詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

昔からの友たち

2009年09月03日 | 
いつからだろう
誰かをを連想させられてしまう
一群の物がある

夜を駆け抜けるには欠かせない
蒸気機関車や四輪駆動車
いつだって
その旅の供だった
携帯コンロや琺瑯製の真紅のカップ

そしていつの日も
枕許に欠かせなかったやかんとバケツ
雨漏りする家だったので
雨の日には欠かせなかった
長い年月のぼくの友たち

夜中に起きたときに
ごくごくと
喉を鳴らし飲み干すやかん
雨漏りする畳の上に置くバケツ

それがせめて
脳梗塞と痴呆症になって
深夜になるといつも
「ご飯をまだ食べてない。殺すつもりか!」と
叫んでいた母が素面だった母の思い出

だから
家のあちこちには
大小様々なやかんだらけ

大昔から
やかんのような人間が愛おしい

お湯が沸くたびに
ピューとけたたましいやかん
登山用の平べったいひしゃげたやかん
いざという時のために
2リットルの水と共にじっと耐えてるやかん

そしていつも
母の病床にあって
母がなにより愛用してた琺瑯製のカラフルなやかん

やかんのように生きていこう
誰がなんと言おうと
地球の誕生以来 ずっと
いのちを育んできてくれた
部屋のあちこちの
やかんやバケツの類い