が
包帯みたいに
するすると解けてゆくその時まで
廃屋の傍らに寝転べば
身体も こころのあちこちも
傷だらけ 痛みだらけ

背後の森の奥からは
光る眼のなにかが
じっとこっちを見ている

それを見上げるぼくの顔に
ぱらぱらと落ちてくるのは
杉の花粉だろうか
それとも
過去からの漂流物の残骸だろうか

梢を風が吹きすぎていった後からは
ぎしぎしと
ただ一本だけ揺れ止まない
杉の木とぼく

あらゆる痛みには
もう慣れっこだけど
痛みの原点は いよいよ
この空の青よりも深く
その廃屋の窓よりも歪んだ拘束衣

遠く鳴いているのは
ぼくの喪神を悼む
名も知らぬ春の小鳥
あたりは もうすっかり
賢治が愛した
シロツメクサの草原の夕の輝き

首切り

2009年04月23日 | 日記
最近のマスコミでは
「首切り」をしゃれた外国語で
「リストラ」と優雅に言うらしい

つい先日 
トヨタグループに続いて
創価学会系企業からの首切りだった

それにしても頭に来るのは
相談に行った労働基準監督署のエリート課長の対応だった
労災隠しやパワハラやセクハラを
取り上げないというのまでは理解できる
天下のトヨタグループや創価学会系企業を
敵に回しては出世できなるだろうから

けれども
ぼくが当然もらう権利があったのにもらい損ねた
ボーナスや労災隠しで自己負担分や傷病手当金の
数百万円をもらい損ねてしまったことには今でも怒り心頭だ
それらについて
当然教える義務があったその道のプロの彼らが
ひと言教えてくれたなら
現在これほど困っていなかったのにと思う

この官僚による官僚のための
官僚独裁奴隷国家では 
もはや誰もが生きる権利が残されていない

トヨタ方式のリストラ方法はー
グループ内の人事・総務責任者が
定期的に集まっての共産党対策や著名人を呼んでの勉強会
極秘の「要注意人物ブラックリスト」の検討会
誰それが何月何日にどこへ行って誰と会ったとかの報告会

共産党員や他の左翼やなにかの反体制的運動をやった人々のリストが
コンピュータシステムを寄贈した警察署等との間でやり取りされる
会社への反抗度から 交友関係図式
(「それ見りゃスパイは一目瞭然!」とうっかり口をすべらせてしまったので
リストラ後に共産党からは見放され
警察からは目をつけられてほとんど毎日パトカー等尾行つき
散弾銃でフロントガラスが弾痕だらけになったことも

ブラックリストの内容はというと
借金・貯金額から趣味やセックス内容から
本人ですらうろ覚えの家族の車ナンバー
通院・病歴や病院での診察内容や言った事まで
僕もリストラされた何人かの上司も
「病院でなんで会社の秘密をばらすんだ」と
もっと上の上司からの大目玉

過労死や突然死や自殺も多かった
団体割引の生命保険ウン千万円が
濡れ手で粟で入ってくるのでお偉いさんたちのドンちゃん騒ぎ
「とうとうあの邪魔者もくたばりやがったか!」
ウン千万円の臨時収入

トヨタでは一番の出世コースの組合もまた
組合費で接待ゴルフや海外旅行は日常茶飯事
僕はといえば満期の生命保険を受け取り拒否したので
出世コースから外れて窓際族になってしまった
あの時受け取っていたら
課長や市議くらいにはなってたのかも

以前はまだまだ穏便だったトヨタ方式首切り方式
仕事を与えず 配転先で「あいつはアカだから話すな」とか
中高年社員や女子社員を一列に並ばせて退職するまで芝生のゴミ拾い
トイレの時間や回数をストップウオッチで測定
僕の場合は手かざしの新興宗教に連れて行かれて「狐がついてる」とか
逃げ出した女子社員を皆で取り押さえて引きずりまわし 
「山口系暴力団の殺し屋に注意しろ」との脅迫
でもそれを僕に告げたのは
同郷の上司だったので親切な忠告だったのかも・・

創価学会系企業の方は
社会貢献や 悩める人々の救済どころか
税金ネコババ官僚ども顔負けの
汚れた金のマネーロンダリングや 
政党・政治家へ渡される我々の血税の守銭奴への上納
この国の腐りきったすべての宗教団体同様の
人間など虫けら同然と見なしてのやりたい放題
宗教団体の利益よりも
一人一人の人権こそもっとも大事なものであるはずなのに

半年くらい仕事を与えず
電話も受けるな 掃除もするなと
そして公然と目の前で僕の悪口を言い
「首にする」「早く辞めろ」の毎日
自分らの私利私欲しか眼中になかったトヨタでさえ
「掃除をやってます」とか
「母の介護が出来なくなるので出向できない」とか
という事は認めざるを得なかったというのに・・
法務官僚がリストラのために天下ってくるまでは・

反戦川柳作家ー鶴 彬 つる あきら

2009年04月23日 | 日記
鶴 彬 つる あきら 川柳作家 1909.1.1-1938.9.14 石川県生まれ。高等小学校卒業後勤めた機屋の倒産により大阪に出る。プロレタリア川柳論争に出会い、共鳴。故里に帰り全日本無産者芸術連盟(ナップ)支部を結成するが、間もなくプロレタリア川柳会員として検挙される。昭和五年、金沢第七連隊に入営するも赤化事件で軍法会議にかけられ収監、拷問を受ける。刑期一年八ヶ月、二等兵のまま除隊するが常に警察の圧迫を受ける。掲載最終五句は「川柳人」(昭和十二年十一月 二八一号)に掲載された最後の作品だが、掲載と同時に密告告発により治安維持法違反に問われ留置。不潔不衛生で有名な留置場で、そこで赤痢にかかり移送先の病院で死亡(官憲の手により赤痢菌を盛られたという説もある)。二十九歳。ベッドに手錠で括りつけられていたという。「川柳人」を主宰し鶴彬の理解者だった井上信子は同時に検挙されたが高齢のため不拘束となった。掲載作は「鶴彬川柳選」と付し、『鶴彬全集』(たいまつ社 昭和五十二年九月)より抄録。


   鶴 彬     川柳選

 昭和三年
飢えにける舌――火を吐かんとして抜かれ
人見ずや奴隷のミイラ舌なきを
ロボットを殖やし全部を馘首する

 昭和四年
つけ込んで小作の娘買ひに来る
銃口に立つ大衆の中の父
自動車で錦紗で貧民街視察
神殿の地代をとりに来る地主
出征のあとに食へない老夫婦

 昭和五年
勲章やレールでふくれたドテッ腹
ゼネストだ花が咲かうが咲くまいがよ
主人なき譽の家にくもが巣を

 昭和九年
瓦斯タンク! 不平あつめてもりあがり
跳ねさせておいて鱗を削ぐ手際

 昭和十年
凶作を救へぬ仏を売り残してゐる
暁の曲譜を組んで闇にゐる
ふるさとの飢饉年期がまたかさみ
生き仏凡夫とおなじ臍をもち
飯櫃(めしびつ)の底にばったり突きあたる
地下へもぐって春へ春への導火線
銃剣で奪った美田の移民村
ふるさとは病ひと一しょに帰るとこ
武装のアゴヒモは葬列のやうに歌がない
赫灼の火となるときを待つ鉄よ
牧場へもえ出て喰はれる春の草
冬眠の蛙へせまる春の鍬
良心を楽屋においたステージの声
縛られた呂律のまゝに燃える歌
これからも不平言ふなと表彰状
血を吸ふたまゝのベルトで安全デー
玉の井に模範女工のなれの果て
売り値のよい娘のきれいさを羨まれてる
フジヤマとサクラの国の失業者
みな肺で死ぬる女工の募集札

 昭和十一年
けふのよき日の旗が立ってあぶれてしまふ
ざん壕で読む妹を売る手紙
修身にない孝行で淫売婦
貞操と今とり換へた紙幣の色
仲間を殺す弾丸をこさへる徹夜、徹夜
暁をいだいて闇にゐる蕾
枯れ芝よ! 団結して春を待つ
転向を拒んで妻に裏切られ
売られずにゐるは地主の阿魔ばかり
神代から連綿として飢ゑてゐる
日給で半分食へる献立表
王様のやうに働かぬ孔雀で美しい

 昭和十二年
鉄粉にこびりつかれて錆びる肺
息づまる煙の下の結核デー
タマ除けを産めよ殖やせよ勲章をやろう
葬列めいた花嫁花婿の列へ手をあげるヒットラー
ユダヤの血を絶てば狂犬の血が残るばかり
凶作つづきの田は鉱毒の泥の海
十年はつくれぬ田にされ飢えはじめ
殴られる鞭を軍馬は背負はされ
バイブルの背皮にされる羊の皮
正直に働く蟻を食ふけもの
蟻食ひの舌がとどかぬ地下の蟻
蟻食ひを噛み殺したまゝ死んだ蟻
パンを追ふ群衆となって金魚血走ってる
稼ぎ手を殺してならぬ千人針
枕木は土工の墓標となって延るレール
高梁(コーリャン)の実りへ戦車と靴の鋲
屍のゐないニュース映画で勇ましい
出征の門標があってがらんどうの小店
万歳とあげて行った手を大陸において来た
手と足をもいだ丸太にしてかへし
胎内の動きを知るころ骨がつき

◆反戦川柳作家鶴彬の漫画が見られるページはーhttp://www.labornetjp.org/news/2009/1240367975436staff01

◆このままでは権力による冤罪共犯者にされてしまう裁判員制度については『「二つ胴」を裁くということ ~裁判員制度と死刑~』ーhttp://www.japanpen.or.jp/e-bungeikan/opnn/OoharaYu04.html
◆貴重な情報が満載の今日の「天木直人のブログ」はーhttp://www.amakiblog.com/archives/2009/04/21/#001380

◆なかなか情報が伝わってこないフランス情報はーhttp://www.labornetjp.org/Column/20090421pari
◆上記に関連した「フランストヨタのストライキが勝利!~鎌田慧が連帯メッセージ」はーhttp://www.labornetjp.org/news/2009/1240331337675staff01